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怪物は日光を嫌う

作者: しお

注意!投稿主の偏見などがあるかも知れません。

軽い気持ちで投稿していますので、軽い気持ちで読んでいただければと思います。

ホラーチックなのは初めてなのでおかしな点などあるかの知れません。

また、『おかしくない?』などと思っても、そういう世界観なんだなと受け入れて頂けると幸いです。

「見つかれば、おそらく、殺されます。」僕は話を聞いて、震えながらも、そう伝える。

『助けて...。』画面共有されたスマホから女性の声。美しい黒の髪を持ち、紺色がかった瞳からは恐怖が(うかが)える。

その女性は僕の好きな人である佐藤さん。彼女にアドバイスをする。

「今そっちに向かってます。玄関は外からしか開かないので、とにかく、どこかに隠れていて下さい。奴は耳がいいので、静かにですよ。」そう言うと、彼女は『うん...。』と言って、おそらく移動を始めた。

あんな危機的な状況で僕に電話をかけてくるあたり、信用されているという嬉しい感情と共に、どうするか思考を巡らせる。

「先ほども言いましたが、奴は耳がいい。大きな物音など立たないで下さい。それと、電話は切ります。これ以上は雑音が入らないとも限りません。」そう伝え、通話を切ろうとすると、『待って...!』と、小さく叫ばれる。

「ど、どうしました?」

『不安なの。一人にしないで。』涙目になりながら、彼女は言う。

「...わかりました。」走りながらなんとかそう返す。

『今、と、トイレに、隠れた...。』彼女の声は震えている。

『...!な、何か、来た...?』あそこにいる"何か"なんて一つしかない。奴だ。僕は走るのをやめ、固唾を飲む。彼女も息を殺す。

『...。行、った?』数秒の静寂の後、彼女は呟く。

「もうすぐ着きます。もう少し、耐えて下さい。」あと十分、いや、五分で着いてみせる。

「問題は、どうやって玄関まで来るか、と言う所ですね。」考えるが、良い案など浮かばない。

『わ、たしに、か、考えが、ある。』声が震えながらも、彼女はそう言い切った。

『そ、そのために、で、電話、切る。』涙をボロボロと(こぼ)しながら、彼女は通話を切った。スマホをポケットに仕舞う。

急げ。自分の体に(むち)を打つ。走れ、もっと早く!

 ーーー

館の門にたどり着く。門は開いていたため、通り抜ける。

通り抜けた瞬間、誰かに抱きつかれる。その勢いのまま、地面に倒れる。

「佐藤さん?」その人は先ほどまで話していた、彼女だった。

「良かったぁ。来てくれたんだ。」そう言って泣きじゃくった。

ひとしきり泣いた後、彼女は綺麗な黒い瞳を僕に向け、言った。

「ありがとう。あなたのおかげよ。」ニコリと微笑む彼女はとても可愛らしかった。

「でもすごいね。どうやって出てきたの?あの玄関はーー」そこまで言って、思い出す。あの、玄関はーー

彼女が振り返る。紺色がかっていた筈の瞳は、もう無い。

ーーあの玄関は"外からしか開かない"

「"全部、あなたのおかげ"よ?」陽の光を眩しそうに受けながら、彼女は微笑む。その笑顔はとてもーー


ーーとても不気味だった





彼女の動向

肝試しに行く。そういう話をクラスでしている人たちがいた。少しだけ不安になった。もし何かあればいけないと思ったから。クラス委員として、クラスメイトはしっかりと守る責任感のようなものがあったから。

「ここ...?」彼らが話していた場所は薄気味悪い古い館だった。

少しだけ調べて、帰るつもりだった。

ーバタンッ  何かぎ勢いよく閉まる音。いや、現実逃避はやめよう。振り返ると扉が閉まっていた。

嫌な予感がした。『何かあったら頼って』そう言って教えてもらった電話番号にかけて、自分の状況について話した。

 ーーー

私に考えてがある。そう言ったものの、けだ。

私は一番入り口側のトイレの中に居る。

今、"奴"と呼ばれていたモノはおそらく居ない。

スマホで音楽を流して、トイレの奥の方へ投げる。そうすることで耳のいい"奴"をトイレの奥へ引きつける。その間に玄関へ走る。彼ももうすぐで着くと言っていた。

...ここまで目をつぶっていた問題点。そもそも私より足が速い可能性。そうなれば私は間違いなく捕まってしまう。

意を決して、音楽をかけ、奥の方に投げたつもりだが、思いの外近い。

直後、ダダダッという音と共に"何か"がトイレに入ってきた。

その気配が、トイレの奥の方に行ったのを感じ、勢いよく、扉を開けて走り出す。冷静に考えれば馬鹿な真似だった。先ほどの足音、あれはとんでもないスピードの筈だ。"奴"を見ると、黒いもやもやの影がこちらを見ているような気がした。トイレと玄関は比較的近くだったため、全力で、走る。

「...あっ?!」トイレを出て、すぐ、絶望した。

「一体じゃ、ない...?」先ほどの、驚きの声に、ぐるり、とこちらを向く影。背後にも気配を感じた。ゆっくりと、振り返る。

影が、にやり、と笑った。

「あは、は、はははは、あぁ、い、や。いや、いやだ!嫌だ!嫌だ!イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダいやーーー」影が私に触れたのが最後。私の意識は暗闇の中へ消えた。

ご閲覧ありがとうございました。


最後の方は『どういうこと?』となっているかも知れないので、軽く説明しておきます。


まず、怪物は一体しか居ません。少女が見たもう一体は分身体みたいなものです。

佐藤さんの瞳が紺色から黒に変わっているので、すでに別人のようなものです。

「全部あなたのおかげ」についてですが、少年があと一分から二分くらい早ければ少女は助かっています。(または少女の動き出しが一、二分遅ければ)

ラストで少女は怪物に体を乗っ取られました。

そのため、館の主となった少女の体で扉を開いた、ということになります。

怪物が館の外に出てきた理由は外面が人間なので日光に対する耐性が出来たからです。

少女の笑顔が不気味になった理由は少年の視点で少女が自分の知っている"佐藤さん"ではなくなったため、不気味に見えたということです。


この後どうなるかはみなさんの想像次第となるのですが、投稿主の中では主人公は多分殺されるか取り込まれます。

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