第20話:模擬戦開始!戦闘サポートの実践
ギルドの裏庭には、大勢の冒険者たちが集まっていた。
「へぇ、新入りがトーマスと模擬戦か?」
「トーマスって、Bランクの冒険者だろ?大丈夫か?」
「新入りの腕試しにはちょっと厳しくないか?」
ざわめくギルドメンバーたちをよそに、健は静かに戦闘準備を進めていた。
「トーマスさんですね。よろしくお願いします。」
「おう、よろしくな。ま、気楽にやろうぜ。」
トーマスは木製の訓練用剣を片手に構え、軽く肩を回していた。
「お前、武器は?」
「短剣を使います。」
健は腰に下げた短剣を抜き、構える。
「短剣か…なら、素早さを活かすタイプか?悪くないな。」
「それじゃあ、準備はいいか?」
審判役のギルド職員が確認する。
「はい。」
「いつでも。」
「よし、模擬戦開始!」
――戦闘開始!
トーマスが素早く間合いを詰め、一気に健へと踏み込む。
(速い!)
健は咄嗟に後方へ跳び、距離を取る。しかし――
「逃がすかよ!」
トーマスの木剣が鋭く振り下ろされる。
「くっ…!」
避けきれず、剣の側面が腕をかすめた。
「悪くない反応だが、まだまだだな!」
「まだ…終わりじゃないですよ!」
健は素早く姿勢を立て直し、戦闘サポートを起動。
《戦闘サポート起動――最適戦術解析開始》
(よし…この機能を活かす!)
画面には、トーマスの攻撃パターンが解析され、最適な回避ルートと反撃のタイミングが表示された。
(次の一撃をかわして、逆にカウンターを狙えってことか…!)
「はぁっ!」
トーマスが横薙ぎの一閃を放つ。しかし――
「見えた!」
健はギリギリで回避し、間髪入れずにトーマスの懐へ踏み込む。
「なっ!?」
「これなら…どうですか!」
健の短剣がトーマスの脇腹に軽く当たる。訓練用の武器なのでダメージはないが、明らかに有効打だった。
「チッ、やるじゃねぇか…!」
トーマスがすぐに後退し、再び距離を取る。
「まさか、さっきまでの動きと全然違うな…何かしたのか?」
「まあ、ちょっとした工夫ですよ。」
健は心の中でスマートウォッチに感謝しつつ、次の攻撃に備える。
「なら、もう一段階ギアを上げるぜ!」
トーマスが地面を蹴り、さらに速い動きで接近してくる。
(くそっ、今の俺の反応速度じゃ、完全には避けきれない…!)
《戦闘サポート:連携支援発動》
「レオン!スピア!」
健の声に反応し、柵の外にいたレオンとスピアが吠える。
「おいおい、召喚獣を使うのか?」
「模擬戦のルールでは、パートナーの使用も認められていますよね?」
「ははっ、そうだったな。なら、正々堂々相手してやるぜ!」
――連携戦開始!
レオンが素早く横へ回り込み、トーマスの動きを牽制する。
「チッ、獣相手に隙を見せるわけには…!」
その瞬間、スピアが低い体勢から突進!
「ぐっ…!」
トーマスはバックステップで避けるが、その一瞬の隙を健は見逃さなかった。
「これで決めます!」
健の短剣が、トーマスの胸元に軽く突きつけられる。
「……負けたか。」
トーマスが苦笑しながら手を挙げた。
「勝者、健!」
審判役が宣言すると、ギルドの冒険者たちがどよめいた。
「新入り、やるじゃねぇか!」
「まさかトーマスに勝つとは…!」
「召喚獣との連携がすげぇな。」
「いや、それだけじゃねぇ。後半から動きが明らかに変わった。あれは何かあるな…」
周囲の賞賛と驚きの声が飛び交う中、トーマスが健の肩を叩いた。
「まさか負けるとはな。正直、舐めてたぜ。」
「いえ、まだまだ未熟ですよ。でも、いい経験になりました。」
「お前、戦いのセンスあるな。これからが楽しみだぜ。」
トーマスは笑いながら手を差し出し、健はしっかりと握手を交わした。
「健、レオン、スピア。お前たち、なかなか面白いチームだな。」
「ありがとうございます!」
健は笑顔で応えた。
この模擬戦を経て、彼の戦士としての道はさらに広がっていく。
――そして、新たな挑戦が始まる!




