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GOD騎士(ゴッドナイト) 〜人間=俺=新米神様〜  作者: ミヤザキング
始まりの章『神様との出会い』
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『プロローグ』

ミヤザキングの初作品ですっ! たくさんの人に楽しんでいただけると嬉しいです!


では、どうぞっ!お楽しみください!

俺の名前は鶴木琉生(つるぎ るい)。高校2年の17歳だ。黒髪で背もこの歳の平均くらいで体重も普通。運動神経はそこそこいい。

しかし、『彼女いない歴=』の高校生だ……。


だが、俺は俺で誇れる物はある。

それは『ゲーマー』だという事だ。


この地球という世界には沢山のジャンルのゲームが存在しており、増え続けている。その数は数えられないだろう。そんなゲームに満ち溢れた世界に俺は小さい頃から浸かっている。

中でも俺はあるジャンルのゲーム界では名高いプレイヤーだ。

そのジャンルはマッシブリーマルチプレイヤーオンラインロールプレイングゲーム。

通称『MMORPG』と呼ばれる大規模で多くのプレイヤーが同時に参加するオンラインRPGというようなゲームだ。俺こと『ツルギ』はそのゲーム界ではそこそこ有名なプレイヤー。ゲーム廃人となって学校に行かないとかはないが、まあ無課金の割りに強いってのが俺のモットーだな。



しかし、俺はやはり簡単に言えば、何処にでもいる男子高校生A的な感じの存在だ。



話は変わるが、最近、いや、一年前から、この世界は不安定になってきている。突然の異常気象、多くの動物の絶滅、急激な地球温暖化、そして、未知の病、など、世界が混乱し始めている。特に未知の病は特にヤバイ。

俺のじいちゃんもこの間、亡くなってしまった。この病によってだ。まあ、この話は長くなるからいずれすることにしよう。


まあ、俺みたい奴でもこの不可解な現象は目を逸らすに逸らせないものなのだ。まあ、そんなことは俺には関係無いだろうけどね。


そんな俺は夏休みのある日、たまたま学校から強制呼び出しがあり、仕方なく登校することになった。行かないと退学だとか言われてね...。

だから、仕方なく行くことにした。そして、まあ一応、荷物を纏めてお金も何万円が入れておく。

今日は絶好のお出かけ日和とも呼べる快晴であり、連日の異常気象からしてみれば奇跡だ。雨が降っていないことで空から顔を見せる久しぶりのお日様。俺は目を細めながら玄関の扉を開ける。


まさか今日俺がまた変なことに巻き込まれるとは思わなかったが...。



───────────────────────────

俺が登校して少しの時間が過ぎ、もう学校は目の前だ。

チャイムのキンコンカンコンという音は歩きながらでも自然と聞こえてきて、久しぶりのお日様のせいか夏休みのせいかは知らんが、行く途中の公園には沢山の子供が来ていて鬼ごっこや隠れんぼなどといった遊びをワイワイガヤガヤしながらやっている。


そして、それを横目に校門をくぐると俺の学年の玄関に誰かがいる。



「鶴木くん〜〜〜〜」


すると、その人物が俺を見つけたようで手を振っている。

全くとても元気な人だ。俺の名前を呼んでいる人物は俺の担任教師でもあり、進路担当の先生でもある片桐先生だ。女の先生であり、とても明るく元気で誰に対しても平等で生徒思いな皆から慕われる先生。

俺は嫌いではないが、苦手ではある。人とのコミュニケーションはあまり得意ではないから。


「ごめんね、呼び出しちゃってーー!」


そう言って先生は俺の方へ駆け寄ってくる。俺は一応会釈はしておく。

俺は何となく推測だが、呼び出された理由は検討がついている。だって俺だけだろう。この国内屈指の進学校であり、ほぼ全員の生徒が難関大学へと進学していき、その進学実績がとても目まぐるしい。

この学校において俺くらいしかいないだろうヘタレは。


その後、俺は先生と一緒に歩いて進路指導室へと向かった。

その際に先生は俺に話しかけてきていたが、俺は適当に流しつつ頷きその場を凌いだ。


そして今、俺の目の前には一枚の紙があった。『進路希望調査用紙』だ。

俺は、一応、その紙と見つめ合いながら、ペンを持ち、止まっていた。

俺には将来なりたい仕事や大学への進学といった目標もない。ただ頭の良いと聞き、この高校に入っただけだ。

そんな俺だけはこの高校の中で進路がない。来年には大学受験もあるので、高3は勿論のこと同学年の生徒も受験勉強している人はしている。いや、殆どはしていると思う。

そんな中、俺はゲーム。それはそれは先生も呼び出すしかないようで、補修なども俺は受けさせられるようだ。


そんなこんなで俺はペンを机の上に置き、先生を見る。先生は真剣な顔だ。俺くらいだろう。今までこの学校でこんな事をしている人は。皆は迷わず、この用紙に進学と書く。でも、俺は書けない。金銭問題とかではない。行こうと思えばいける。しかし、書けない。書きたくない。



────琉生がやりたいことをやるんじゃ。それが儂の最期の望みじゃ。



「今日も、雨かぁ」


琉生はポツリポツリと降り始めてきた雨を見て、ポツリと小さく呟いた。

ここ一年で地球には急激な気候の変化が続いている。あの晴れ渡っていた空はどこへ行ったのやら。その青空は消え、雲が空を覆っている。空気も先程よりかは重いような気がする。


そして、校門をくぐり下校を始めた。



※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「雨、強すぎでしょ! 前、見にくッ!?」


下校している俺は傘を強く握り歩きながら雨風と戦っていた。

歩く度、どんどん強くなる雨。その大粒の雨は俺の傘を容赦なく叩きつけていた。まるで俺を前へと行かせないかのようだ。風もビュンビュンと俺を押し返そうとしてくる。それでも俺は負けじと家へと向かって歩いていく。


そして、この視界の悪い中、ふと踏み切りの反対側にいる少女が俺の目に入った。雨が降っていても何となくシルエットで分かる。

見た目は十二歳くらいの少女。髪の毛は長髪で白か銀から知らんが珍しい髪色だ。それを見た俺はその少女に目が勝手についていくように見入ってしまった。


そして、何故かあの少女からは親しみや親近感が湧いてくる。

いや、"運命"と言うべきか。何故かあの少女から目を逸らすに逸らせなかった。理由は分からない。今までに会ったことがあるのかと考えてみる。しかし、俺は銀髪の毛の少女などアニメやゲームなど以外では見たこともなかった。

でも、俺は何かを感じた。珍しい髪の色だったからなのかな。

何かを感じて俺は踏み切りで立ち止まっていた。


その少女は、遠くから来る電車を待っているのかのようにじっとその場に立ち尽くしていた。今気づいたが、少女は傘を差していない。全身に雨が当たっているではないか。俺にはそれが何故か疑問には思ったがそれ以上にはならなかった。

しばらくの時が流れただろうか。耳の中にある音が入りこんできた。


「カランカランッ! カランカランッ!」


「ハッ! やべっ! 早く渡らなきゃ!」


俺はとっさに踏み切りの閉まる音に反応した。時間を忘れ、俺はその場に立ち尽くしていたようだ。その少女の方もその音と同時に踏み切りを渡っていた。しかし、その時、俺は直感的にその少女の異変に気付いた。



────何かがおかしい。何か、何かがおかしいッ!



俺は急いで走りながら渡っていた。だが、少女は悠々と歩いていた。踏み切りはもう閉まっている。電車の光は豪雨が降っている中、光を発しながら近づいている。俺の眼中にはもう少しで来るように見えた。当然、少女もだろう。でも、少女は歩いている。


そして、俺はその少女とすれ違う寸前、あることに気づいた。



────な、泣いている!? なん、で泣いているだよ!


少女の目には涙に溢れていた。雨だったかもしれない。この豪雨だ。

顔に雨が沢山付いていてもおかしくはない。

だけど、何故か俺には涙のように感じた。それも重く重く悲しい涙だ。本当に直感で何も証拠もない。でも、そう感じたのだった。よく似たものを知っているから。


そして、その少女の目は来る電車を見つめている。その覚悟を決めたような少女の蒼眼が俺の黒眼には映っていた。


そして、線路の真ん中。そこで少女は立ち止まる。



気づいた時には、俺の体は来た道を猛スピードで引き返していた。傘を投げ捨て、強まる雨の中、俺は走った。やっぱり依然として、少女の様子は変わっていない。俺は無我無心に、ただ、目の前の少女を救いたくて……。


だから、だから、



「やめろーーーーーーーーーーーーっ!」



豪雨の中に俺の叫びは響き渡った。さすがに少女も声に気づいたのかその声のした方向へ振り向いた。だが、もう遅い。次の瞬間、俺は力いっぱいに少女を突き飛ばした。

少女の「えっ」という声が聞こえた。その少女の顔を見ると、涙は消え、びっくりした顔で少女はいきなり自分を突き飛ばした俺を見つめていた。

だが、電車はもう目の前だ。



「ブォーーーーーーーーーッ! ガシャンッ!!!」



次の瞬間、俺の視界は一瞬にして閉じた。







────ああぁ〜〜。俺は死んだな。









最後に鶴木琉生が感じたのは『死』だった。

※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※




8月12日午前11時24分05秒。鶴木琉生は死んだ。一人の少女を救う為に……。死んだはずだった……。




次からは『始まりの章』突入です!琉生はどうなってしまったのやら……。

お楽しみに!!!

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