日ペ猫<どうしてレンドリースしないといけないんですか
遂にスイジョウキし始めたので初投稿です
統一歴1849年
エルライン帝国 帝都 応接室
華美な装飾が施された正に帝国主義全盛期といった風情の応接室では大日ペ帝国の三等身の外務猫と、エルライン帝国の外務大臣が席について話し合いをしていた。
「有償軍事支援ですか」
「そうなります。有償といっても廉価での提供をさせていただきます」
外務大臣は日ペの申し出を正直有難かったが、だからといって直ぐに飛びついては国の名折れ。
キチンとした交渉の結果である必要があった。
「主な対価は資源と戦線の安定化ですね」
「話が早いと助かります。貴国の鉄資源が欲しいのですよ、主にそちらの技術では使えないとされている鉄鉱石を」
日ペが求めるのはこれ以上の戦線の拡大阻止と兵器生産能力に直結する鉄鉱石の供給元の拡大だ。
東大陸との交易が止まっている現在、まともに通商できる相手がエルライン帝国ぐらいしかない。
食料は保護国と属国からの供給で賄えても、国家の血液たる鉄が足りないのは死活問題だ。
気を付けろ、会話は至極真っ当だが、片方はヴィクトリア朝時代の外交官でもう片方はスーツを着た現場猫だ。
「貴国でならその鉄鉱石が活用できると?」
「端的に申しますとそうなりますな」
三等身の猫が極力尊大な態度を崩さず交渉し、テーブルに出された紅茶を飲んだ。
エルライン帝国の外交官も交渉の強者、相手の交渉内容から本当に欲しがっているモノを見抜くとそれをちらつかせる。
「その件は良い返事が出せそうです、しかし貴方方が本当に必要としているのは鉄鉱石程度では無いのでしょう?」
外務猫の目が細まり視線が鋭くなった。
飲んでいた紅茶を落ち着いてソーサーに戻しつつ両手を顔の前で組むと何も言わず、続きを促した。
「先日登場した魔導防御兵器などの魔導に関する知見や能力は共和国からゆっくり得ればいい。・・・貴国が本当に欲しいのは裏切らない頼りになる同盟国だ」
「貴国のこれまでの行動を見ているとその切実さが見て取れます、しかしその国力差から得られるのはどうあがいても属国や植民地になってしまう」
外交官が部屋に降り注ぐ日光を受けてその眼鏡を怪しく光らせながら答え合わせをした。
「我が国なら成しえますよ、この大陸で最も科学技術と社会制度に優れていた自覚はあります。貴方方の手助けさえあればこの大陸を管轄する同盟国になれるでしょう」
「如何ですか?一時の協力関係が国家戦略の方針に影響を与える事もあり得る筈です」
外務猫は否定しなかった。
ロイス・サイネリア猫<どうして
一方たどころ、西部戦線と北部戦線では日ペと魔王軍が激しい攻防を続け、
エルライン帝国軍は国家総動員で生産力をつぎ込んで新規技術も開発し、ボルトアクションライフル・鋼鉄製大砲を戦場に投入していた。
それと同時期に東大陸の戦場で鹵獲された魔導師の機械式宝玉を手に入れこれのフルコピーに成功。
西大陸の空でも魔導師が編隊を組んで空を飛び、竜を迎撃して地上支援に爆撃を繰り返すようになる。
更には日ペの飛行場拡張は続き、全戦線に分厚い制空部隊と近接航空支援が届くことで魔王軍は衝撃力を完全に喪失、
後方生産拠点も爆撃され、初期の頃の様な無限攻勢を続ける兵力の余裕が無くなって来た。
戦線の安定化は後方地域の安定化を伴い、余裕のできた生産力は反撃の力を貯めるに使われだす。
その際たる例が遂に大日ペ帝国本土から西大陸の飛行場に届こうとしていた。
カンタス大飛行場
日本本土から飛んできた超重爆撃機に積み込まれようとしている規格外にデカい爆弾が、遠巻きに他の整備員や飛行士達の注目の的になっている。
余りにデカすぎる為に爆撃機自体にすら専用の改造を施してまで積み込まれている専用弾に物珍しさはあるらしい。
「良いんですか?すっごい目立ってますけど」
「仕方なかろう、目立つ物はどうやっても目立つ」
特別に保安要員が爆弾の監視の為に防護服を着ながら立っているが、それも珍しさに拍車をかけているのだろう。
格納庫の一角で憲兵隊と一緒にその様を見ていた研究猫と将校猫が雑談していた。
なお翌日ロイス王国の首都だった場所は大きなキノコ雲に覆われ、黒い雨が降った模様。
魔王猫<どうして
今日も書いたので失踪します