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万能スマートウォッチで異世界冒険  作者: のほほん


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第32話 未知なる敵と召喚獣の力

ギルドでの報告を終えた俺は、少しの休憩を取るために広場のベンチに腰を下ろした。


「ピィ―!」


ストームが俺の肩にとまり、羽を小さくばたつかせる。レオンは俺の足元に丸くなり、スピアは近くの木の上から俺を見下ろしている。


「みんな、お疲れ。今日はちょっとのんびりしよう。」


「ガゥ!」


「キュー!」


俺はスマートウォッチを操作しながら、次に向かうべき場所を考えていた。次の目的地はどうするか……新しいダンジョンを探すか、それとも装備の強化を優先するか。


そんなことを考えていた矢先、ギルドの方から大きな声が聞こえてきた。


「大変だ! 街の外れで魔物が現れた!」


俺はすぐに立ち上がり、レオンたちと共に現場へ急いだ。


そこには見たことのない魔物がいた。黒い霧のようなものを纏い、形が定まらない異様な存在――まるで影が意思を持って動いているようだった。


「……なんだ、こいつ?」


冒険者たちが次々と攻撃を仕掛けるが、すべての攻撃が魔物の体をすり抜ける。


「物理攻撃が効かないのか……?」


俺はすぐに《魔力分析》を起動した。


《名称:シャドウスピリット》

《属性:闇》

《物理攻撃無効・魔法攻撃有効》


「なるほど……魔法じゃないとダメってことか。」


健は冒険者に叫ぶ

「物理無効です。魔法攻撃主体で攻撃してください」


俺は杖を構え、魔力を込める。

「フレイムショット!」


炎の弾がシャドウスピリットに直撃し、一瞬だけ魔物の体が歪む。


「効いてる!」


「ピィ―!」


ホークが空高く舞い上がり、俺の指示を待っている。


「ホーク、《光の翼》を使え!」


「ピィ――ッ!」


ストームの体が眩い光を放ち、そのままシャドウスピリットに突撃する。


「ギャアアアア!」


魔物は光を浴びた瞬間、霧のような体が弾け飛び、完全に消滅した。


「……やったな。」


俺はストームの頭を撫でてやる。


「ピィ―!」


ストームは満足そうに羽を広げる。レオンとスピアも駆け寄ってきた。


「ガゥ!」


「キュー!」


「ふぅ……とりあえず、一件落着だね。よし、みんな、お疲れ」


俺は杖を軽く回しながら、シャドウスピリットが消えた跡を見つめる。


「ピィ―!」


ストームが俺の肩に降りてきて、小さく鳴いた。レオンは俺の足元に座り、スピアは尻尾を揺らしながら周囲を警戒している。


「でも……なんだったんだ、今の魔物。今までの魔物とはまるで違ったし……。」


俺はスマートウォッチを操作し、《探索サポート》を起動する。


《探索サポート:魔力痕跡の解析中……》


《結果:闇属性の高濃度魔力を検出。通常の魔物とは異なる存在》


「やっぱり、普通の魔物じゃないんだ……。」


まるでどこかから召喚されたような、不自然な気配があった。こんな魔物が自然発生するとは考えにくい。誰かが意図的に生み出した可能性もある。


「……ちょっと調べる必要があるな。」


俺は周囲を見渡し、シャドウスピリットが現れた地点へと向かった。地面にはわずかに黒い染みのようなものが残っている。


「レオン、匂いを嗅いでみて。」


「ガゥ!」


レオンが染みの匂いを嗅ぎ、すぐに鼻をひくつかせる。


「くんくん……ガゥ!」


「やっぱり、何かおかしい?」


レオンは少し考えるように首をかしげた後、森の奥を見つめた。


「向こうに何かあるのか……?」


「キュー!」


スピアも飛び上がり、鋭い視線で森の奥を見つめる。


「よし、ちょっと行ってみよう。」


俺は杖を握り直し、レオンたちと共に森の奥へと進んだ。


しばらく進むと、突然スマートウォッチが反応した。


《警告:高濃度の魔力を検出。注意が必要です》


「……やっぱりか。」


森の奥に進むにつれ、周囲の空気がどんどん重くなっていく。まるで霧がかかったように視界が悪くなり、不気味な静寂があたりを包んでいた。


「ピィ……?」


ストームが落ち着かない様子で羽を震わせる。


「お前も何か感じるのか?」


「ピィ――ッ!」


その瞬間、木々の隙間から黒い影が飛び出してきた。


「来たか!」


黒い霧が渦を巻きながら俺たちの前に立ちふさがる。それは先ほどのシャドウスピリットと同じ魔物……いや、それよりもさらに大きく、強そうな個体だった。


《名称:ダークスピリット》

《属性:闇》

《魔法攻撃有効・物理攻撃無効》

《追加能力:魔力吸収》


「魔力吸収……? 厄介だね。」


俺はすぐに杖を構えた。


「レオン、スピア、ホーク! 連携して攻撃するぞ!」


「ワン!」


「キュー!」


「ピィ―!」


ダークスピリットが黒い霧をまとった腕を振り上げ、俺たちに向かって振り下ろす。


「くっ……!」


《回避補助:発動》


俺の体が自動的に反応し、ぎりぎりのところで攻撃をかわす。


「今だ、レオン!」


「ガゥッ!」


レオンが素早く駆け出し、《ファングバイト》でダークスピリットに噛みつこうとする。しかし、霧の体は形を変えてレオンの攻撃を避ける。


「やっぱり、物理攻撃は効かないか……!」


「スピア、距離を取って《ウィンドスラッシュ》!」


「キュー!」


スピアが素早く後ろに飛び、風の刃を放つ。鋭い風がダークスピリットを切り裂くが、魔力が吸収され、完全にダメージを与えられない。


「ストーム、光魔法で攻撃して!」


「ピィ――ッ!」


ホークの体が光り輝き、《ライトブレード》を発動する。


光の刃がダークスピリットを貫き、魔物の体が大きく揺らいだ。


「やっぱり、光属性が有効か!」


俺はすぐに杖を掲げ、魔力を込めると光の魔石が輝く


「ライトランス!」


純粋な光の槍がダークスピリットに突き刺さる。


「ギャアアアアア!」


魔物の体が大きく崩れ、霧となって消えていった。


「……やった。」


俺は息を整えながら杖を下ろした。


「ピィ―!」


ホークが喜びの声を上げ、俺の肩にとまる。レオンとスピアも駆け寄ってきた。


「ガゥ!」


「キュー!」


「よし、みんな、お疲れ!」


俺たちは魔物が消えた場所を調べた。すると、地面には黒い魔石のようなものが転がっていた。


「これは……?」


俺は慎重に魔石を拾い、スマートウォッチで解析する。


《名称:闇の魔石》

《用途:不明》


「闇の魔石か……。」


どうやら、これがあの魔物たちの正体に関係しているようだ。誰かがこれを使って魔物を作り出しているのかもしれない。


「……また新たな問題が出てきたね。」


でも、こうして少しずつ真実に近づいていくのは冒険者って感じで悪くないな。


「レオン、スピア、ストームこれからも頼むよ。」


「ガゥ!」


「キュー!」


「ピィ―!」


こうして俺たちは、新たな謎を抱えながらも、次なる冒険へと歩みを進めるのだった。

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