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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第十章・深き森のグリーンエメラルド

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森の冒険者ギルド

 翌日。

 俺とカグヤは冒険者ギルド、プリムたちは近場で買い物をすることになった。

 けっこう危ないところらしいから、あまり離れたくはない。でも、アイシェラも強くなったし、クロネも本気を出せばけっこう強いというので、分かれて行動することに。

 俺とカグヤは、宿の前でプリムたちに言う。


「じゃ、俺とカグヤとシラヌイは冒険者ギルド行ってくる」

「うんうん。ところでホントに大丈夫~?」

「大丈夫だ。それに、もし襲われてもブルーパンサーの武装実験にちょうどいい」

「怖いこと言ってるにゃん」

「あはは。でも、アイシェラはすっごく強いので大丈夫です。フレアとカグヤ、お二人こそお気を付けて」

「おう。面白そうな依頼あったら受けるからな」

『わぅん!』


 そう言って、俺とカグヤは宿を出た。シラヌイも久しぶりに俺と遊べるのが嬉しいのか、尻尾をフリフリしながら付いてくる。

 町に出ると、やはりゴーレムは歩いていない。人や獣人が多く、住人や商人は少な目だ。

 活気のいまいちな町。それが俺の印象だった。


「なんか、活気はいまいちだよな」

「そうね。パープルアメジスト王国が賑わいすぎてたからそう感じるのかもだけど……昨日買い物したときは、けっこう賑わってる店が多かったわよ」


 冒険者ギルドは、町の中央にあった。

 地図がなくてもなんとなくわかる。全ての町の共通点として、ギルドや大きな宿は町の中心ってのがある。俺もけっこう旅慣れしてきたぞ。


「お、あれか」

「冒険者ギルド! 入りましょ」

「おう」


 ログハウス風の冒険者ギルドだ。

 けっこうな大きさで、冒険者たちがいっぱい出入りしている。中に入ると、やはり冒険者であふれていた。うんうん、こういうの久しぶりだな。

 さっそく掲示板へ。ちなみに、動物を入れても問題ないみたいなのでシラヌイも一緒だ。


「……んー、少ないな」

「確かにね……それに、討伐系が多いわね。あと採取系」

『くぅん』


 掲示板は、けっこう偏っていた。

 グリーンエメラルド領の森に出る魔獣退治がメインで、あとは薬草採取の依頼しかない。

 掲示板を眺めていると、背後から声を掛けられた。


「そこのお二人さん。依頼を探してるのかい?」

「ん? ああ、そうだけど」

「誰よアンタ。馴れ馴れしいわね」

「おっと失礼。オレはこのギルドを拠点にしている一級冒険者。アーノルドだ」


 アーノルドと名乗ったおじさん冒険者は、にっかり笑う。

 人のよさそうな感じだ。鉄製ヘルメットをかぶり、背中には斧を背負っている。なかなか体格もよく、骨付き肉をガフガフ食べるのが似合ってそうだった。

 

「お二人さんの等級は?」

「えっと、二等……だっけ?」

「そーよ」


 クレイ爺さんの依頼を達成したおかげで、等級が上がったんだ。

 二等といえば中堅。ふふ、俺たちも成長したぜ。


「二等かぁ! 二等ならAレートクラスの魔獣討伐でも大丈夫だな。お二人さん、腕に自信はあるかい?」

「「当然」」

「かっかっか! なら……こいつはどうだ? 『ロードマンティス討伐』だ。A+レートの魔獣で、グリーンエメラルド領土の森を荒らす危険な魔獣だ」

「へぇ~、面白そうだな」

「カマキリね。虫はあんまり好きじゃない……」

「かっかっか。だが、グリーンエメラルド領土に出る魔獣のほとんどは昆虫タイプだぞ?」

「うげぇ~……」

「カグヤ、ここは俺に任せて宿で寝てるか~? シラヌイ、一緒に頑張ろうな」

『わん!』

「ふざけんな! アタシも行くに決まってんでしょ!」


 というわけで、ロードマンティス討伐の依頼を受けることに。

 さっそくカウンターで依頼書を出す。

 受付のお姉さんは、にこやかな笑みを浮かべていた。


「では、こちらの依頼で間違いありませんね?……確認しました。二等冒険者ヴァルフレア様、同じく二等冒険者カグヤ様。依頼内容は『ロードマンティス討伐』です。依頼達成条件は『ロードマンティスの討伐、対象魔獣の部位を確保しギルドに卸す』ことです。それではお気を付けて」

「ほーい。うっし、じゃあ行くか」

「そーね」


 すると、アーノルドが嬉しそうに言う。


「じゃあ頑張れよ! 応援してるからな!」

「おう、ありがとな、おっさん」

「じゃーね、おっさん」

「おいおい。オレはまだ三十代だ。おっさんじゃねぇぞ」


 アーノルドと別れ、俺とカグヤはグリーンエメラルド領土側へ向かった。


 ◇◇◇◇◇◇


 グリーンエメラルド領土側の出口から森に入ると……なんというか、すごかった。


「おお……なんか、大自然!って感じだな!」

「なにそれ……」


 木々が高い森だった。

 地面は土だがよく手入れされた土で、けっこう歩きやすい。

 町の入口だから整備されてるだけなのか……すると、カグヤが言う。


「なーんか妙ね……」

「……確かに」

「親切すぎるわ。ああいうの、裏があると思って間違いなわね」

「だな。俺もそう思う……でもさ、気を付けようって思っても」

「引っかかっちゃうのよねぇ……それに、そっちのが面白そうだし」

「良くも悪くも、俺たちって冒険好きだもんな」


 カグヤと笑い合い、森の奥へ進んだ。

 目指すは森のどこかにいる、ロードマンティスだ。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
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