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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第九章・からくりの王国パープルアメジスト

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本選出場決定! 

 モルガンの『キュータマ1号』が入賞、順位とかじゃなくて『面白いゴーレム』ということで特別賞を受けた。そして本選出場枠を勝ち取った。

 さらに、ゴーレムバトル大会予選で優勝。モルガン整備工場は一躍有名になった。

 町の裏路地の入り組んだスラム街っぽいボロ工場の快挙!ということだ。モルガンにインタビューをしようと記者が向かったのだが、モルガン整備工場の場所がわからず困惑したって笑い話もある。

 お祝いもしたのだが……俺は呪術師が気になって上の空だった。


 本選出場ということで、パープルアメジスト王国に行かなくてはならない。 

 バトル大会で出た賞金は俺とカグヤのゴーレム改造と、モルガン兄妹の旅費にした。

 出発は二日後ということで、みんなで買い物に来ている。

 プリムとアイシェラは服屋を覗いたり、クロネは乾物屋で魚の干物を買い、カグヤは武器屋で具足を眺めていた。

 俺はと言うと、みんなの後ろに続くだけ。


『くぅぅ~ん……』

「ん、どうしたシラヌイ」

『わぅぅん……』


 シラヌイが、俺の足に身体を擦り付けてきた。

 ああ、心配させてるようだ……いかんな、たるんでる。

 

「悪い。他の呪術師に会うなんて考えもしなかったからさ……俺らしくない」

『わん!』

「よし!! 考えるの止めた!! シラヌイ、なんか食おうぜ」

『わぅん』


 とりあえず、呪術師のこと考えるのは止め!!

 今はパープルアメジストの冒険を楽しもう。


「フレアー! そろそろお昼にしましょー!」

「おい、遅れるなよ」

「フレア! 肉食べるわよ肉!」

「魚がいいにゃん。お魚食べたいにゃん」


 いつの間にかみんなが集まり、俺を呼んでいた。

 

「ああ、今行く!」


 そう言って、シラヌイと一緒に俺は走り出した。


 ◇◇◇◇◇◇


 数日後。

 宿を引き払い、全ての荷物を馬車に積み込んで出発準備を終えた。

 白黒号もゆっくり休めたのか機嫌がいい。

 宿の前で、モルガンたちを待っていると……来た。


「おーい!! フレアくん!! みなさーん!!」


 モルガンが手を振っていた。

 メイカは恥ずかしいのか止めさせる。

 だが、そんなことよりも、俺たちは二人の背後にある大きな鉄製の箱に興味津々だった。

 真っ先に、プリムが聞く。


「お、おはようございます……その、なんですか、この箱は?」


 箱を見上げるプリム。

 驚いたことに、箱には車輪が付きゴーレムが引っ張っている。

 モルガンが、嬉しそうに説明してくれた。


「いやぁ、大会運営が用意してくれた『ゴーレム荷車』だよ。ここに大会用ゴーレムと旅の荷物が積んであるんだ。さらに!! 荷台上部は宿泊スペースにもなっている!! 引き手のゴーレムもパワー重視で、頑強な脚部は道を選ばな「兄さん、その辺で」


 メイカがモルガンを押しのける。

 そして、俺たちに頭を下げた。


「みなさん、おはようございます。パープルアメジスト王国まで七日ほどの距離、護衛をお願いします」

「任せなさい!!」

「お嬢様は私に任せろ!!」

「アイシェラうるさい。メイカ、道中よろしくお願いします」

「はい!」

「おいモルガン。ゴーレムの話聞かせてくれよ」

「おお、任せたまえ!!」

『わんわん!!』


 うんうん。楽しい旅になりそうだ。

 すると、クロネが俺たちに割り込んで言う。


「確かに、ここからパープルアメジスト王国まで七日ほどの距離にゃん。でも……道中気を付けるにゃん」

「は? なんでだよ」

「過去のゴーレムバトル大会で、原因不明の不参加がいくつもあるにゃん……敵対企業が刺客を放ったり、敗者の企業に高額を支払って妨害工作をしたりと、黒い話ならいくらでもあるにゃん」

「え、マジ? 最高じゃない!!」


 カグヤが大喜びだ……こういう話、好きだもんな。

 メイカとモルガンもちょっと顔色が悪いので、俺も言った。


「ま、大丈夫だって。どんなのが出てきても、俺とカグヤでブチのめしてやるからさ」

「は、はい……」

「た、頼んだぞ。フレアくん」


 こうして、工業都市エルモアを出発……パープルアメジスト王国に向けて出発した。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
連載中です!
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