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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第十三章・至高の三神と地獄炎の七大魔王

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神々の黄昏/それぞれの戦い

 それは、突然の出来事だった。


「───……む!?」

「兄者、どうし───」


 最初に気付いたのは、アルデバロン。

 そして、サラカエル。ガブリエル、ジブリールと続く。

 アルデバロンは上空を見上げ───『光』を見た。


「あれは、まさか……」

「おお……」

「地獄の、業火……」

「こりゃまぁ、なんとも……」


 聖天使教会最強の四人が、見惚れるほどの美しさだった。

 七つの魔神器を身に纏い、黄金の炎を燃え上がらせ、ヴァルフレアが太陽を背に飛んできたのである。

 あまりにも、あまりにも……神々しい姿だった。

 まるで、神。


「来たね、フレア」


 だが、自分たちの信じる神が不敵に微笑んだのを感じた四人は、すぐに意識を切り替える。

 迎え撃つべき『敵』として、フレアを消耗させるべく闘う。

 フレアが着地し、黄金の炎を燃え上がらせた。

 全ての量産型天使、階梯天使たちが身構える中、フレアは言う。

 決して大声ではない。ポツリと呟いただけだが、それはこの場にいる全ての天使たちに聞こえた。


「一度だけ言う。邪魔しないなら何もしない。でも……邪魔すんなら、焼き尽くす」


 殺気。闘気。地獄炎。

 それらすべての『意志』が、全ての天使たちに叩き付けられる。

 階梯天使のモーリエが、ガタガタ震えながら泣きだした。

 冷や汗を流しまくる階梯天使のマルシエルが、叫ぶ。


「ひ、ヒィィィィィィッ!? ば、バケモノだぁぁァァァァァァッ!?」

「わ、我は、我は……もう、奴とは戦いたくないのである!!」


 二人は逃げ出した。が……上空から落ちてきた『雷』に撃たれ、黒焦げになり倒れた。

 それは、人差し指を突き付けるアルデバロン。

 アルデバロンは、全力で叫んだ。


「臆するな!! 敵は一人だけ!! 我らの背後にいる至高の存在を忘れたか!? 天使として、この世界の秩序を司る存在として、我らは負けん!!」

「「「「「お、オォォォォォォ───ッ!!」」」」」


 天使を鼓舞するアルデバロン。

 サラカエルはさりげなく舌打ちした。

 カリスマ性において、アルデバロンに勝てる天使など存在しない。

 すると、聖天使教会本部の最上層が開き、金属でできた天使の羽が開いた。

 上層が分離し、浮き上がる。


「おお……分離した」


 フレアが感心したように言う。

 そして、分離した上層階がさらに開き、三つの玉座に座る三神がいた。


「やぁ、フレア」

「お前……」

「きみにやられた火傷、すっごく疼くんだよね」

「先生たち、どこだ?」

「先生? ああ、あの呪術師たちね。あいつらなら『常世のはざま』にいるよ。ボクらのいた世界の守護者としてね」


 アメン・ラーが背後を指さすと、空間に黒い穴が空いているのが見えた。

 フレアは、首をコキっと鳴らし、手首をスナップさせる。


「じゃあ、そこに行くよ。お前たちをブチのめしてな」


 構えを取り、黄金の炎を燃やし、四肢に力を漲らせる。


「呪闘流甲種第三級呪術師ヴァルフレア。お前ら全員、地獄の業火で呪ってやるよ!!」


 ◇◇◇◇◇◇


「ついに、この時がきた」


「ぜんぶ、ぜんぶ壊してやる」


「私から全てを奪った天使、ドビエル……!!」


「くらえ」


「これが私の」


「恨み、怒り、悲しみ、嘆き……全てを詰め込んだ、最強魔法」


「私の名前は、アブディエル」


「『裏切りの八堕天使(ブリューゲル・エイト)』の一人」


「ぜんぶ、全部……壊れてしまえ!!」


 ◇◇◇◇◇◇


 いざ、フレアが走り出そうとした瞬間───上空に、巨大な魔方陣が展開した。


「え、なんだこれ?」


 フレアが止まる。

 天使たちが上空を見上げる。

 そして、ドビエルも見上げた。


「これは……ま、魔方陣? なぜ? 誰が? おい!! あれは何───」

「マズいね───ジブリール!!」

「わかってる!!」


 ガブリエル、ジブリールが魔法障壁を展開した。

 が、すでに遅かった。


「『魔の堕天使(アブディエル)究極魔法(アルテマバスター)』!!」


 魔方陣から、巨大な『光球』が生み出され───量産型天使、聖天使教会本部、階梯天使を巻き込む形で落下した。

 量産型天使のほとんどは蒸発。第五階梯天使より下の天使は黒焦げに、それ以上の天使は魔法障壁を展開し、かろうじて防御した。

 一瞬にして、聖天使教会周辺が更地となる。

 防御に成功したドビエルは、ずり落ちる眼鏡を直しながら叫んだ。


「な、なんだ今のは!! ま、魔法だと!? 神レベルの魔法を、いきなり、あんな……どういうことだ!!───はっ、我らが神!!」


 上空を見上げると、『浮遊神殿』は無事だった。

 トリウィアが、竪琴を鳴らしながら感心する。


「やるじゃない。今の、見た?」

「ああ。天使一人でこれだけの出力、よくやるね」

「でも、一発限りみたいね。まぁ当然でしょうけど」

「やれやれ、だいぶ減っちゃったね。ま、別にいいけどね」

『───、───』


 トリウィア、アメン・ラー、黒勾玉が感心していた。


 ◇◇◇◇◇◇


「おい、アブディエル……おい!!」

「聞こえてる……耳元で怒鳴らないで」

「すっげぇぞ!! 量産型天使、ほとんど消えちまった。あとは階梯天使たちだけ……いけるんじゃねぇか!?」

「だから、怒鳴らないで……」


 アブディエルを支えるダニエルは興奮していた。

 アブディエルは、うっとおしそうにダニエルから離れる。

 真っ青で、大汗を掻き、肩で息をしていた。

 これだけの魔法を使い、空っぽだった。


「後は、おねがいね」

「ああ。へへ、久しぶりに……マジでやってやる」


 ダニエルは拳をコキコキ鳴らす。

 ラティエルも、胸に手を当てて祈っていた。


「わたしも、がんばる」

「じゃ、ぼくはアブディエルを看病してるよ。がんばって!!」

「……まぁいいけどよ。じゃ、行こうぜラティエル、フレアの援護だ!!」

「はい!!」


 二人は飛び出し、聖天使教会へ向かって走り出した。


「さて、最後の戦いが始まるねぇ。どういう結末になるか、ぼくにも予想できないよ」

「……ドビエルは、生きてる?」

「んー、生きてるね」

「じゃあ……トドメ、刺さなきゃ」

「あはは。まぁ、それくらいなら手を貸そうか」


 アブディエル、コクマエルも、戦いへ向かう。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
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