プロローグ
『扉が閉まります。ご注意ください』
ドアが閉じる。
そして電車が動き出す。
いつも通りの通学風景。
そして近くにはいつも通りの同級生6人の姿。
そう、いつも通りの――。
「な、なんだ!?」
昔からの癖で立ったまま寝ようとしてたら周りが騒がしくなる。
眼を開くと周囲が光に包まれていた。
「なんだこれは!」
「なんか嫌な予感がーー」
「とりあえずお前ら、オレに掴まーーいう前に動けて偉いな!?」
六人がオレの腕やらをつかんだり手をつないだりしたのを感じながら視界が白く暗転した。
気がついたら白い空間にオレたちは立っていた。
『皆様には申し訳ありませんが、私の管轄する世界に転移してもらうことになりました』
同時にオレたちの近くにはホログラムか……3メートルほどの身長の美女がいた。
そして周りには100人前後……先ほどまで電車に乗っていたであろう面々がいた。
「ふざけるな!」
「お家帰して!」
「異世界転生きたこれ!」
「これでオレも無双できる……!」
「クソ親に会わなくていい……最高かよ!」
「……また100連勤せずに済んだ……」
反応は人それぞれ。
中には闇が深い発言あったけど無視しとこう。
『元の世界に戻る方法は……ありますが、自力で実行まで漕ぎ着けてもらわなければなりません。転移や転生について、私は実行した場合の基本最低限の支援以外関与以外しない方針なので』
その言葉に困惑多数、不満を零す者幾分か。
『転移先で特典とジョブは確認できるので確認頑張ってくださいね』
その言葉とともにオレたちの視界は再び光に飲まれ、暗転した。