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12 天翔と祈李魔、那奈海の欲

急ピッチ展開警報

「ま、またですか?」

「お手合わせと。」

あと少しで宴会の頃に咲夜に弾幕ごっこを依頼された。

「ギャラリー来ないうちにやりましょ。」

両者飛び退く。

「いきなり使っても構いませんよ?神奈子でなれました。」

「なら、ザ・ワールド!」

天翔は当たる事を嫌う。なのに動かなかった。いや、使う手だては決めていたからだ。

「よっと!」

自分のいる足場をせり上げる。ナイフが来る前に咲夜の真上に飛んだ。

「!」

天翔が弾幕を数発撃ってきたのは見えていたが、避けても避けてもどんどん出てくる。その内に天翔は広い陣を書いていく。

「あと三角形で!」

「何?」

「光ノ乱舞」

陣に描かれた点を咲夜としたときに描かれた総変300余りの陣は弾幕に変わっていく。効果は七秒。不規則に暴れまわる弾幕を回避するのは困難極まりない。

「これには敵いませんね。」

咲夜は白旗を上げた。





「おい天狗!酒よろしくね!」

酔っている萃香に振り回されていた文は違和感を感じた。その時、いきなり屋根が落ちてきた。慌てて屋根の近くの時間を天翔が止めて脱出する。

「結局来たの?那奈海…目障りだよ!」

「あ、あいつは?」

妖夢は戸惑った。

「只者じゃないからね。」

「お求めの品は戴いたよ?」

那奈海に抱えられているのは祈李魔だった。

「この…馬鹿!!!」

天翔はこれまで以上に怒りを露にした。

「そんなに人造人間(アンドロイド)が欲しければ素直にすればいいじゃない!!」

「祈李魔が欲しかったからねぇ。」

そう言った時、天翔と夢稟が弾幕を放つ。更に隙間を使って分散し、波状を仕掛ける。

「何よそれ。下手。」

「あんたもじゃないの?」

軽々とあしらっていた那奈海に向かって神奈子のスペルの柱を落としていく。更に天翔は時間を止め、総数3000を越える投げナイフを何百層と投げて解除する。

「無駄よ?」

「分身と地を使ってね。」

後ろに付けられたタイミングで右目を隠していた額あてを外した。眼は紅く、そのなかに模様が入っている。更に指輪の先に付いているボタンを押して祈李魔を暴走させる。那奈海の拘束から逃げる。

そして祈李魔は天翔に寄り添った。

そして那奈海の時間だけ止めて皆に話した。

「あと三十分で僕と祈李魔は消えてしまいます。先程にも申した通り、祈李魔は人造人間(アンドロイド)です。」

それだけ伝えて解除した。

那奈海は光線で祈李魔をとらえ、発射した。しかし、祈李魔は上手く回避したが不意に曲がった。

「!?」

天翔は陣を描いてブロックしにかかる。その間にも眼から相手の判断を盗みとっていく。

「スコールスピア!」

祈李魔が唱えた瞬間、槍が那奈海に向かって円を描くように降り注いだ。見事に服が引っ掛かり、足掻けなくなる。

「壊して何がある。」

酷く冷たい声を出す。

「あんたには大切な物を無くした、失った、目の前で散るのが悲しく無いのか!!」

ついに眼は見えなくなってくる。何かから庇おうと涙が出てくるも特殊な眼のお陰で黒い。

「そもそも物と認識したこともない。欲しいのは力だけ。」

天翔は完全拘束に成功した。グングニルを使ってかわしたところに結界を張っていた。

「小町と映姫にお世話になるな。」

そう言いながら操り人形になっている早苗を殴って正気に戻させる。


「あと、十秒…」

「俺とお前は一緒だな…」


そして閃光が走った。

そのあとに天翔と祈李魔、那奈海の姿を見たものは誰もいなかった。



三人が消えたあと、一週間振りに皆は帰った。


神奈子はひとつの紙を見つけた。誰にも見られてないことを確認し、自分の部屋へと移動しゆっくり腰を下ろしてから読んでいった。




ありがとう いつも心配してくれて

もし生きれていたら夫婦にと思うところでした

他の皆は無事ですか?

心配です 本当に心配です

でも慈しむ心があれば助かるでしょう

そして貴女が一番に祈李魔の心を救ってくれたのです

ありがとうございます


お世話になりました 華咲天翔 今刻祈李魔

惚れさせないでくださいよ




涙がその一枚の紙を濡らす。

「か、神奈子様…」

部屋で静かに泣く神奈子を見て早苗と諏訪子はそっと戸を閉めた。

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