12話 猫連盟
部屋に戻りココアさんから受けた忠告を考える
言葉使いかぁ〜、こればかりはなぁ長年この話し方だからイキナリ変えろと言われても難しい気がする
俺が…ん?俺?我?この私?む~このままでは自分を指呼び方さえ定まらなくなるぞ!
何か無いか………は!そ、そうだ、こっちに来る前に読んだ小説に居たキャラの言葉使いを参考にすれば!
うん、言葉使いは何とかなりそうだ
ココさんとココアさんには普通でいいよね、うん
次は冒険者対策だね、フォースの導きを使って幾つかスキルを所得したい所だね
1週間後!
「それでは、行って来ます!」
気を付けて行って来るにゃよ〜
はい、行ってらっしゃい
宿に籠りフォースを使って現状で考えられる事を試しまくった、そのお陰か自信を守れる程度の物は手に入った、ココさんにも色々と聞いたしね
そこで、ココさんから殆ど初心者や子供が小遣い稼ぎに使っている狩り場が有ると教えてくれた
薬草や果実と魔物がいる狩り場、どれもが最低ランクの物らしい
俺の腕試しに丁度良いのでは?と言う事で行ってみる事にした
冒険者の方は?と気になったがココさん曰く、ここは獣人の子供が殆どで人族は余り居ないそうだ
そんな事もあり自分の修行も兼ねて森に居るのである
森に着いて直ぐにやる事があるスキルの発動をする
「《領域探知》っと、おぉ以外にいるもんだね」
《領域探知》そう以前は《領域反応》だったスキル
宿に籠って使いまくっていたら、いつの間にか進化していた、スキルって進化するんだね
反応と探知の違いは、今の所は大きな違いは無いかな
精々、対象の大きさ、敵対の有無、対象の強さが大まかに分かる位い、大まかに?ってのは感覚で、あっ
コイツは俺より強いなって感じか、危険って感じかな
「うん、付近に大きな魔物や人もいないみたいだね、敵対も…無しっと!」確認は必須だね
森の浅場をアッチコッチ回って行こう、途中で薬草や木の実等を採取して行く
!探知に反応だ、黄色の点滅だから警戒レベルだな、え?俺の近くにいる?どこに?見当たらないぞ?
視界の端の方から水?液体が飛んで来て足にかかった
ジュー!うわっ熱!痛いし熱い…プスプスいってる
軽い火傷みたいだ
液体が飛んできた方向に何か居る!凝視していたら
《スライム》って文字が視界に出てきたし…
スライム…これが?イメージと違うなぁ〜、俺のイメージだと某〇クエストに出て来たまんじゅう型?なんだけどなぁ〜、コッチのスライムはどうやらはぐれ系の様だった
痛みは引いて来たので、距離を置くと探知が青になっていたので暫し観察する事にした
木に登り木の実を食べ?体で包み込んで吸収かな?
動き自体は早くないね、でも水溜まりが動いて木に登ったりしている様で不思議で面白かった
ココさんに聞いた事もあって火傷の方も無事に治った
そう、治ったよ薬草の調合でね
7回目で何とか成功して塗ったらアッという間だった
軽い怪我等は現地調合で治せるんだね、便利だね
3時間程歩き回り、浅場と中層の境い目に到着した
聞いていた通り、木や植物がガラリと変わっている
雰囲気も何か空気が重い感じがするし、なにより俺の
《危険察知》スキルが鳴りっぱなしなのだよ
だから浅場に引き返した
《危険察知》
自身に危険が迫る時、危害を加える恐れがある者がいる時にアラームが鳴り教えてくれるスキル
ふぅ〜怖かった、ガクブルだったな俺wこれで中層は無理だと分かった
次は当初の、目的の1つでもあるコッコナッツを探す
名前しか教えて貰え無かったけど、これで剣の練習が出来るらしい、後は見てからのお楽しみにゃ!
って事だったし…安易に名前からしてココナッツじゃね?って思ったのが悪かった
ココッ、コケッコケッ、コォォォオオ、バサバザ
俺の馬鹿野郎ー、何がココナッツだァァー
でっかい鶏じゃねぇかこれぇぇー、うわ、ひぇ
まさかコイツで剣の練習をしろってか!ココさん
あんた鬼だよ!うわ、わわ
現在、大型犬程の大きさのニワトリと戦闘中でござる
片手に刀は持っているものの、避けるだけで精一杯の俺様だ、よ、は、と、避けるのに余裕が出てきた
いい感じだ、次はギリギリで避ける練習だな!
ふ、は、ふふふ貴様の攻撃は見切ったわ!
ん?痛!グハッ…攻撃パターンを変えてくるとはな
コイツ、口から木の実を飛ばして来たぞ!そこからの頭突きで軽く尻餅を着いてしまう
ニワトリのクセにやりおる!!
そんな攻防を何度かしている内に刀を振る事は出来る様に成った、だがしかし自分でも分かる
刀の振りがヘロヘロだと、何度か当たったけど大したダメージにもなって無い、痣にもなって無い
コケケケッ
ムカッ、ニワトリが俺を見て笑った気がした
コケケケッ ケケケケッ
いや、笑ってるなアレ……ꐦꐦ上等だコラァーーー
コケコケコーーー
避けて、刀を振る、避ける、振る、振る、振る、振る
幾度も振り最後に袈裟斬りに振った時に手応えが!
クエ~
おぉ、左側の翼半分が斬れたぞ!
コケックエーー
と鳴いて走り去って行った、逃げ足早っ!何にせよ
何とか成ったね、ボロボロだけど…倒せなかったし
でもコッコナッツだったかな、仮想相手のイメージは出来たから1人でも少しは練習出来るかもね
兎に角もう帰ろう、初日にしては…上出来なのでは?
にゃはははは、お帰りだにゃ〜、にゃははは~にゃは
見事にボロボロになって帰って来たにゃねぇ~
でも良い顔してるにゃし、収穫はあったにゃか?
木の実や薬草をココさんに渡して食事を頼んだ
「収穫って程じゃないけどね、色々と体験したよ!特にコッコナッツとの戦闘は良い体験だった!」
うむにゃ、コッコは獣人の子供にとってもハンターになる為の最初の試練なのにゃ、コッコを狩って漸く
ハンターとして半人前の扱いになるのにゃよ!
それにコッコは攻撃も単調だから、タイミングを覚えたりするのに丁度良い獲物なのにゃ、それに食材になって肉も上手くて重宝するのにゃよ!
クウガもコッコが狩れたら持って来るのにゃよ、ウチの宿で買い取ってやるにゃ
「そっか、ようし頑張るぞ〜、そのコッコなんだけどさぁ、ランク的にはどの辺なの?」
コッコにランク何て無いのにゃ、あいつは魔物じゃ無いし、野生の鳥にゃよww
「そ、そうだったのね」
クウガさん、少しお時間はありますか?
「はい、後は寝るだけなので時間はいっぱい有ります」
では裏庭にいらっしゃいな、少しですが刀の振りを見せて下さいな
「え、は、はい」
ク、クウガ頑張るのにゃ、後の事は心配しないで行ってくるのにゃ!
裏庭に行き、刀を振る
う~ん、こう言っては何ですがクウガさんの振りは
イケマセンねぇ、もっと重心を落とし構えて下さい
脇を閉めて!足は逆足を前に!肩の力を抜いて!
はい、形にはなりましたね!では素振りを
てな感じで教えて貰ったんだけどね、最初は優しかった、段々と先生から鬼教官並に変貌したココアさん
少しと聞いたはずだけど…1時間で膝がガクガクに
とても濃い1時間の鍛錬でした
何とか形にはなって来たのかココアさんも満足気に
今日はここまでにしましょう♪♪
「あ、ありがとうございます」
自然と直立不動で頭を下げた俺が居た
はい、これで少しは動ける様になったと思いますよ
結果を期待していますね
何だろうか、とても優しい笑なのだが、また無様な結果だったらわかってるよな?あぁあ!と脅されている様な…いや気の所為だな気の所為
宿に戻ると人族のお手伝いさんがいて、クリーンを掛けてくれた、サッパリして気持ち良いね
お手伝いさんに「ありがとう」礼をいって部屋に
戦闘の仮想イメージをしようと思い、イメージしてみたらコッコからココアさんに代わっていた
2~3回しか木刀で打ち合って無いのに……
まぁね、実際ココアさんはかなりの強者だろうな
いつも間にか目の前に居たりしてたしね
明日からも森に行って修練を続けよう
次の日も、また次の日も森で自己鍛錬をつづけた結果
3日目にコッコと遭遇し呆気なく倒せてしまった
仮想イメージをココアさんにした効果もあってかコッコの攻撃が見切れたんだ、まぁココアさんが早すぎなんだけどね
早速宿に報告とばかりにコッコを持って帰ったんだけどね、ココアさん曰く
刀での切り口が、まだまだらしく裏庭に招待された
ココアさんの教官ぶりが爆発し、どうやら俺は限界を迎え部屋に運ばれて今、目覚またところだな
食事の際にコッコのステーキが出て来て食べたら、凄く美味かった、今日は宿も暇らしくココさんココアさんも一緒に食事をしている
美味いにゃ〜、コッコなんて久しぶりなんだにゃ~
「え?そうなの?腕試しの獲物なんでしょう?」
そうにゃよ、腕試し故に余り出回らないのにゃねぇ
子供の腕試しの獲物どから、大人やハンターは狩らない様にしてるのにゃ、子供達もやっと倒した獲物だから持ち帰って家族で食べるのにゃね
無闇に狩ったりしないのが暗黙のルールにゃし
「そうなんだ、俺はもう狩れない?」
クウガなら毎日は駄目だにゃけど、後3羽位いなら平気にゃよ!
「そっか!なら3日後位いに遭遇したら狩るかな」
でもあの狩り場は冒険者は来ないんだね
それはそうにゃよ、あそこは獣人達が作ったんにゃよ
「え!じゃあ俺何かが行ったら駄目なんじゃあ?」
大丈夫にゃ、クウガは猫連のお客様なのにゃし気にする必要はにゃい!
「そうだ!その猫連盟って何なの?この間からずっと気になっていたんだけど!」
クウガは猫連も知らなかったにゃね、仕方ないから簡単に説明するにゃ!
猫連盟
始まりは何百年も前のウチらの祖先の話しにゃよ!
冒険者だった祖先が宿に泊まるのも大変だったにゃ
特に獣人は毛が抜けたりするもんにゃから断られたりしたにゃ、ギルドでは差別されたり、食事するにも断られ、店では余計にお金わや払わされたりにゃ
祖先が冒険者を引退した時に、獣人達にそんな思いはさせたくないって宿屋を始めたのにゃ
最初は獣人専用の宿屋だったんにゃよ!それが評判を呼んで俺も俺もと始まりの祖先達が店を始めたにゃ
いつしか獣人専用の宿屋、道具屋、武器屋と色んな店が出来たのにゃね
時が立って、その祖先の家族達が違う街や国でも同じ様に店を始めたにゃ、その全てが始まりの祖先達の子供や兄弟や家族なのにゃよ、獣人は子沢山だから子供も店も直ぐに増え、いつしか大陸全土に店が建ったのにゃ、店が増えるに連れや各店もグレードアップして他の種族からも利用したいって要望がでたにゃ、そこで人族も利用出来る様に今の様な設備もあるのにゃね今では各国や街には必ず猫連の宿屋、道具屋
武器屋があるのにゃ
そんな中でも大きな事件があったのにゃよ!
宿屋で働いていた女の人族がいたにゃ、ダンジョンで囮にされた破棄奴隷にゃ、奴隷は主による契約違反があった際に奴隷契約が破棄されるのにゃ、その娘は囮になった時点で破棄されダンジョンの魔物に殺される寸前に自由になったんにゃ、そこに猫獣人のハンターが通り掛かり助けて宿に連れ帰ったのにゃ
娘はお礼にハンターがいる間は宿で働いていたにゃ
それを元の主である冒険者が見付け連れ出そうとしたけどハンターに返り討ちにあったにゃ、今思えばその頃から冒険者は屑にゃね
その後、冒険者が貴族を連れて来て娘を連れ出そうとしたけれど獣人達に妨害され退散したにゃ
その夜に事件があったにゃ
冒険者と貴族達が突然なだれ込んで来てハンターと娘とお客達を殺しで行ったのにゃ
結果、宿屋にいた者で生き残ったのは他所から来た商人1人だったそうにゃ
それで当時の猫連盟会長が怒って、冒険者や貴族達と喧嘩になったにゃ、元から強い獣人とでは勝負にならず冒険者の半数は死に、貴族は屋敷ごと跡形もなく消えたのにゃね
んで会長がその領主とギルドに対して猫連盟の利用を凍結したのが一回目の事件でクウガのが2回目にゃ
「そうなんだ、そんな事が…」
前回は王家が出て来て、王の顔をたてて10年の利用停止だったんにゃけど、今回は多分無期限にゃね!
「え!そうなの?王家が出てきてもなの?」
当たり前にゃよ、2回目にゃ!2回目!!
王家が出てこようが誰が出て来ようが知った事ではにゃい!
最悪、その国から撤退も有り得るのにゃよ
猫連盟は今、どの国にとっても無くてはならない存在にゃね、人族では手に入らない素材や薬だって有るにゃし、撤退にゃんてしたらその国の経済はどうにゃる事だかにゃあ
それ故に猫連盟は、権力に対しても出る時は強く出られるのにゃよ!
「すげぇ~」
クウガはそんなすげぇ所にいるのにゃ、にゃはははっ
猫の宿を利用している限りは猫連盟の後ろ盾があるって言っても過言ではにゃい!
「ははぁー恐れ入りましたァ」
うむ、分かれば良いのにゃぁぁぁあ!にししし!
「そうそう、冒険者の利用禁止なのは分かったけど獣人の冒険者さん達はどうするの?」
平気にゃよ、そもそも獣人に冒険者やってる奴なんて居ないし、獣人はハンターギルドに所属しているにゃ
「へぇ、冒険者とハンターって違うのかぁ~」
冒険者ギルドは街の住人のお手伝いとかあるにゃ
ハンターギルドの仕事は基本、採取と討伐と調査にゃ
「ほお〜成程ね」
なんならクウガもハンターギルドに入るかにゃ?
ウチが紹介しるにゃよ!
「でもなぁ、俺はほら(魔無し)だしなぁ~また馬鹿にされるのもな嫌だし…」
それもそうかにゃあ~、でも冒険者ギルドよりは差別は少ない方にゃよ、気になったら見てみれば良いにゃ
「うん、ありがとねココさん」
にゃはははは、気にしにゃい気にしにゃい
「明日の用意とか有るから買い物でもしたいんだけどなぁ」
だったら黒猫商会に行けば良いにゃ、近くだし紹介状見せればサービスもあるにゃよ♬
はい、こちらが紹介状ですよ!必ず店に入る前に店員に見せて下さいね
「はい、紹介状まで用意してくれてありがとう」
いいえ、お客様なのですから当宿のサービスです
「では早速行って来ます〜」
ココさんもココアさんもいい人だなぁ、俺の中で獣人さん達の人柄が爆上がりだなぁ
黒猫商会か、どんな人達なんだろうな楽しみだよ
確かこの辺だと聞いたのだけど……こんな時は後ろだ!無いね
むぅ、どこだ?「すみません、この辺に黒猫商会」
はい?また貴方ですか!一体何の冗談なの?
黒猫商会だったら貴方の後ろに有るじゃ無い ꐦ
「ごめんなさい、すみませんでした!」
怒られてしまった、お姉さんの所に移動した所にあったとはね、次からは気を付けよう
さてと、どんな物が売ってるか楽しみだぜぃ!