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予選会12
仕事を休んで、父親も直ぐに帰ってきて来た。
「ただいま、急いで帰ってきたぞ。詩織の検査結果を、詳しく俺にも教えてくれないかい。」
まだ弱々しく眼に涙を貯めて、父親を見つめながら話し出す母・・・
「総合病院のドクターが言うには、詩織の足首に悪性の腫瘍があるって・・・」
母は、泣きながら、言葉が詰まる…
俺も一緒に病院へ行けば良かった、と思っている父、あまりの落ち込みので悲しげな母さんを見て要られない。
「どうするんだ!?俺から詩織に話して、病院へ連れて行こうか!?」
「貴方にお願いいたします、詩織に上手く説明してあげてね。」
「解ったから、もう泣か無くて良いから…。」
だって、あの娘は、もうすぐ夢にまで見た、オリンピックの代表選考大会が始まるんですよ。
せめて…それまでは、病気の事をなんて、言ってあげたら良いのか解らない…?
貴方お願いします、詩織をせめて代表選考大会に出してあげられないかしら…
父に弱々し話しかける母。




