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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第十三章・至高の三神と地獄炎の七大魔王

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世界に散らばる悪意、そして希望④

 グリーンエメラルド領土にも、量産型天使『夜天光』が現れた。

 だが……龍人族の王であるヴァルトアンデルスが、部下にこう命じた。


「潰せ」


 たったそれだけで、夜天光は龍人たちに蹂躙される。

 いくら現れても、圧倒的な力の前に蹴散らされる。

 階梯天使でも同じ、十二使徒でも蹂躙されるレベルの強さだ。

 ヴァルトアンデルスは、玉座に座ったままため息を吐いた。


「羽付き共め。とうとう喧嘩を売りに来たか……ふん、くだらん」


 側近が、ヴァルトアンデルスに跪く。


「陛下。出陣の準備ができました」

「うむ。では、久しぶりの暴れようかの……」


 ヴァルトアンデルスは城を出て、中庭へ。

 そこには、大勢の武装した龍人たちが並んでいた。

 ヴァルトアンデルスは、全身に力を込める……すると、身体が巨大化し、鱗が浮き上がり、爪、牙が生えた。そこに現れたのは、巨大なドラゴン。

 ドラゴンの王、ドラゴンロード。


『さぁて、天使ども……龍人に逆らった報いを受けてもらおうかの!!』


 グリーンエメラルド領土に踏み込んだ夜天光は、あっという間に蹂躙された。


 ◇◇◇◇◇◇


「はっはっは」


 ホワイトパール王国郊外にある貧民街に、一人の僧がいた。

 僧の周りには、いくつもの黒い天使たちが転がっている。

 僧は、掴んでいた天使の頭を握り潰した。


「やれやれ。この世の終わりかの?」


 僧の名は、特級冒険者序列一位『覇王拳』メテオ・ブルトガング。

 今は、貧民街で生活をしている。

 いつも通り起き、飯を喰らい、子供たちに稽古を付けていると、黒い天使が現れたのだ。

 それも、尋常な数ではない。

 メテオ和尚は頭をボリボリ掻き、貧民街に隠れている子供たちに言う。


「おお~い。まだ出てくるなよ? どうやら、まだまだ来そうじゃからな」


 メテオ和尚は首をコキコキ鳴らす。

 すると、ホワイトパール王国の門が開き、大勢の冒険者が現れた。

 全員が、武器を持っている。

 そして冒険者だけじゃない。ホワイトパール王国の正規軍も現れた。

 ホワイトパール国王ウィンダーの指示で、国を守るために出てきたのである。その背後に、前国王がいるのもメテオ和尚は知っていた。


「国と冒険者が手を取り合い、人々を守るか。ふふふ、天晴じゃ!」


 メテオ和尚は、大きなお腹をポンっと叩いてゲラゲラ笑う。

 さらに、ホワイトパール王国とは反対の方向から、武装した冒険者たちがやってきた。


「おお? あれは……ホッ、血溜組か。ははは、やつらも動いたか。それに、他の特級冒険者たちも動きだしたようじゃなぁ」


 冒険者たちは、国を守るために動きだした。

 天使に恐れるだけの人間ではない。

 時代が変わる。人が天使を恐れることがなくなる。

 天使の時代が終わり、新たな時代が始まる。

 メテオ和尚は、眩しいものを見るように目を細め、笑みを浮かべた。


「見ておるか、フレア。人はどんどん変わっていく。はっはっは……本当に、素晴らしいのぉ!!」


 メテオ和尚に向かってくる夜天光。

 すると、和尚の全身が真っ赤に染まり、血管と神経が浮かび上がる。

 身長が三メートルほどまで伸び、たるんだお腹が引き締まり、全身が筋肉の鎧に包まれた。


「『荒呉和尚(あらくれおしょう)』」


 和尚の拳が、夜天光を数体まとめて吹き飛ばした。

 構えを取り、真っ赤な血達磨のような風貌の和尚は叫ぶ。


「錦流の禁忌、忌まわしき『血達磨』の拳……見せちゃるかの!!」


 血達磨となったメテオ和尚は、夜天光を蹴散らしていった。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
連載中です!
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