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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第九章・からくりの王国パープルアメジスト

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パープルアメジスト王国、到着

 街道を超え、林を超え、ようやく俺たちはパープルアメジスト王国に到着した。

 遠目でもわかる……パープルアメジスト、とんでもない規模の国だ。

 俺とカグヤは、馬車の上で驚いていた。


「すっげぇ~……」

「技術大国パープルアメジスト……こんな遠くからでもすごいってのわかるわね」


 まず、今までの王国と違い、門がない。

 横開きの門ではなく、扉のない門構えだった。そこを馬車やゴーレム荷車が潜っている。

 建物は、遠目でもはっきりわかるくらい大きい。いや……細長い。

 細長い建物や、平べったい建物、ドーム状の建物もある。さらに、煙突から煙がモクモク出てる。

 俺たちが走っている街道も、先程から様々なゴーレム荷車とすれ違う……正直、馬車のが少ない。


「王国ってことは、王様がいるのよね?」

「そうじゃねーの? ま、興味ないけど」


 パープルアメジストの風は少し油の匂いがする。

 馬車の上でそんなことを考えていると、クロネが窓からしゅるっと屋根へ。


「パープルアメジストは王政だけど、王の権力はあんまり強くないにゃん。一応、貴族とかもいるけど、ゴーレム技術の国だから企業のが強い力を持ってるにゃん。特級冒険者の経営する『ゴーレム・エンタープライズ』のが国からは信頼されてるかも。貴族とか金持ちは会社のパトロンにゃん」


 と、誰も聞いていない説明をした。

 説明なら任せろとばかりのドヤ顔。


「こ~の知識自慢め! このこのこのっ!」

「にゃふっ!? や、止めろにゃん!!」


 カグヤがクロネを捕まえネコミミを揉みまくる。

 じゃれ合いをする二人を放置し、俺は御者席へ。


「なぁアイシェラ。パープルアメジスト王国って、この領土で一番デカい国なんだよな?」

「ああ。それがどうした?」

「いや、この国見たら次はどうすっかなーって……」

「……まだ見てもいないのに、もう次のことか?」

「いや、なんとなくだよ。いやー……俺、いろんなもん見た過ぎて、焦ってるのかな」


 ブルーサファイア、レッドルビー、イエロートパーズ、ブラックオニキス。そしてパープルアメジスト。

 ホワイトパール王国を除いた、最後の一つ。

 

「行くとしたら、グリーンエメラルド王国だな。エルフと龍人の国……」

「おお、えるふ……りゅうじん」

「今は気にするな。それより、目の前の国を見ておけ」

 

 アイシェラはそう言う。

 俺は目の前に大国パープルアメジストを見て、胸を躍らせるのだった。


 ◇◇◇◇◇◇

 

 パープルアメジストに入国した。

 モルガンとメイカが手続きをして、大会関係者と言ったら通してくれた。しかもかなりの好待遇だ。

 俺は、モルガンのゴーレム荷車に移動し、操縦席に座るモルガンに聞く。


「いい待遇だなー」

「まぁね。年に一度のお祭りであるゴーレムバトル大会とオリジナルゴーレム大会の参加社なんだ。大会関係者は宿泊所も用意されてるし、『ゴーレム・エンタープライズ』が準備した工房も使用できる」

「おお!」

「というわけで、まずは宿泊施設に行こう」


 モルガンが操縦するのを隣で見ていたが……なんかムズムズしてきた。

 ゴーレム荷車はゴーレムが巨大な倉庫を引っ張っている形だが、荷車部分に操縦席がある。モルガンがレバーを操作すると、荷車を持ったゴーレムが左右に動き、荷車も同じように動く構造だ。

 なんというか……俺もやってみたい。


「な、なぁ……それ、俺にもやらせてくれよ」

「駄目。ゴーレム荷車を動かすには免許が必要だ。教習所で学科をクリアして実地試験をクリアしてから来たまえ。はっはっは!」

「ぐぬぬ……」


 ゴーレム荷車、面白そうなのに。

 すると、メイカが操縦席に入ってきた。


「兄さん、宿に到着したらゴーレムの整備をするから。兄さんは大会本部に行って手続きを済ませてきて」

「ああ! ふふふ、あこがれの『ゴーレム・スタジアム』……くぅぅ! メイカ、土産は何がいい!?」

「あたしも明日行くからいいよ……それより、無駄遣いしちゃダメだからね!」

「なぁメイカ、俺たちは?」

「フレアさんたちは……一応、兄さんの護衛とあたしの護衛に付いていただければ」

「わかった」


 俺は操縦席のドアを開け、プリムたちのいる馬車に飛び乗った。


「む、無茶するね……けっこう速度出てるんだけど」


 モルガンがそんなことを言った気がした。

 

 ◇◇◇◇◇◇


 宿泊所は、ゴーレム荷車も停車できるようになっていた。

 厩舎もあったので白黒号を預け、荷台部分はモルガンのゴーレム荷車と一緒にしておく。

 荷物を下ろし、宿泊所へ。


「わぁ……すごく立派です」

「さすが技術大国。見たことのない物が多いですね」


 プリムとアイシェラが宿泊所の中を見て驚いている。

 確かに、煌びやかな内装で、見たことのない調度品が多い。

 カグヤは欠伸し、クロネは尻尾を揺らしていた。


「ねぇ、部屋行こうよ。荷物下ろしたーい」

「にゃん。うちも情報収集に行きたいにゃん」


 メイカとモルガンが受付を済ませて戻ってくる。

 そして、何やらカードを渡した。


「部屋のキーカードです。私と兄さん、プリムさんとカグヤさん、アイシェラさんとクロネさん、フレアさんはシラヌイと一緒の一人部屋です」


 なるほど。このカードが部屋の鍵か。

 そして、昇降機とやらで建物の上層へ向かい、フカフカな絨毯のある階層へ。

 メイカに案内された部屋にカードを差し込み、部屋の中へ。


「おお、いい部屋じゃん」


 ベッドに机、椅子にテーブルがある。

 シャワー室やトイレもあり、カーテンを開けるとパープルアメジスト王国が一望できる部屋だった。

 シラヌイは絨毯の上で丸くなる。


「いやー……呪術師の村から出て千年、すごいや」


 そう呟き、俺は景色を堪能した。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
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