第7話: 初めてのクエスト報告と体調管理
森での薬草採取を終えた健とレオンは、町の門をくぐり抜けて冒険者ギルドへと向かっていた。
「はぁ、初めてのクエストだったけど、なんとか達成できたな。」
健は肩の力を抜き、隣で歩くレオンに目を向けた。
「レオン、ありがとな。お前がいてくれたおかげだよ。」
レオンは誇らしげにしっぽを振り、嬉しそうに健を見上げる。その姿に、健の口元も自然と緩んだ。
ギルドに到着すると、中は相変わらず賑わっていた。戦士や魔法使いらしき冒険者たちが、酒を飲みながら談笑している。健はカウンターに近づき、受付の女性に声をかけた。
「すみません、薬草採取のクエストを完了しました。」
女性はにこやかに微笑み、健の冒険者カードを受け取った。
「お疲れ様です。それでは、薬草を確認させていただきますね。」
健はポーチから薬草を取り出し、カウンターに置いた。女性が丁寧に数を確認する。
「薬草10本、間違いありません。お見事です!」
「やった…!」
健はほっと胸をなでおろす。初めてのクエストを無事に終えたことに、安堵と達成感が入り混じる。
「こちらが報酬です。ゴールド20枚と、経験値50ポイントが加算されます。」
女性はゴールドの小袋を手渡し、冒険者カードを健に返した。カードの端には、新たに経験値が表示されている。
「ありがとうございます!これで少しは冒険者らしくなれたかな。」
健が小声で呟くと、女性が優しく微笑んだ。
「初めてのクエスト、大変だったでしょう。でも、これからもっと大きな挑戦が待っていますよ。」
「そうですね…もっと強くならないと。」
健は決意を新たにしながら、レオンに目を向けた。
「次も頼むぞ、レオン。」
レオンは小さく吠えて健に応える。そのやり取りを見ていた女性がふと口を開いた。
「その狼…とても賢そうですね。きっと、頼もしい相棒なんでしょうね。」
「はい。レオンがいなかったら、クエスト達成できなかったと思います。」
健は少し照れくさそうに答えた。
クエスト報告を終え、ギルドを出た健は、自分の体調を確認するためにウォッチのヘルスモニターを開いた。
「戦闘もあったし、疲れてるかもしれないな。ちょっと見てみるか。」
画面には現在の体調が数値で表示されている。
ヘルスモニター
HP(体力):75/100
MP(魔力):30/50
疲労度:中程度
ストレスレベル:低
「HPは少し減ってるけど、まだ大丈夫か。けど、MPがだいぶ減ってるな…魔法使いすぎたかも。」
健は腕を組みながら考える。
「これ、回復ポーションとか作らないと、次の戦闘がキツいかもしれないな。」
ふと、ポーチの中に入れた薬草や赤花草が思い浮かぶ。
「そうだ、あの薬草と素材を使って何か作れないかな?」
健は「日常生活サポート」を起動し、簡単な調合レシピを確認した。
調合レシピ
1. 回復ポーション:薬草×2
2. 解毒ポーション:赤花草×1 + 薬草×1
3. 魔力回復ポーション:シロツメ草×1 + 赤花草×1
「回復ポーションと魔力回復ポーション…これ作ってみるか。」
健は町の広場にある休憩スペースに腰を下ろし、素材を取り出して調合を始めた。ウォッチの指示通りに進めると、小さな瓶に透明な液体ができあがる。
「これが回復ポーションか…。次は魔力回復ポーションだな。」
手際よく調合を終えた健は、完成したポーションを見つめて満足げに頷いた。
「よし、これで次のクエストも安心だな。」
レオンがそっと健の足元に寄り添い、鼻を軽く鳴らす。
「お前も疲れたよな。今日はゆっくり休もうか。」
健はポーチにポーションをしまい、立ち上がった。
その夜、健は町の宿に泊まり、初めてのクエストの達成感を味わいながらベッドに横たわった。
「冒険者としての一歩を踏み出せたな…次はもっと難しいクエストに挑戦してみるか。」
隣には床に横たわるレオンの姿がある。その存在に安心感を覚えながら、健はゆっくりと目を閉じた。