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第一話 曹操に出会う

恋姫・郭嘉の偽名で有名になりつつあるが、内容がさっぱりな戯志才を面白おかしく脚色したのがこの物語になります。

色々と突っ込みどころ満載になる予定ですのでご注意ください。


 この物語は何より働くことと儒学者が嫌いだと公言する、戯志才(ぎしさい)の物語である。



 洛陽。

 後漢の首都であり、後漢最大の都。

 洛陽の大学、その一室で本の山に囲まれながら本を書き写している青年がいる。

 まずはこの青年は姓を戯 名を志才 という、字は色々あって無い。

「戯志才、戯志才は居るか?」

 ガラリと音を立てて一人の老人が入室してくる、白い鬚を蓄えた仙人のような老人だ。

「此処に居ますが・・・何か用ですか?」

「うむ、お主に仕事を持ってきた、とある家で教「いやです、働きたくありません」・・・お主相変わらずじゃのう・・・」

 老人にも差し出された竹管にも目をくれず写本し続ける戯志才、その手はよどみなく動き続けている。

「まったく・・・大学でも並ぶもの無しといわれた天才がこれではのぅ・・・」

「自分は何より働くことと儒学者が大嫌いですから」

「その反骨精神をもっと他に生かしていれば・・・」

「自分は生きていく最低限以外働きたくないでござる」

 泣きを入れた老人に対しばっさりと切り捨てる戯志才、彼は何より働くことと儒学者が大嫌いだと公言している。

 儒学と言うのは儒教の教え、つまり孔子の教えでありこの時代の世のルールであった。

 儒学者は往々にして名士であり、名士は役人や武官などの人材を推挙することで名声を得る人達、簡単に言えば偉い人達のことである。

「お主もその儒学者嫌いさえなければ、今頃はこんな所で写本などせずとも役人でも学者でも好きなように生きていけたはずじゃろうに・・・」

 じろりと睨む老人、しかし戯志才は涼しい顔で受け流す。

「まぁそれは良い・・・しかし、この仕事は絶対に請けてもらうぞ」

「絶対に嫌です、大体教師なんて柄じゃありませんよ学長」

「曹騰様の依頼じゃ、受けぬと首が飛ぶぞ」

 此処でようやく学長を見る戯志才、眉は寄り口はへの字であり顔一杯の不機嫌を表していた。

 曹騰とは曹操の祖父であり、元宦官であり、皇帝の絶大な信頼を得て莫大な権力を誇っていた。

 この時代、そんな人物の依頼を首を横に振れば首が物理的に飛ぶ。

「曹家なんて名家の依頼なら他に飛びつく輩が五万と居るでしょう」

 曹家の家庭教師になるということは曹家と顔を繋ぐことになる、つまり名声を得ると言うことであるから名声が欲しい学者は飛びつくだろう。

「お主、曹家の娘・・・曹操を知って居るか?」

「生憎と世の噂については頓着しておりませんので」

 学長がにやりと笑う。

「もう既にこの依頼に飛びついた学者が三人も論破されて潰されとる」

 戯志才の顔がさらに渋くなる、家庭教師というならば相手は子供、子供に論破される学者など学者としての生命は終わったも同然なのだ。

 そうなれば人間は悪知恵が働く、どうやら戯志才を曹操の生贄にしようと企んでいるらしい。

「お主の性格はともかく、頭の良さは折り紙付きじゃし何とかなるじゃろう」

 そういって笑う学長とそれを睨む戯志才、これが三日前のことである。



 そんなことを思い出しつつ曹家の門を叩き、要件を告げて侍女に通された部屋で待つ戯志才、しかめっ面で待っていると髑髏をモチーフにしたであろう髪飾りをつけた少女が部屋に入ってくる。

「貴方が新しい教師かしら?」

 恐らくこの少女が曹操なのだろう、年齢に似合わぬ覇気と知性を感じるが、顔にニヤニヤと言った感じの笑みを貼り付けている。

「本日より教師としての依頼を受けてきました、名を戯志才と申します」

 そう言いながら軽く頭を下げる戯志才、無位無官ほぼ無職の戯志才よりも曹家のご令嬢である曹操の方が世の中的に上の人間だろう。

「私は曹操 字は孟徳よ、貴方はあの戯志才で間違いないのね?」

「あのと申しますと?」

「8歳で孫子を読破し、10歳で大人と論を交わし、12にして学者を論破し、大学では口論で勝てるもの無しといわれた天才と聞いているわ」

 実際に、戯志才はその通りの天才振りを発揮していた。

 曹操はさらにニヤニヤと笑いながら話を続ける。

「それに孔融に対して儒学者なんて大嫌いだと口論して怒らせたほどの徹底した儒学者嫌いとしても聞いているわ」

 戯志才の顔が歪む、両方とも心当たりがあると言うか実際にあったことである。

 大学で戯志才は孔融に儒学者など大嫌いだと言って口論を吹っかけ、結果として怒った孔融との殴り合いになるほどの大喧嘩をしているのである。

 孔融とは孔子の直系の子孫であり、この時代の儒学者の代表者であり、名士の元締め的な存在であった。

 勿論そんなことすれば世の中の名士に嫌われる、世の偉い人たちから嫌われたのだからエリートコースであった大学を卒業しても干されてしまい、結果として写本などの日々生きていける程度の仕事しかないのであった。

 本来なら闇討ちされようが暗殺されようが仕方ないほどの大事件なのだが、大学の学長が庇った事でギリギリ戯志才は生きているのである。

「ええ、補足しますと殴り合いで負けた事まで事実ですよ」

 さらに戯志才の体力は10歳年下の子供と喧嘩して負けるほどの貧弱っぷりである。

「そんな方がどんな授業をしてくれるのか楽しみだわ」

 曹操は一貫して笑みを崩さないが、戯志才はもう帰りたくなってきていたのであった。

戯志才は、三国志での知名度は皆無です。

具体的には「郭嘉伝」と「荀彧伝」に数行出てくる程度であり、三国志演義では出番無し。

書かれている内容で目立ったことは【荀彧を推挙した】と【死亡後に代理として郭嘉が荀彧によって推挙された】という二つぐらい。

個人の特徴について書かれているのは、曹操に見所ありとして尊重されたらしいことと、交友関係が狭かったこと、どうやら曹操の最初期の軍師的なことをしていたことぐらい。

字・生年・没年・活躍も不明であり、よほどの三国志マニアでもない限り知らないと言われる程度の名です。

恋姫では郭嘉の偽名として有名ですが、「そんな判らん人なら好きにキャラ変更出来るぜヒャッハー!」のノリで書いていこうと思います。


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