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地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。  作者: さとう
第六章・魔法王国イエロートパーズ/天使の炎と地獄炎
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イエロートパーズ王国、到着

「イエロートパーズ王国?」

「うん。人間の魔法使いがいっぱいいる王国、そこで呪術師の反応を確認……でも、詳しいところはよくわかんない」

「上出来よ。あたしじゃ見つけられもしないからね。で、イエロートパーズ王国に行けば見つけられる?」

「……たぶん無理。わたしの力は対象に近づけば近づくほど効果を発揮しにくいから……イエロートパーズ王国で地道に探すしかないね」

「面倒ね……まぁいいわ」


 ミカエルとラティエルは、イエロートパーズ王国に向かって飛んでいた。

 天使なので移動は空だ。最初は船旅をしたいとラティエルは言ったのだが、イエロートパーズ王国に向かう船はしばらく出ないらしい。海が荒れてるから仕方ない。

 

「……それにしても、ムカつくくらい青い海ね。燃やしたい」

「だ、ダメだからね?」

「冗談よ。それより、フレアを見つけたら戦いを挑むけど、邪魔したらあんたでも許さないからね」

「わ、わかった」


 ミカエルは、フレアとの一対一を望んでいる。

 ラティエルとしては邪魔するつもりはない。それに、ミカエルの強さを誰よりも知っている。

 聖天使教会最強、『炎』のミカエルは伊達ではない。


「ねぇミカちゃん。イエロートパーズ王国に到着したらご飯にしない?」

「あんた、食べてばっかね。デブるわよ」

「な!? ひ、酷いよぉ~!!」

「冗談よ」


 二人の天使がイエロートパーズ王国に到着するまで、半日とかからなかった。


 ◇◇◇◇◇◇


「や~っと到着にゃん……あぁ疲れた」

「海の底だと日の光が差しませんからね……太陽がまぶしいです!」

「お嬢様が眩しいです!」


 アイシェラを無視し、プリムとクロネは大きく伸びをする。

 イエロートパーズ王国港に到着し、潜水艇からようやく解放されたプリムたち。

 アイシェラは、エリザベータと握手する。


「なるべく早く戻る」

「ま、あたしも仕事があるんでね。一月くらいならここにいる。それを過ぎたら後は自分たちでなんとかしな」

「わかった。ではな」

「あの、ありがとうございました!」

「もう乗りたくないにゃん……」


 エリザベータに礼を言い、三人はイエロートパーズ王国へ踏み出した。

 ほんの数分歩いただけで、プリムは笑みを止められない。


「お嬢様、嬉しそうですね」

「ええ。だって……冒険が始まったんですもの!」

「お気楽にゃん……それより、これから人探しにゃん。ここは獣人の扱いがあんまりよくないから、うちはあんまり力になれない。情報屋の紹介くらいはできるけど、期待はしない方がいいにゃん」

「えーっと、ダニエルさんって堕天使様を探すんですよね」

「名前と堕天使ってことしかわかんないにゃん。こりゃかなりムズイにゃん」

「いいから情報屋を教えろ。場所は?」

「冒険者ギルドにゃん。昔、一度だけ使ったことあるにゃん」

「では、冒険者ギルドに行きましょう!!」


 プリムは元気よく歩きだし、アイシェラとクロネが続く。


「はぁ~……」

「貴様、この町……というか、イエロートパーズ王国に住んでいたのか?」

「うんにゃ、ここは獣人の扱いが悪いにゃん。ヘタな犯罪やれば投獄、獣人は問答無用で死刑にゃん……」

「そんなバカな。獣人といえ人権はある。裁判は」

「ない。教えてやる。このイエロートパーズ王国は獣人にとって最悪の国にゃん。死より恐ろしいことがいくらでもあるにゃん」

「…………何を知っている?」

「……言いたくないにゃん」


 クロネはそっぽ向く。

 いつの間にかフードを被ってネコミミを隠し、尻尾もマントの下に隠していた。


「あのお姫様は幸せにゃん。何もしらずにこの国の明るい部分だけを見ていられる……羨ましくはないけど、あの笑顔は本物にゃん」

「…………」

「お前には言っておく。この国の外にある魔法研究所には絶対に近づくにゃ。あそこは……地獄にゃ」

「地獄、だと?」

「にゃん。特級冒険者序列第四位、ブリコラージュの作った魔法研究所……行けばきっと後悔するにゃん。お前はあのお姫様を守ることだけを考えるにゃん」

「……わかった」

「ん」


 すると、前を歩いていたプリムが。


「ひゃっ」

「っと、悪いわね」

「い、いえ。申し訳ございませんでした」


 真っ赤な髪の少女(・・・・・・・・)にぶつかり、頭を下げていた。

 燃えるような赤髪の少女は少しだけ微笑み歩き去った。

 アイシェラはプリムの元へ。


「大丈夫ですか、お嬢様」

「う、うん。きれーな人だったなぁ……真っ赤で綺麗」

「おのれ。お嬢様の柔肌に傷でもついたら……ああ、その時は私がもらえばいいのか」

「アイシェラ、うるさい。さ、冒険者ギルドに行こう!」


 三人は、冒険者ギルドに向かって歩き出した。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
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