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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第十章・深き森のグリーンエメラルド

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ナクシャトラの話

 買い食いを終え、俺とカグヤ、そしてナクシャトラはカフェに入った。

 

「いっぱい奢ってもらったし、ここはカグヤが奢ってやるよ」

「なんでアンタが決めんのよ!!」

「あ、ああ……つーか、オレの財布空っぽなんだけど」


 ナクシャトラは空っぽの財布をぱさぱさ振る。

 財布から出てきたのはゴミだけだ。ちょっと食いすぎたわ。

 とりあえず、カフェで飲み物を注文し、ナクシャトラの話を聞くことに。

 運ばれてきたフルーツジュースを飲みながら俺は聞いた。


「で……話ってなんだ? お、これ美味い」

「ああ。お前らみたいな強いやつを探していた。お前らならきっと……『龍人族』を倒せる」

「龍人族?」

「ああ。オレたちエルフ系を支配している、グリーンエメラルドの種族だ」

「支配?……ねぇ、グリーンエメラルドってエルフと龍人の国があるのよね?」

「そうだ。でも……エルフの国はとっくの昔に龍人族に支配されちまった。グリーンエメラルド内でエルフは龍人族の奴隷にすぎねぇよ」

「奴隷って、お前ら人間攫ってんじゃん」

「龍人族がやれって命令してるからだ。やらねぇと痛い目に合うからな。まぁ中には開き直って盗賊になったりノリノリで龍人族の下に付く奴もいるけどな」

「お前は?」

「……仕方なくだ。やらねぇとオレの仲間、家族が危険に晒される。オレは人間とエルフのハーフでたまたま『特異種』、んでかなり強かったからな。龍人族の中ではけっこういい位置にいる……それを利用して、エルフの保護をしてるんだ」

「ふーん。でも、人間攫ってんだろ?」

「……否定しない。でも、森に入った人間や賊だけだ。グリーンエメラルド領土は完全な自己責任。何が起ころうと他国は介入してこねぇ。それくらい龍人が恐ろしいってのがある」


 ナクシャトラはため息を吐く。

 そして、本題を切り出した。


「お前らに頼みたいのは、とある龍人を倒してほしいんだ」

「「とある龍人?」」

「ああ。『闘龍四天王』の一人、『凱龍グレンデル』を」

「……急に面白そうな気がしてきたわ」


 カグヤがにんまり笑った。

 俺は店員を呼び、フルーツジュースをおかわりする。


「で、その……がいりゅう?グレンデルとかいうのを倒してどうすんだ?」

「オレの村を取り戻す」

「取り戻すって……そのグレンデルとかいうの倒したら、他の龍人が怒るんじゃないの?」


 カグヤがどこか楽し気に聞いた。こいつ、戦いの匂いを感じてやがる。


「大丈夫だ。龍人族との協定で『龍人が支配する土地は、その支配する龍人を倒せば返還する』ってのがある。龍人族は力に絶対の自信を持っている。エルフなんかに自分たちが負けるなんて、最初から思っちゃいねぇのさ」

「それ、舐められすぎだろ」

「だな。でも……過去に龍人族たちに挑んだ戦士は、全員が敗北した。エルフも人間も関係なくな」

「わーお♪」


 カグヤがニヤリと笑う。

 うーむ。俺も気になってたぞ。そういや、あのセキドウとかいうやつ言ってたっけ、グリーンエメラルドで強くなれって。


「グリーンエメラルドにはダンジョンがある。けっこう強い冒険者もそこそこ来てな……他の龍人に殺されたり、グレンデル自身に殺されたり、捕らえられて奴隷にされたりと様々だ」


 ナクシャトラはため息を吐いた。

 

「で、俺たちにそいつを倒せと?」

「ああ。お前たちの強さ、今まで見た人間とは比べものにならねぇ……お前たちならもしかしたら」

「アタシはいいわよ。なんか面白そうだし」

「俺はダンジョンのが気になるなー……なぁナクシャトラ、グリーンエメラルドって人間いるの?」

「いちおう、町に住んでるやつはいるぜ。薬屋とか鍛冶屋とか、技術を持ってる奴だけだけど。旅人とかも来るけど、けっこうな確率で捕らえられちまうぞ。グリーンエメラルドに夢持ってくるようなアホ共は、みんな奴隷落ちだぜ」

「ふーん……まぁ、グリーンエメラルドには入るつもりだったし、いいか」

「そうね。でも、プリムたちに相談したほうがよくない?」

「だな。じゃあそうするか。ナクシャトラ、仲間に相談するから一緒に来いよ」

「え? お、おう……」


 会計を済ませ(やっぱり支払いは俺だった。おのれカグヤ)宿へ。

 すると、馬車の強化点検を終え、上機嫌のアイシェラがいた。


「む、戻ってきたか……誰だそいつは?」

「ナクシャトラ。アイシェラ、プリムたちは?」

「お嬢様は読書。クロネとシラヌイは昼寝だ。で、それは誰だ?」

「ちょっと話がある。お前も来いよ」

「お、おい! 私の話を……ええい、もういい」


 アイシェラは部屋へ戻った。

 カグヤも宿へ入り、俺とナクシャトラだけが残る。


「強引だな……お前」

「そうか? それより、さっきの話プリムたちにもしろよ。あと、ネコミミの奴がいるから、龍人の話もしてやって」

「ネコミミ?」


 ナクシャトラを連れて宿の部屋へ。

 プリムは本を閉じ、クロネとシラヌイは起きていた。


「フレア。また何かあったのですか?」

「またって何だよまたって……まぁあったけど」

『わぅん』

「なっ……にゃにゃ、にゃんで特級冒険者が!?」

「「え?」」


 クロネの驚きに、アイシェラとプリムが反応する。

 まさか、俺が連れてきたのが特級冒険者だとは思ってなかったようだ。

 とりあえず、ナクシャトラに椅子をすすめ俺も座る。


「こいつはナクシャトラ。俺とカグヤに喧嘩売って返り討ちにした。んで、頼みがあるっていうから連れてきた」

「説明雑だなオイ!?」


 ナクシャトラが俺に言う。そんなに雑かな?


「とりあえず、こいつの話聞いてやってくれ」


 俺はそう言い、ナクシャトラの説明(二度目)を聞いた。

 ちなみにカグヤは話の途中でグースカ寝てしまった。


 ◇◇◇◇◇◇


 話が終わると、プリムは言う。


「ひどいです! 龍人族……エルフの方々を支配だなんて」

「どうやら、私が習った『エルフと龍人が共存している』という情報は古いようだ」

「にゃん……龍人」


 プリムは怒り、アイシェラは腕組み、クロネはネコミミが萎れた。

 俺はクロネのネコミミに触れる。するとすぐに手で払われた。

 クロネは、ナクシャトラに確認する。


「触んにゃ!っと……それより、龍人にゃん?」

「ああ。ネコミミ、知ってんのか?」

「クロネにゃん! ネコミミじゃにゃい!」

「クロネニャンな。で、龍人「クロネ!! なんでみんな間違えるにゃん!!」


 クロネ激おこだ。

 怒ったおかげでネコミミが復活した。


「いくつか集めた噂で、信じられないのがいくつかあるにゃん。一つは、龍人族最強の四人の存在……最強の龍人四人は、十二使徒五人に匹敵するって噂にゃん」

「そうなのか? ミカちゃんでもヤバいじゃん」

「にゃん。『闘龍四天王』……グリーンエメラルドに入るなら関わらない方が、ってことを言おうと思ってたけど、無駄だったみたいにゃん」


 そう。ナクシャトラの話ではグレンデルとかいう奴を倒さなきゃならない。

 すると、プリムが言う。


「で、でも……フレアならなんとかしちゃいそうです」

「ま、そうだな。面白そうだし、思いっきり戦えそうだ」

「この戦闘バカめ。実に頼りになる」


 アイシェラは楽し気に笑う。

 ナクシャトラは頭を下げた。


「頼む。お前たち……グレンデルを倒してくれ」

「俺はいいぞ」

「私もです! 冒険です!」

「お嬢様かわいい!」

「にゃん……あんまり気乗りしないにゃん」

「くかー……んん、話おわったぁ?」

『わぅん』

「え、えっと。いいんだよな?……意見バラバラだぞ」

「いい。行く行く。任せとけ!」


 こうして、俺たちはグリーンエメラルドに向かうことになった。

 最初の目的地は、ナクシャトラの村。グレンデルとかいう龍人族に支配された村だ。

 グリーンエメラルド、ここも一筋縄ではいかない冒険になりそうだ!

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
連載中です!
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