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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第十二章・白き愛の国ホワイトパール

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フレア・カグヤ・ミカエル③/もう少しで

「もぐもぐ……ん、うまいな」

「ホントね。魚の塩焼きうまぁ~」

「もぐもぐ……ねぇ、のんびり進んでるけど、大丈夫なの?」

「…………」


 俺たち四人は、のんびりホワイトパール王国へ向かっていた。

 街道を進んでいると川を発見。大量の魚が流れに逆らって泳いでいたので捕まえ、昼食として食べていた。川魚の塩焼きすげぇ美味い。

 ミカエルは、三匹目の魚(ユアっていう魚らしい)を完食。四匹目に手を伸ばす。


「天使の襲撃はまだないけど……ラティエルが探知してるならすぐに見つかっちゃうかも」

「襲って来たら返り討ちでしょ。ね、フレア」

「ああ。んっぐ……ぶっちゃけ、どんな天使が来ても怖くないぞ」

「……ま、あたしがいる時点で、天使側の勝利はほとんどないわね。それに、これもあるし」


 ミカエルは、胸の谷間から透き通った玉を出した。

 すると、俺の右腕が燃え上がり『火乃加具土命Spec2』が現れる。おかげで、右手で持っていた魚の塩焼きが一瞬で燃え尽きた。


「あぁぁぁ!? おま、いきなり出てくんなよ!?」

『うっせぇな……それより、そこの天使』

「じ、地獄炎の、魔王……声を聞くのは初めてかも」


 ミカエルは魚を食べる手を止め、俺の右手を見た。


『その力、トリウィアのモンだろ? 相棒と違ってお前ら天使は純粋な神の力に耐えられる器じゃねぇ。過剰な力の底上げは大きな負担……ああ、まどろっこしいな。端的に言うと寿命を縮めるぞ』

「…………」


 ミカエルは黙り込む。

 

『戦うのは相棒に任せて、おめーらはサポートを務めな。原初の炎を宿した相棒なら、アメン・ラーたちをブチのめせる』

「「「…………」」」

「あむっ……なぁ焼き鳥、力は借りるけど、戦いに関しては俺らが決める。余計なこと言うなよ」

『あぁん?』

「ミカエルもカグヤも、ここまで命賭けて敵と戦ってきたんだ。今さら死ぬのにビビったりしないって。な? あ、アブディエルは別だけど」


 カグヤとミカエルは「ふん」と鼻を鳴らる。こいつらマジでそっくりだな。

 アブディエルは、もくもく魚を食べるだけで返事すらしない。


「当然。アタシはやるわよ」

「あたしもよ」

「……どうでもいいし」

『……野暮だったな。それならいい』


 すると、『火乃加具土命Spec2』は消えた。

 今度は燃えないように左手で魚を持ってたから安心だ。


「悪いな。こいつ、けっこう心配性でさ」

「いいわ。でも……まさか、地獄炎の魔王に心配されちゃうなんてね」


 ミカエルはクスっと笑う。

 でも、念のため俺は言う。


「でも、火乃加具土命の言うこともわかる。ミカエル、カグヤ、ついでにアブディエル。俺はお前たちに死んでほしくない。本当にヤバかったら、戦うことより生きることを考えろよ」

「「「…………」」」

「へへ。神を倒しても、俺たちの冒険はまだまだ続くしな」


 俺は、最後の魚を掴み、頭からバリバリ食べた。


 ◇◇◇◇◇◇

 

 焚火の残骸を片付け、再びのんびりと街道を歩いていた。

 すると、後ろから数名の冒険者たちが歩いてきた。さらに、前から、両側から冒険者たちが現れ、ゆっくりと近づいてくる。

 なんとなく嫌な予感。


「なぁ、お前たち……冒険者?」


 と、前から来た冒険者の一人が声をかけてきた。

 

「そうだけど。で、なんか用か?」

「いやぁ……その、等級は?」

「一等、だっけ?」

「そーよ。アタシもすっかり忘れてたわ」

「一等か……」


 目の前の男は、手を差し出してきた。


「悪い。その……金、貸してくれないか?」

「「「は?」」」

「お前ら、他領土からきた冒険者だろ? 知らないなら教えてやる……ホワイトパール王国は財政難でよ、ギルドに依頼される仕事をいくつ掛け持ちしても、大した稼ぎにならねぇんだ……」

「財政難……おいおい、ホワイトパール王国って栄えてるんじゃねーの?」

「そりゃ貴族たちやホワイトパール王国の一般市民層だけだ……貧困層は、明日食う物もろくにない」


 よく見ると、俺たちを囲んでいる冒険者は、ボロッちい胸当てに鉄板を削って作ったような、剣ともいえない剣しか持っていない。

 歳もかなり若いし、みんなやつれていた。


「頼む!! 金を貸してくれ……その代わり、何でもする!!」

「うぅーん……」


 参ったな。

 悪意ある連中だったらブチのめして終わりだ。でも、ここにいる連中は物乞いと変わらない。精一杯の装備を作って、物乞いするために街道に出てきたんだ。装備は護身用かな……この辺、魔獣も出るし。

 すると、カグヤが言う。


「気に入らないわね。子供を引っ張り出して、みすぼらしい姿見せて、同情を誘うつもり?」

「ちがう!」「おれたちは自分の意志できた!」「そうだそうだ!」


 と、子供たちが反発。

 困ったな。マジでどうしよう。


「あんたたち、どこに住んでるの?」


 と、ミカエルが目の前の青年に言う。

 青年は、少し悩んだようだが、答えた。


「ホワイトパール王国郊外。『貧民街』だ……」

「貧民街ね。じゃ、そこにいくわよ。フレア、途中で狩りをするわよ。獲物、探せる?」

「ああ。気配を探れば」

「カグヤ、あんたも手伝いなさい」

「命令すんな。って言いたいけど、戦えるなら別にいいわ」

「そういうこと。じゃあ、案内しなさい」

「あ、ああ……」

 それと、あんたの名前は?」

「お、オレか? ガッシュだけど……」

「ガッシュね。じゃ、行くわよガッシュ」


 ミカエルはスタスタ歩きだす。 

 俺はガッシュの肩を叩く。


「金やるより、うまい肉腹いっぱい食ったほうがいいだろ? 行こうぜ」

「……あ、ああ」


 こうして、俺たちはホワイトパール王国の貧民街へ向かった。

 ちょっとだけ寄り道……プリムたち、大丈夫だよな。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
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