海軍猫<どうして通商破壊されるんですか
CCさくらは多くの人間の脳を破壊しすぎた。
統一歴1948年 西大陸への航路 バレアンツ海
バレアンツ海の海上では護送船団がIJNの駆逐艦と護衛艦の警戒のもと、平穏に海を航行していた。
その内の一隻大型輸送船うらじお丸では船員の猫達が昼の作業に追われている。
「そっちの確認は良いかー!」
「荷の固定ヨシ!」
甲板猫達が荷物の拘束を確認、航海士猫が海図と方位を速力と突き合わせて現在地を割り出して残りの行程を計算していた。
「航海は順調です、あと三日もあればアルバロス港に到着出来ますね」
「向こうの港では生鮮食品を補給したら休暇を二日入れてすぐ資源を積み込み出港だ。忙しいな」
副長猫と船長猫が双眼鏡片手に周囲の海を見渡しながら雑談。
内容はこの船の運用スケジュールについてだ。
戦時となれば忙しいのは当たり前だが、十分な数の戦時標準船で運行されているこの船団はまだ良い。
民間の速度が合わない船と共同船団ともなれば一番遅い船に足を合わせるので危険が増す。
大軍が展開している西大陸に輸送船が届かなければ補給に困った軍隊が負けるのだ。それだけは避けなければならない。
大日本ペイント帝国は既に単独で生きていくには人口と国力が大きくなり過ぎた。
だからこそ駆逐艦と護衛艦が合計10隻もこの船団についている。
主力の空母機動部隊は空母二隻に重・軽巡洋艦と駆逐艦という軽い構成で航路の至る所を巡回しており、空からの監視を強めている。
開戦から二年で魔王軍の水竜や海上を飛ぶドラゴンは大体仕留めたモノの、警戒を緩めてはいけない。
戦争とは相手がいるのだ。ならばこそ手を変え品を変え対抗策を練ってくるだろう。
そう、正面からの戦闘で勝てないとなれば例えば水中からの奇襲戦法など、取れる手段に切り替えていくだろう。
平穏の情景から一変、轟音と共に水柱が輸送船に立つ。
「何事だ!」
「シベリア丸が被雷!轟沈します!」
警戒に当たっていた駆逐艦から声が上がり、ソナー員に声が飛ぶ。
「ソナーは何をしていた!何も聞こえなかったのか!」
駆逐艦には最新のパッシブソナーとアクティブソナーが積まれており、海軍国として首相が重点開発していたモノがあるはずである。
「パッシブとアクティブ共に反応有りません、今現在も!」
「なんだとぉ!?」
魔王軍の日ペに対する反撃が海中から始まろうとしていた。
なお潜水可能時間はあまりない様で、海上航行中に空母艦載機の爆撃を受けて撃破された模様。
その正体は魔法で調整されて生み出された鯨であり、列強の協力の元解剖と調査の末魔法で海中で音を打ち消す防護壁を纏いつつ、体内で生成した爆発性の魚を撃ち出す事で攻撃するようだ。
魚は自動的に対象に向かって泳いでいき命中すると爆発する。まさに魚雷であった。
これの登場で空母への攻撃が避けられなくなるという想定が発生し、日ペは属国になったネイランド共和国に資金と資源を注ぎ込み、
水中の魔導反応を探知する術式と装置の開発を急いだ。
下手をしなくとも海上護衛戦が引っ繰り返りかねないからである。
海軍猫<どうして
あんなん人生壊れるわ