表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/20

陸軍猫<どうして攻勢に出る必要があるんですか

話に終わりが見えて来たので初投稿です


統一歴1849年 夏 大日本ペイント帝国 首相官邸


魔王軍の攻撃が息切れして余裕が出来た夏。

西大陸には新設された機甲師団六個と追加徴兵された自動車化歩兵師団24個が最前線の少し後方に集結し、攻勢準備に入っていた。

その為にジェット化された制空戦闘機隊と近接航空支援隊が専任で上空直掩を担当し、この一転攻勢に期待をかけている。

全てはこの無意味な浪費活動に終止符を打つ為。

このまま防ぐだけでは終わらないという事、同時にやっと覚醒を果たし最低限の訓練が終わった勇者達にだけ戦いを任せない為である。


「大の大人が雁首揃えて子供に頼って世界を救ってもらう?吐き気がするほど気に食わないな、そんな繁栄」


一度サイメリア聖教国からエルライン帝国に避難して来た勇者を遠目から確認したが、まだ幼い中学生程の子供だった。

そんなガキが瞳を決意で燃やして魔王を討つ為に鍛錬に勤しんでいる。

その時の首相が受けた衝撃は筆舌に尽くしがたい。

そんな未来はあってはならない。そんな平穏に真の価値は無い。ふざけているのかこの現実は。

正に言葉にし難いほどの感情と憤怒に身を焼かれた。


そしてそれを覆しうるだけの国力があるのは日ペだけなのだ。

あとはもうやるしかないだろう?


「攻勢開始。機甲師団による片翼包囲で敵主力を包囲殲滅。そのまま縦深を荒らしぬいて一気に駆け抜けろ。近代電撃戦見せてやる」



首相猫<どうして



突出した機甲師団が敵軍の上位指揮官を殺害して指揮系統を破壊し砲兵部隊が敵の移動を阻害、分断され孤立した敵軍は歩兵師団で包囲され近接航空支援で溶かされる。

前線を突破した日ペ第八軍は旧ロイス王国領へと進撃。

兵站は工業力に身を任せて無理矢理鉄道を敷設しながら沿岸部で船を乗りつけ補給。

内陸部は進撃を遅らせながらも、沿岸区域の海域に関しては急造した軽空母と魔導センサーによる掃海を徹底し制海権を確保。

邪魔する要塞は爆撃で山ごと崩して前進に前進を重ねた。

途中目につく苗床都市は全て焼き払い、内陸部は核と爆撃で灰にし、遂には魔王軍の本拠地ローデンを冬が来る前に攻撃の射程圏にまで捉える。


そこに到達するまでに焼いた都市は20を超え、内陸の苗床都市への核の投下数は10にも上る。


これだけの勝敗に対する明確な差が出たのは、完全に戦争というモノに対する時間の感覚が違う戦いだったからだ。

確かに魔王軍の質と物量を兼ね備え兵站への負荷も殆どない軍隊は恐ろしい。

だが魔導による技術が有っても、彼らには戦争そのものに対する積み重ねが足りないのであった。

技術の戦争への活用、戦争計画、航空優勢、海上優勢、戦略、兵站システム、鉄量による戦争。

地球における戦争の歴史の積み重ねは殺意とシステムにおいてこの世界を上回っていたのである。


確かに過去の西大陸においての覇権国家は魔王との戦争が原因で崩壊した。

戦争自体には耐えたが、その戦後復興に失敗したのが歴史に残っている。

だが大日本ペイント帝国は耐える。彼らには市場と資源がある。両方がある限り資本主義国家はどこまでもしぶとく生き残るだろう。


冬が訪れ日ペの攻勢は一旦止まった。

しかし内陸への爆撃は日に日に加速しており魔王軍の生産力は低下する一方だ。

普通の国家の戦争ならばもう"詰み"であり降伏も考えるが、これは絶滅戦争である。

魔王がいるローデン城は既に爆撃の射程圏内であり、日ペは容赦などなくこれを滅ぼす。

魔王城で勇者に討ち取られるなどという甘い幻想はどこにも無い、あるのは神の火による死だけだ。


魔王猫<どうして

多分次で終わりなので失踪します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] えっ! 捜索願い出します! うぁ完全に焦土にしてる、都市20ってまさに焼き尽くせーー! って感じじゃないですか。 NAMでステイツがかました時みたいですね、こりゃ日ペは覇権国家と見做されて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ