表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第八章・温泉とゴーレム

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

193/395

温泉郷ユポポはいいところ

 冒険者ギルドで開かれた祝勝会は、それはそれは盛り上がった。

 ギルド内が広いってのはいい。テーブルにはたくさんの料理が並び、集まった冒険者やゴーレムマスターたちが何度も乾杯を繰り返し、次々と出てくる料理はすぐに平らげてしまう。

 俺たちは、英雄みたいな扱いを受けた。

 一番大きな円卓に案内され、冒険者たちが何度も感謝の言葉をかけてきた。

 さすがに何度もうっとおしい。カグヤがイライラしてきた辺りで、ママさんが来た。


「あんたらには感謝しかないよ。ユポポの恩人さね」

「いやいや。俺もカグヤも楽しんだからいいって。なぁ?」

「そーね。それよりさ、他の黄金級は? アタシ、他のも狩りたい」


 ぶっそうな奴だな……プリムが苦笑してるぞ。

 アイシェラはエールをがぶ飲みし俺を見ようとしない。どうも混浴で裸を見たのがまずかったようだ。

 クロネは焼き魚を食べてご満悦だ。猫みたいで可愛い。

 ママさんはエールをグイっと飲み欲し、俺に言う。


「報酬の件だが……」

「ん、そういやそんなのあったな」

「ああ。黄金級を仕留めたのはアンタらだ。素材も全てあんたらが所有する権利がある。回収した『キャンサー』と『タウルス』の素材を査定中だが、高純度オリハルコンだからけっこうな値段になる。ぶっちゃけ、このユポポの金庫じゃ足りなくてね、換金しようにもできないんだ……素材、そのまま持って帰ってパープルアメジスト王国で換金したほうがいいと思うが、どうだい?」

「え、いらねーよ。めんどくさい」

「そう言うと思ったよ……なら、うちのギルドで素材を預かって王都で換金してから渡してもいい。それだと二十日ほどかかるが、いいかい?」

「だからいらねーって。素材は全部やるよ」

「……それじゃあんたらはタダ働きだ。さすがにそれはギルドのプライドが許さない」

「めんどくせー……なぁ、素材は俺とカグヤのもんだよな?」

「そうだが……」

「よし、決めた」


 俺は、ギルドの隅で飲んでいる三人……ケインとエミリーとアルコを見つけた。

 軽く挨拶したら隅っこでチビチビ飲み始めたんだよな。こっちに来ればいいのに。

 さっそく三人を呼ぶ。


「あ、あの……何か?」

「約束してたからな。黄金級の素材やるって」


 ケインがちょっとビクビクしていた。

 俺の言葉が理解できないのか、首を傾げている。

 俺は、ママさんに言った。


「ママさん、ケインたち三人に黄金級の素材あげてくれ。それと、残った素材はここにいる連中で分け合ってくれ。みんな、壊れたゴーレムとか修理しなきゃだろ?」

「だから、それじゃあんたらの報酬が」

「じゃあさ、ユポポのお土産くれよ。明日には出発するからさ、馬車で食べれそうなお菓子とか」

「…………マジかい?」

「マジ。いいよなカグヤ?」

「アタシはいい。つーか金も黄金級の素材も興味ない。どうせなら黄金級の情報ない?」

「プリム、アイシェラ、クロネもいいか?」

「はい。わたしは構いません!」

「お嬢様が言うなら私もかまわん」

「うち、お魚いっぱい食べれて満足にゃん!」


 みんな問題ないようだった。

 ママさんはため息を吐き、ケインたちは「お、黄金級の素材?」とか呟いて首を傾げている。

 

「わかったよ。ったく……黄金級の素材は全てユポポに寄付、キャンサー討伐に関わった冒険者とゴーレムマスターで分配でいいんだね?」

「うん。それでいい」

「やれやれ……」


 とりあえず、ユポポでの戦いは終わり、次の町に向けて出発する。


 ◇◇◇◇◇◇


 次の日。

 俺たちはユポポから次の町へ出発する。

 宿屋の前には馬車が。アイシェラが馬をブラッシングし、シラヌイが尻尾を振りながら様子を見ていた。

 宿屋の前には、ママさんとケインたちが見送りに来てくれた。


「次は工業都市エルモアかい。厄介なことに巻き込まれないよう気を付けな」

「わかった。まぁ、売られた喧嘩は買うけどな」

「「「うっ……」」」


 ケイン、エミリー、アルコは渋い顔をする。

 カグヤはニヤニヤし、プリムはくすっと笑う。

 すると、ケインが一歩前に出た。


「フレアさん。黄金級の素材、ありがとうございました」

「うん。かっこいいゴーレム作れよ。いつか機会あったら見せてくれ」

「はい。必ず」


 ケインと握手。

 エミリーとアルコとも握手した。

 カグヤとプリムも握手し、アイシェラが俺たちを呼ぶ。


「準備ができた。行くぞ」


 アイシェラが御者席に座ると、シラヌイが馬車の屋根に飛び乗る。

 プリムとカグヤも乗り込み、俺はもう一度挨拶した。


「ママさん、みんな。また温泉入りに来るよ」

「ああ。その時はまた飲もう。ふふ、お前さんの武勇伝、聞かせておくれ」

「本当に、ありがとうございました!」

「この恩は忘れません!」

「また……お元気で」


 俺は軽く手を振り、馬車の屋根に飛び乗った。

 馬車はゆっくり走り出し、ユポポの北門を抜ける……すると、クロネがどこからともなく現れ、屋根の上に飛び乗った。


「どこ行ってたんだ?」

「周囲を警戒してただけにゃん」

「アタシとフレアがいるから平気よ?」

「昔からの癖みたいなものにゃん。気にしなくていいにゃん」


 そう言って、クロネは馬車の中へ。

 残された俺とカグヤは、遠ざかる温泉郷ユポポを見た。


「温泉、気持ちよかったなぁ」

「そうねぇ~……また来ましょ」

「ああ」


 次は、ゴーレムの町エルモア。

 カグヤは黄金級が出ないかと楽しみにしてるけど……俺は楽しく観光したい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ