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GOD騎士(ゴッドナイト) 〜人間=俺=新米神様〜  作者: ミヤザキング
始まりの章『神様との出会い』
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始まりの章17【完】 世界を救いに

ルイとフィアはもう二人で一人だ。そして、今、自分たちに出来ること、それは、


「決めたよっ! ゼウスさん、俺らはその世界を救いに行くよっ! 絶対に救ってやるっ!」


合体して一心同体になったルイは天に向かって、そう宣言した。フィアも同意見だ。救いたい気持ちは二人とも同じなのだ。その二人の様子にゼウスは、


「ふむ、それはありがたいっ! 是非救いに行って欲しいものだね」


「ならっ!」


「だが、そんなに甘いものではないだろう、奴ら"魔王軍"の全てが集結している世界でもあり、残された"最後の世界"なのだからな、責任は重大だぞっ! それを君たちは救うことが出来るのかな?」


ゼウスは静かにそう真剣にルイとフィアに問いかけた。その問いに二人は迷うことはない。だって決めたのだから......。



『やってみせるっ!』



二人は揃って、天に向かってそう言った。その発言にゼウスは、笑いながら、


「ハハハッ! そうかい、そうかい、まあ、そうだろうな、いいだろう、君たちを最後の世界に連れていこうっ! でも、これは話しておこう、最後の世界と呼ばれているくらいだ、どういうことか分かっているか?」



ゼウスの言葉の後半はとても悲しい気持ちが言葉から伝わってくる。だが、当然、二人とも"最後の世界"という意味はよくは分からない。ルイは首を横に振った。そして、ゼウスは語り出した。



『だろうな、では話そう、手短に話すともう君たちが今から行く世界はZー101世界以外の世界はもうこの一年で奴らによって破壊されたんだ』



《ぇっ! そんな事がっ!》


そのフィアの心の声がルイの中に伝わってくる。それも当然だ。ゼウスの話を信じるならば、他の世界は"魔王軍"によって全滅したのだから......。もっとも、ゼウスは嘘をついていないくらい何となく信じられるのだから......。そして、琉生はフィアが持っている神様の知識や思い出を持っているのだから、そのフィアの同級生たちもやられたという悲しさは辛いほどわかる。


『だから、今、現存している世界はルイ君の住んでいた世界と今から行く世界のみ、前者の方ももう破壊される事は前提なのだがね、まあ、そういうことだ、奴らはその最後の世界、まあ、私たちはこう呼んでいる、"ラストワールド"とね、ラストワールドが奴らの最終地点、もう奴らの全戦力がこの世界を破壊しようとしている、"魔王軍"の全戦力がこの世界に集まっているのだよ』


「そ、それって、そんなにも、や、やばいのか?」


『ルイ君、そんな事聞くまでもないだろう? ヘェルでさえも以前よりは格段にレベルアップしている、でも、あれはあれでまだまだ可愛いほうさ、奴の脅威は単純に創り出す死霊だ、ヘェル個人の戦闘力は対して高くはない、しかし、"魔王サタン"はともかく、幹部でさえ神を超える程の実力者揃いだ、それを君たちは倒せるのかな?』



ルイは下を向く。想像しただけでも恐怖でしかない。ヘェルが可愛いほうだとなると他の幹部、そして、ラスボスである"魔王サタン"。名前はベタ過ぎるが、実際のところ物凄い強さなのだろう。何せ、あの狂人ヘェルの野郎が尊敬するくらいのクソ野郎なのだから。その狂人たちとルイたちはこれから、渡り合って行かなければいけない。その事にルイの体は震えてくる。震えが止まらない。武者震いとかではない。ただの恐怖だ。しかし、今は違う。そう言い切れる。だって、ルイには、



《一人じゃないんだからね、ルイ》



ルイにはフィアがいるのだから。そして、ルイの口から、言葉が発しられる。ゼウスに向かって堂々と、


「それでも、俺は救いたいッ!」


そう言い切った。その何も根拠もない発言。ルイにも分かっている。敵は想像も出来ないくらいの化け物たち。でも、それでも、ルイ、そして、フィアは救いたいのだ。その言葉にゼウスは、


『ハハハッ! 実に面白いね、君たちは魔王も倒して世界を救うとっ! いいね、いいね、私はそういう若者は嫌いじゃないよ、よしっ! 君たちの覚悟は分かった、私が君たちを"ラストワールド"に送ろう、しかし、君たちだけではないことを知っておいてくれよ、二人とも』


「それって? どういう?」


ルイはそのゼウスの最後の言葉に引っかかる。そのルイの疑問はすぐに答えとして、ゼウスの口からは発しられた。


『もちろん、それは君たち以外にも沢山の者たちを転生させたのだよ、私もそこまで馬鹿ではなくてね、奴らに世界を破壊されては困るのだよ、私はね、世界に干渉出来ないからって諦めたりする男ではないのだよっ! だから、各世界が完全破壊される寸前、その世界の強者たちを転生させた、まあ、その数はざっと百万人は超えるだろう、それくらいの者たちを私は"ラストワールド"に送った、多少の先代ゼウスからのペナルティーは発生したのだがね、それでも、魔王軍を倒すためにねっ!』


ルイは驚きを隠せない。それはもちろんフィアもだ。でも、それと同時に頼もしい仲間達がいることの安心感が二人にはあった。そのことを聞き、ルイは、


「ゼウス、ありがとう!」


そのルイの真っ直ぐな言葉にゼウスは、


『別に私は私のやりたい事をやっただけさ、君に礼を言われても嬉しくはない、私はそんなに褒められる神ではないのだからね、だが、これだけはッ! "ラストワールド"を救ってくれッ!』


そのゼウスの言葉がルイの中、フィアの中に響く。ゼウスは何も出来ない。だから、世界に生きている者たちにその気持ちを託した。その中の一人が新生"ツルギ・ルイ"なのだ。そのゼウスの言葉に、ルイは、そして、フィアは、


「任せとけッ!」


また、何も根拠もない言葉を言い放った。でも、それをルイとフィアは叶えたい。叶えようと思っている。叶えてくれるだろう。だって、もう"お馬鹿さん"ではないのだから......。


そして、次の瞬間、ルイの目の前に大きな扉が現れた。それをゼウスは、


『あれを開けば"ラストワールド"だ、期待しているよ、ルイ君、そして、フィア』


その言葉にルイとフィアは歩き出す。扉に向かって、歩き出した。そう、救うために。今度は必ずみんなを救うために歩き出したのだった。


そして、ルイは扉に手をかける。その分厚く重い扉を開けた瞬間、ルイの体は『光』に包まれる。そして、意識が無くなっていく。その意識がなくなる直前、ルイの脳内にフィアの声が響く。



《フィアもルイの力になるよ》



ーーあぁ、俺もだ、フィア、やってやろうぜっ! 俺もフィアの力になるよ、絶対にーー



次の瞬間、ルイとフィアの意識は無くなった。ルイとフィアは世界を救いに行ったのだった。



※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

二人が"ラストワールド"に行ったことを見届けたゼウスは、交信を切断した。


『はぁーー』


ゼウスはため息をつく。神域にはゼウスしかいない。厳密には違うけど......。一応、ゼウスの周りには神たちがいた。その中には当然、アポロやテミス、そして、ハデスもいた。全員、血まみれで死んでいるのだが......。そして、ゼウスは呟いた。



『私はとんでもない者を送ってしまったようだな』

次からは『第1章』ですっ!

それでは、お楽しみに〜〜♪♪♪♪♪


【GOD騎士 〜人間=俺=新米神様〜】をこれからもよろしくお願いします!┏○ペコ

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