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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第十三章・至高の三神と地獄炎の七大魔王

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BOSS・聖天使教会十二使徒『土』のズリエル

「あちゃぁぁぁぁぁ───ッ!!」

「うぉぉぉぉぉっ!?」


 ダニエルVSズリエル。

 ズリエルは、恐ろしいほど機敏な動きでダニエルに迫る。

 繰り出されるのは拳、蹴り。

 ズリエルは、今でこそ事務仕事がメインだが、かつては聖天使教会十二使徒の四番目として、戦闘では無類の強さを誇っていた。

 ダニエルは、ズリエルの拳と蹴りをなんとか防御しつつ言う。


「だぁぁ!? ズリエル、オレが悪かった!! 仕事全部お前に押し付けて悪かった!!」

「うるせぇぇぇぇぇぇっ!! オレが、オレがどんな目にあったかその身に刻んでやらぁぁぁぁぁっ!!」


 ズリエルは、キレていた。

 禿げ上がった頭、でっぷりしたお腹、常に流れている汗、体臭……聖天使教会で四番目に偉い立場なのに、部下の階梯天使には馬鹿にされ、同格の十二使徒にも散々馬鹿にされた。

 かつては、ダニエルの部下だった。

 ダニエルは頭もよく、外見も非常によかったため、部下の女性天使にもモテていた。

 ダニエルがよく飲みに連れて行ってくれた。おかげで、ダニエル目当ての女性天使とお喋りする機会もよくあった。

 でも……そのダニエルが、裏切った。

 事務仕事なんてかったるい。やってられねぇからズリエルよろしく。そんな手紙だけを残して。


「ほぉぉぉぉぉぁっちゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「ぐっ……!?」


 魔法や、『土』の天使としての力を全く使わない純粋な武術。

 かつてダニエルに仕込まれ、ジブリールとガブリエルにしごかれた技だ。

 それらを受けながら、ダニエルは思う。


「苦労をかけちまって悪かった!!」

「だから何だってんだァァァァァァーーーーーーッ!!」

「女!! 人間の女を紹介する!!」


 ズリエルの動きがピタッと止まった。


「…………え?」

「ズリエル!! オレと一緒に冒険者になろうぜ!! オレ、けっこうモテるんだよ。いい女を紹介できるし……それに、冒険者はいいぞ? 毎日美味い酒を飲んで遊べるしな」

「…………」

「疲れただろ? ズリエル……オレと一緒に行こうぜ」

「…………」


 ズリエルは、ぺたんとへたり込んだ。

 そして、ボロボロと涙を流す。


「う、うぅぅ……もう嫌なんですぅ」

「おう」

「十二使徒の方々は自分のことばっかり。私が一人で仕事してるのに誰も手伝わないし、副官のサリエルさんなんて一度も仕事しないし、ラーファルエルさんだって、ミカエルさんだって……うぅぅ」

「お、おう……」

「それにそれに、部下の階梯天使だって!! 私を見て馬鹿にしたように笑うし、いうこと聞かないし、馬鹿にするし……うぅぅ」

「く、苦労してるな……」

「う、うぅ……もういやだ。天使やめたい。十二使徒やめたい。出会いがほしい。結婚したいぃぃぃぃぃぃぃっ!!」

「…………」


 ダニエルは、苦笑いしていた。

 離れて見ていたラティエルは、ドン引きしていた。

 ダニエルは、そっと手を差し伸べる。


「もういいんだ。もう……」

「だ、ダニエル先輩……っ!! うぅ……うううぅぅぅ」


 こうして、ダニエルとズリエルの戦いは終わった。

 ダニエルがズリエルを丸め込んだだけなのだが、ラティエルは何も言わない。

 二人に近づき、ズリエルに聞いた。


「あの、ズリエルさん」

「ふあぁい!!」

「ひっ……」


 涙と鼻水でとんでもないことになるズリエルに恐怖しながらも言う。


「階梯天使の皆さん、なんとかできますか?」

「ええ、ええ……大丈夫ですぅ」

「そうですか。あと、ドビエルさんを止めないと」

「ドビエルさん? そういえばどこへ……?」


 量産型天使を操るドビエルは、どこにもいない。

 ダニエルは、煙草を取り出して吸う。


「ま、あっちに任せとけばいいだろ」


 ここにはいない、コクマエルとアブディエルのことを考え、ダニエルは煙草をふかした。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
連載中です!
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