第9話: 戦闘サポートの進化とレベルアップ
森の中を進む健とレオン。探索サポートを使いながらゴブリンのいるエリアを確認し、慎重に近づいていく。
「ゴブリン3体か…。この間1体だけでも手こずったけど、大丈夫だよな?」
健が不安そうに呟くと、隣を歩くレオンが力強く吠えた。
「そうだよな。お前がいるんだもんな。一緒にやればいけるはずだ。」
地図に表示された赤い点が徐々に近づいてくる。やがて、木々の間からゴブリンたちの姿が見えた。
「見つけた…。3体か、どう動けばいい?」
健は腕のウォッチをタップし、「戦闘サポート」を起動した。すると、新たな画面が表示される。
戦闘サポート:新機能追加
戦闘指示モード:ペットや自身の動きをリアルタイムで指示可能
敵の行動予測:敵の攻撃タイミングを予測し、回避の指示を表示
「おお、新しい機能か…!これならもっと戦いやすくなるかも。」
健は「戦闘指示モード」を選択し、レオンに指示を出してみる。
「レオン、右側のやつを狙ってくれ!」
レオンは吠えながら右のゴブリンに向かって突進し、鋭い動きで相手の足を噛みついた。ゴブリンはバランスを崩し、攻撃の隙を作る。
「よし、今のうちに…ファイアボール!」
健が手を突き出し、火の玉を放つ。狙い通り、レオンが抑えたゴブリンに命中し、相手を倒すことに成功した。
「1体撃破!あと2体…!」
残りの2体のゴブリンが怒り狂ってこちらに向かってくる。そのうち1体がレオンに襲いかかるが、ウォッチが音声で警告を発した。
「敵の攻撃タイミングを予測。回避指示を表示します。」
画面に矢印が浮かび上がり、健はレオンにすぐ指示を出した。
「レオン、右に避けろ!」
レオンは即座に反応し、ゴブリンの攻撃をギリギリでかわす。その隙に健が地面から石を拾い上げ、全力で投げつけた。
「これでも食らえ!」
石がゴブリンの頭に命中し、相手は倒れ込む。
「よし、あと1体だ!」
最後のゴブリンは健を狙って突進してくる。そのスピードに一瞬怯むが、ウォッチが再び音声でアドバイスを送る。
「後方に回避してください。」
「後ろだな!分かった!」
健はすぐさま指示通りに飛び退き、間一髪でゴブリンの攻撃をかわした。さらに、追撃のために魔法を放つ。
「ファイアボール!」
火の玉がゴブリンの胴体に命中し、相手は炎に包まれて地面に崩れ落ちる。
「やった…全部倒したぞ!」
健はその場に膝をつき、大きく息を吐き出した。
「レオン、ありがとな。お前のおかげだよ。」
レオンは健の足元に寄り添い、しっぽを振る。健はその頭を軽く撫でながら、ウォッチを確認した。
クエストクリア!
報酬:ゴールド×30
経験値×70
素材:ゴブリンの牙×2、ゴブリンの皮×1
レベルアップ!現在レベル:2
ステータス強化:HP+10、MP+10
新スキル習得:「フレイムショット」
「レベルアップ…!?やった、俺も強くなったんだ!」
健は画面に表示された「フレイムショット」の説明を見つめる。
フレイムショット:より強力な火属性の魔法。単体攻撃に特化し、貫通効果を持つ。
「フレイムショットか…。これならもっと強い敵にも対応できそうだ。」
成長を実感しながら、健は自分の体力を確認するためにヘルスモニターを開いた。
ヘルスモニター
HP(体力):60/110
MP(魔力):20/60
疲労度:高
ストレスレベル:軽度
「だいぶ消耗してるな…。町に戻って回復しないと。」
健は薬草を使って軽く体力を回復しつつ、再びレオンに話しかけた。
「今回は俺も少しは役に立ったよな?」
レオンは小さく吠えて同意するような仕草を見せる。その反応に健は思わず笑みを浮かべた。
「よし、次はこの新しい魔法を試しながらもっと強くなろうぜ!」
健とレオンは町への帰路につきながら、次の冒険に向けて心を踊らせていた。