二話 さようなら
続きです。
2話 さようなら
死の招待状が来て、1週間が経った頃、僕は絶望に溺れていた。僕が生きられるのは今日の6時までだった。今日が晩餐会の日なのだ。
行っても死ぬ。行かなくても死ぬ。どっちも運命は一緒だった。
『アルマンド...なんでおまえなんだ??アルマンドが何かしたのかい?神様...』
母さんは毎日それを呟いていた。母さんはその間痩せ細くなってしまった。
『母さん...』
迷っている時間がない。決めないと。
俺は決心した。
『母さん、僕、晩餐会行ってくる。何もわからないけど、晩餐会行った人達がまだ死んだって決まったわけじゃないでしょ?必ず生きて帰ってくるから!ね!母さん!』
母さんを少しでも安心させたくて、笑って見せた。でも、涙が止まらなかった。
本当は不安で不安で仕方がなかった。
『アルマンド....!!』
僕は強く母さんを抱きしめた。もしかしたら母さんに抱きしめられるのも最後かもしれない。
だから、温もりを忘れないように強く強く...
...........................
僕は家を出て、晩餐会が開かれる屋敷へ向かった。いつも歩いている道がとても重くどんよりしていた。
『僕以外にも招待された人はいるのかな、人がいる気配がない』
そんなことを呟いていると、人影が見えた。
『あ、あそこに人が、すみません!』
その人影に向かって話しかけた。その人影はその声に応えるようにこっちを向いた。
『あ、んぅ...えっと、僕のこ、と?』
応えてくれた。しかし、少し違和感があった。
狼の耳が付いていたのだ。
『?!ひっ!お、お化け!?!?』
僕は後ろに勢いよく転けてしまった。
『お、化け?、びっくりさせ、てごめ、んね?
僕人狼で、お化け、じゃない。』
『え?人狼?人狼って、あの人狼??』
『?』
『驚いた...人狼って本当にいるんだ...』
僕は立ち上がりながら、そう呟いた。
『お化けとか言ってごめん。僕はアルマンド』
『んぅ、僕、はマシュー。今日、招待状、もらった、今から、やしきにい、くところ』
『!マシューも招待状もらったのか』
『んぅ、僕、招待状、もらっ、たの、初めて』
『...そっか、僕も招待状もらったんだ、よかったら一緒にいかない?』
『んぅ、いいよ』
招待状をもらった人が僕以外にもいて、少し安心があった。でも、まだ不安は完全に消えない。
マシューと僕は暗い道を歩いて屋敷に向かった。
これからどうなるのでしょうか。
楽しみですね。