表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

僕に訪れた変化1

三歳になってから一ヶ月が過ぎても、喋れる気がしないのは何故?

春斗さんが言ったように僕は、失声症なのだろうか? でも、事実あーうーとはっきりと声は出ているし、失声症ではないのかも。

前世の記憶があるからか?

前世のトラウマが、前世の記憶が曖昧だとは言え、記憶自体は忘れても身体……と言うよりかは魂かな、それが覚えてしまっているのかもしれないとも考えられる。

焦らないと決めたは良いが……。

そう考えながら、僕はお父様の元へと行こうと王城内を移動していれば、背後から不審に動く足音が聞こえ、僕は小さな身体で必死に逃げるが、聞いたこともない男の声が僕に「待て」と叫び、追いかけて来る。

正直、ショック療法だったのだろう。僕は大きく息を吸って……、

「……ッ!助けて! お父様!」

既に宰相であるお父様の仕事場近くまで来ていたのが幸いして、すぐにお父様は現れ、その男を一撃で気絶させてしまった。

僕はあまりの怖さに今更、脚が震え、腰が抜けて動けなくなった。

そんな僕を見て、お父様は怒りに満ちた目で見つめ、淡々とした口調でこう言う。

「……貴様の行為がどれだけ非道なことだと理解しているのか」

普段の口調とは真逆なお父様の口調に、僕は人に対して抱いた恐怖がほんの少しだけ、本当にほんの少しだけど和らいだような気がした。

その男は直ぐに牢へと入れられた。

そして、その男を雇われただけで、黒幕的な存在である貴族がいた。

その貴族は、僕達の家系が宰相の座から引きずり下ろされれば、宰相として一番優位にいる貴族だったらしいのだ。悪事をしてまでも、その座を手に入れても本当に嬉しいのだろうか? と、僕はそう考えながらその話を聞いていた。

その話を聞いてから直ぐ、その貴族は牢へと入れられたらしい。

そして、屋敷以外の何処かへ行く時には僕にその日から護衛をつけられることになった。

護衛をつけられたことは全く問題ないのだが、その護衛が……。

星乃くんだったことには驚いた。

「星乃くんが僕の護衛?」

今よりもっと幼い時から五カ国語を学んだおかげで、僕は五カ国語全てすんなりと話すことが出来る。と、言っても一つは古代文字だけど。

ちなみに、魔法関係で古代文字を読めると今後役に立ってくるらしい。

今は三ヶ国語を学んでいて、易しい単語なら意味を理解出来、正しく発音は出来る。

まあそれはともかくだ。星乃くんは花を咲かせたようににこやかに笑って、

「私は元々、暗殺者でしたから」

と、星乃くんは笑顔でとんでもない事実をカミングアウトしてくれた。

まあ暗殺者だろうが、星乃くんは星乃くんだし、気にしないけどさ。

そんな事実をカミングアウトされても平然としている僕に、星乃くんは苦笑いをした。

「流石は、桐彦きりひこ様の息子でらっしゃいますね……」

ボソリと、星乃くんはそう呟いた。

お父様の名前を呟きながら、とても悲しそうで切なそうな顔をする。

その呟きは何故か、聞かなかったことしなければいけないような気がして。

僕は距離感を上手く掴む練習をただただ続けるのであった。


「友達欲しくないの?」

母様にそう聞かれたのは、星乃くんのカミングアウトを聞いてから二ヶ月が過ぎた頃だった。相変わらず、僕は距離感を上手く掴めないままでいた。

そんな中、突然母様が現れて、僕にそう聞いてきたのである。その質問に対して僕は首を傾げながらしばらく考えた後、僕は首を振った。そんな僕の様子を見て、母様は驚いたように「どうして?」とそう聞いてきた。

別に友達が欲しくない訳ではないが、なんとなく今は血縁や使用人以外の誰かとは、何故か関わりたいとは思っていないのだ。

そんな時に無理して作っても、その友情関係は長続きしないと思うし。

そのようなことを母様にそう言えば、それもそうねとすんなり納得してくれた。

そう言えば王城をあまり好まない、母様が王城に来るなんて珍しいなとふと思う。

だから、お母様には他にも話したいことがあるのかな? と思った。

まあ、誘拐されかけた以降、良い思い出がなく、僕もあまり王城は好きではないし、星乃くんを護衛につけてまでも王城にいるのは、距離感を上手く掴む練習とか、良すぎる聴力を上手く使う練習があるからだ。

だから僕も、お母様と同じように、望んで王城に行きたいとは思わない。

「お母様、他にも僕に用があってここに来たのではないんですか?

お母様は王城があまり好きではないのに、わざわざ来られたのですから」

僕がそう聞けば、お母様は苦笑して穏やかな声でこう答えてくれた。

「貴方の婚約者候補を絞ることが出来たわ。会って貰おうと思ってそれを伝えに来たの」

僕は直ぐにこう答える。

「僕は……、誰かと将来的に家庭を築くつもりはありません。申し訳ないとは思っていますが、例えお母様にそうしろと言われても、頑固としてそれだけは言う通りにするつもりもありません」

言葉の発音は前世とは違う。

だが、一〜二年喋れずにいたせいか、普通の三歳児らしくない言葉使いまでも使えるようになった。これは前世の記憶が曖昧ながらもあるからと理由からではなく、ただ僕と読み聞かせをしてくれた人達の努力のおかげである。

僕はチート能力とかないからね。

そう考えていれば、お母様は、

「貴方も桐彦さんや息子達と同じね、何かしら変人と言われる部分を持っているわ。だから、このことについて何か言っても無駄だと言うことはわかってる、貴方の好きにすれば良いわ」

そう穏やかな声で言ってくれる、お母様の対応はとても有難いものだ。

お母様はけして、才能があるから、たくさん努力をすることをプレッシャーをかけたりはせず、僕達の判断を尊重してくれる人だ。反対しても、自分の息子達の意見を完全には否定せず、提案すると言う形で意見を言ってくれる。

だからこそ、僕は出来るだけ、右目が色彩しか見えないから出来ないことを少しでも減らそうと、僕は頑張り続けることが出来る。

焦らず、ゆっくりと距離感を上手く掴むようになりたいなとは思う。

聴力を上手く使う練習は、だいぶ上手く出来るようになったし。これもまた完璧にとは言えないし、不自然な点もあるけどさ。

まだまだ時間はあるから。

努力を怠らないようにしよう。

努力をすることを諦めずに続けたこの二つの練習により、日常に支障がないくらいの成果が出たのはこの年から三年後、僕が六歳になった時だった。


僕は六歳になった。

貴族は初等科、中等科、高等科が一つにされた学園に通うのが基本とされている。

僕は初等科の途中から通うことになった。マナーや社交ダンスなどの嗜みを覚える期間が必要だからと言うのもあるし、僕はまだ必要最低限の学力には達してはいなく、語学だけは八ヶ国語を話せると言う偏った学力になっているからでもある。

初等科は六歳から十二歳まで。

中等科は十三歳から十六歳まで。

高等科は十七歳から二十歳までとされていて、飛び級は可能らしい。

この世界には戦争がなく、自由にどの大陸の学園に通うことが出来る。

この世界は四つの大陸に分かれていて。

葉月はづき大陸、国は四つ。海に囲まれている唯一の大陸。津波被害があったりするが、温暖な地。漁業が盛んである。

風蘭ふうらん大陸、国自体は一つ。名前の通り風の強い時期がある大陸。それを防ぐ方法やこの地に暮らすための手段を探るためか、科学的な技術がどの大陸よりも発展されている地と言われている。

火蝶かちょう大陸、国は二つ。たくさん火山がある大陸。植物が育ちにくいため、農業関係の技術は何処よりも発展している。だが、育っても収穫出来る量は少ない。

そして僕が住んでいる大陸、華月かづき大陸には七つの国がある。ちなみに僕が住んでいる土地は華月大陸の中心と言われている国、華風かふう国に住んでいる。

華月大陸は温暖な地で、植物の生産量は一番。あとは放牧が盛んである。だが、漁業だけはあまり盛んではないと言われている大陸だ。

と、言うような大陸があり、学生に一番人気の学園があるのは、葉月大陸と風蘭大陸とお父様達からそう聞いている。

兄達は寮のある学園を選び、長男以外のほとんどの兄弟達は別の大陸の学園を選んでいる。

僕も七緒お兄様と同じ学園に通うことになっている。心配性な星乃くんは寮から通うことを今から心配しているようだが。

「雪未様、現実逃避をなさらないでくださいまし! なるべく早く、学園に編入するべく、頑張らなければならないのですから!」

初めてあの三人じゃない人から教わり、いつもとは違う感じに僕はとても疲れた。















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ