商社猫<どうして売れるのが絹と伝統工芸品ばかりなんですか
初投稿です(大嘘)
いつもの閣僚会議室
「もっぱら売れているのは刀剣と絹、茶葉、ガラスそれに伝統工芸品です」
商務大臣猫が本日の議題を上げていく。
今日の内容は貿易内容の精査と輸出品目の強化である。
「鋼鉄や他の軽・重工業製品は売れないのか?」
首相がウィンドウを操作しながらも内容を聞いていく。民間貿易の中身まではゲームで弄れない為実際に見聞きする必要があった。
工業国としては加工貿易していってお金を稼ぐのが大事な所だが、狙いとは中々うまくいかないものである。
「そもそも国内の需要すら軍需に取られて十全に満たせていない現状、輸出する余裕ある?」
商務大臣猫が煽る様に返答した。
これには首相も苦笑い。
「んにゃぴ・・・・・・難しいですね」
忘れてはいけない。当時の日本は軽工業国家であり、まだ発展途上だという事である。
「戦時体制を解除して師団の充足率削減と民需への転換が必須。輸出うんぬんはそれからでも遅くないです」
「幸い売れるモノは有りますし、食糧と資源の買い付けも問題なさそうです。ブリカスみたいなことするのはまだ早い」
綿織物が売れないからと言って、現地の職人の腕を切り落とすような畜生行為はしなくていいから・・・。
「じゃあ輸出の為にも動員と戦時体制の解除はする方向で」
首相が話を締めようとした時、陸軍猫が割って入った。
「宇垣軍縮のような事されるとこっちも困るんですがそれは」
陸軍猫のいう事にも一定の正当性はあった、但し大前提が既に崩れているが。
「(君達が主張していたソビエトの脅威はもう)ないです。48師団あれば支配領域と本土防衛は余裕でしょ。じゃけん120師団から削減よ~」
「くぅ~ん」
犬なのか猫なのかこれもうわかんねぇなぁ。
一方海軍猫の方は支配領域の拡大に伴って駆逐艦と巡洋艦の建造が認められたので特に不満は無い模様。
海軍軍縮条約も無いから好きに建造できるよ!やったね!
陸軍猫<どうして
西大陸での外交が一息ついた頃、東大陸への接触は慎重に行われていた。
既に国家としての生命線(植民地と資源地帯)は確保していた為、後は急ぐ必要のない外交交渉だったからである。
東大陸は三つの列強に分かれて割と頻繁な小競り合いと策謀が張り巡らされており、緩衝地帯の中小国が簡単に引っ繰り返ったりする土地だった。
ブリカスみたいな立ち位置のイズマシュ連合王国へと砲艦外交で威圧して友好関係を築くと、
半ば東大陸への干渉をやめて遠くから眺めるように連合王国への観戦武官を通して状況を把握するに留めている。
他には両大陸を越えた惑星の反対側に未開の地が存在しているらしいが、学術的価値から小規模な調査隊を送る程度だ。
大日本ペイント帝国の過ごした忙しい一年目はこうして幕を閉じる。
ここまで消極的な首相の考えは至ってシンプルだった。
《世界の警察とかごめん被る》
それだけである。
技術優位があるんだからそれを維持できるようにしつつ列強順位上位に着けていれば、あとは面倒事からは遠ざかるのが吉であろう。
例え世界中のあらゆる物事に干渉できる立ち位置になったとしても、それを維持するコストが重いのだ。
現在進行形のアメリカ合衆国の苦行を進んでやるほどの被虐趣味は彼には無かった。
アメリカ猫<どうして
続きません(迫真)