魔王猫<どうして生産拠点が焼かれるんですか
この小説は青少年のなんやかんやは守られている模様
統一歴1847年秋
ネイランド共和国国境で魔王軍の攻勢が頓挫してから季節が廻り、西大陸の戦況は再度の停滞を見せていた。
日ペは大陸の半分を支える広大な戦線に兵力を取られ攻勢に出るだけの余裕がなく、西大陸国家は死に掛け。
東大陸では遂に発火した国境紛争からドルトムント帝国vsクリスティア連邦の大戦へと発展。
達成された軍制改革と鉄道を使った迅速な動員と機動で初戦を帝国が大勝で収めた。
これにより常備軍をほぼ失うという痛手を受けた連邦は徹底して会戦を避けて広大な領土に相手を引き込み補給切れで対抗という戦術で返す。
開戦から3カ月で国境から800kmも後退してもなお遅滞と焦土作戦を続けていた。
一方イズマシュ連合王国は大陸に一強が誕生する事を避ける為に連邦に加担し海上封鎖と
大陸にある中小同盟国に陸軍を送り込み第二戦線の形成という二重の手を打った。
これは連邦の負担を減らすと言う点では間違いなく機能したが、参謀本部の形成、国民皆兵、鉄道の軍事活用、魔導師の体系化で他国より先を行った軍に敗北を喫する。
以後防衛に努めるが、劣勢の制空、軍組織のレベルの違いに反撃もままならない状態となった。
東大陸では戦争が全土を覆い魔王どころの騒ぎではなくなった。これはもう簡単には止まらないだろう。
神様猫<どうして
大日本ペイント帝国保護国領 カンタス大飛行場
保護国領で最大の軍用空港では六式重爆撃機富岳が百機単位で並べられ、合計は千機にも届こうかという規模で配備されていた。
これらの重爆撃機は全て開戦以後に大量生産された機体であり、本格稼働した工業国家の余りある軍需工場が生み出した殺意である。
それは大量の教育を受けた整備員たちが丁寧に点検整備を行っており、爆装を施されて飛び立とうとしているのだ。
飛びたとうとする爆撃機たちに現場猫達が帽子を振っている。
目標は旧ロイス王国領主要都市の全て。
幾度か行われた偵察任務により、逃げ遅れた住民を使って魔物が次々と生み出されるのが確認され、これらの生産力を削ぎ落とす必要性が認められる。
使われる弾頭は全てが焼夷弾と榴弾。徹底して破壊の限りを尽くしその生産力を奪わなければこちらが危ういという判断だ。
青空に銀翼の機械が飛び立ち、それが会合地点で他の基地からの部隊と合流、それぞれが爆弾倉に総重量5tの爆弾を積んでおり都市の破壊は容易いだろう。
途中の前線までは戦闘機の護衛が付き、前線を通り抜けた先の都市に近づいたら高度を下げる。爆撃前の動作だ。
爆撃主導を行う隊長機が先頭を飛び、眼下に見える大都市へと爆撃手が照準を合わせる。
突然の爆撃機に驚いたのか、都市から竜種迎撃用の魔法陣から迎撃魔法が飛んでくるが、高度調整の想定が低すぎて届いていない。
「照準ヨシ!投下!」
コンバットボックスを組んだ空を埋め尽くす富岳から焼夷弾と榴弾が大量に降り注ぐ。
それらの殆どが正常に機能を果たし名のある大都市を破壊し燃やしつくしていく。
そこに囚われて苗床となった女性や生まれたばかりの魔物に警備の魔王軍たち。全てが灰燼へと帰る。
悲しいけどこれって戦争なのよね。
これから毎日都市を焼こうぜ?
ちなみに国境近くから順に都市を焼き払ったら無限攻勢してくる魔王軍が露骨に減りました。
事前偵察通り、都市が軍の兵を苗床として供給していたみたいです。
魔軍猫<どうして
初投稿です(迫真)