代表選考会
タクシーは直ぐに来た。
雅史はうずくまっていた詩織さんをお姫様だっこをして、タクシーに乗せた。
「有り難う青島先輩、少し恥ずかしいです。」
顔を赤くしながらお礼を言った。
「気にしている場合じゃあ無いだろうが!」
一緒にタクシーに乗り、総合病院へ向かった。
タクシーの中で雅史は詩織に話しかけた。
「詩織さんタクシーより救急車の方が良かったのかな?」
「いいえ、救急車だと目立ち過ぎます、後から何を噂されるか解りませんでしたよ、タクシーで案内しました。」
青島先輩の心遣いに喜ぶ詩織
「良かった、俺もそう思いタクシーを頼んだんだよ。」
「まだ足首?痛むかい。」
「うん、少しだけど痛みが和らいできたみたい。」
総合病院に着いて、詩織をタクシーに残して、雅史は車椅子を探しに中にはいった。
しばらくして、車椅子を押して詩織を迎えに来た。
「お待たせ、ナースから借りてきたぞ、」タクシーのドアを開けて、またもお姫様だっこをして、詩織を車椅子に乗せて、病院の中に入った。
「有り難う青島先輩」
微笑みながらお礼を言った。
詩織達は外科療棟のナースステーションへ向かう。
「詩織さん、もうすぐオリンピックの代表先行大会が始まるんだろ?大丈夫なのか?」
雅史は、つい心配になり、詩織が一番気にして要る事を聞いてしまった。
まずかった!?と後悔しながら。
小さく応える詩織
「私も不安・・・です。」
「ごめん、こんな時に」
それ以上に話を続けられない雅史。
ナースステーションに着くと、詩織の母親が声をかけてきた。
「青島くん、有り難うございます、助かりました。」
雅史は、母親の悲しいげな様子に何かあると不安を感じとった。
母親は、急いで詩織が来た事をナースに知らせに行った。




