9 追求したくて
暴れたい本能を自らの正常な理性と周りのフォローで鎮めることに必死で結局一時間は暴言を吐き続けた。
お開きになってからフランに訊かれた。
「その額あて、なんで右目に当ててるの?」
「これ?これは僕の危険な眼を抑えるため。暴発すると止められなくなっちゃうし能力が乱発するし。」
「そう…なの?」
訊いてはいけないことと取ったフランは表情を曇らせた。
「でも、言っておくの忘れてたからありがたかったよ。」
少年説明中…
「え!?」
一番大きく驚いたのが魔理沙。文は新聞、号外をサクッと書いていく。
「広めてはいけませんか?」
文が訊いてきたが「ごめんね。」と答えた。
「魔理沙?あんた驚きすぎ…。」
「さとりもね。」
「ま、魔理沙さんの方が凄いですよ?」
「ふふふ、面白いわ。」
遠目で見ていた諏訪子が呟いた。
「祈李魔…夢稟とかは許すのか?」
「ええ。けど、那奈海は容赦しない。潰す。」
冷やかな声で答える。天翔は祈李魔の頭を撫でた。
「やはりね………。」
今回は守矢神社に泊めてもらい、一夜を過ごした。いつの間にか一夜明かして変に寝たもので、皆グダってる。
「神奈子様?諏訪子様?天翔くん?祈李魔さん?」
早苗が呼び掛けるも虚しく、起きない。しかし、皆満足そうに眠っている。特に神奈子。顔がカリスマ性も神の威厳も無く、一人の愛らしい女性だ。
見とれかけたが「神奈子様?諏訪子様?天翔くん?祈李魔さん?」と呼び掛け直した。
「おはよーございまーす。」
元気な声が部屋に響く。
「文さん。おはようございます。」
「四人は?」
「幸せそうに眠っていますよ?」
上がらせて!と目で訴えていたので「どうぞ」とお迎え。
「どうです?」
「本当だ。」
文も神奈子に目がついた。一番、幸せそうに寝てる。どんな夢なのかは残念ながら分からないが、取り敢えずぐっすり眠っていた。
その時に祈李魔が起きた。
「ふぁー、眠いねー。あれ?」
二人がこちらを見てる。寝惚けて敵と勘違いしかけたが文と早苗じゃ、と見えて「おはよう。」とだけ言った。
「「おはよう。」」
「天翔?」
その時に早苗は彼女の左手首に付いているアクセサリーに気付いた。
「それ、何?」
「これ?これは力封じ。これ以上は言えないの。ごs…天翔から言われてるから。」
ごし…と言いかけて止まった祈李魔が怪しいが「ありがとう」と感謝を述べた。
早苗たちが一旦、部屋を出たときに諏訪子が目を覚ましたが残る二人はまだまだ眠りについていた。
「では、失礼しました。」
文が帰っていったのを見計らって二人のところを見に行くと既に姿が無かった。
「どこ行ったんですか?」
その頃、二人は別室を占めきって話をしていた。どうも神奈子も天翔が好きみたいだ。
「祈李魔、あなたのあれでしょう?」
「分かってしまったのですか?」
「アクセサリーと本人の話で。」
「そうですか…。」
天翔は神奈子の肩にもたれかかる。その肩に神奈子は手をかける。
「こうしてみると良いですね。神様と二人きり。」
「え?」
「いや。気のせいでしょ。」
危ない。スリルが半端無かったが切り抜けた。
「もう一回、弾幕やります?」
「お主とは嫌かな。怖い。」
「そうですか??紫に徹底的に教えられたからね。」
「そりゃ、そうなるよ。」
神奈子が天翔を軽く抱くような形をとった。
「これが永久なら良かろうに…。」
慈しむ心は誰にもある。神であっても。天翔はそれを体感した。
「お話し中、失礼します。」
「祈李魔だね。」
天翔は「どうぞ」と答えた。無論、神奈子と天翔は向き合う感じで。
「私のこと、言いましたよね。」
「神奈子は信頼できる。そう思うよ。」
「それは私も意を連ねますけど易々と言わないでくださいよね?」
「面白いわね。」
「…………」
「ごめん。」
祈李魔の鋭い目線は神をも殺せるみたいだ。
「祈李魔は読み込み早いしな~。」
二人ともが声を出した。
妖夢も咲夜もアニメで「エ??」ってなってしまいました。
特に咲夜ですよ。あんな感じなの!?みたいなw