新訳裸の王様
裸の王様は実はこんな話だったのだよ!絶対に()
新訳裸の王様
斑模様のゴミ箱に幼稚園児の使い捨てた折り紙の山があった。
だから、ぼくは早速、裸になったのだ。
ぼろぼろの折り紙を拾って王冠を作り、頭にかぶってみた。次に、ストッキングを両手に嵌めて、チョロギをポケットにいっぱいに詰めこんで、糸瓜をジーンズの股間のあたりに突っ込ませた。股間がもっこりもこみちである。それから仕上げに、ベーコンの表面にアロンアルファを塗りたくって、ぼくのお腹に張り付けてみた。うむ!これぞ理想である帝王の姿!ぼくは慊焉として頷き、綻びた。いざ、外に出かけてみよう。きっと民草はわが輝かしい姿に驚き桃の木山椒の木、仰天唖然騒然してひれ伏すに違いない。ふふふ、民草の魂消た顔がもう念頭に浮かぶ。
脳が描いた図と全く同じだ。案の定民草は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、ぼくをじろじろと見てくる。傑作だ。気分高揚となったぼくは、「カンガルーですが何か?」と通行人に言いながら車道を華麗にスキップしていった。そして「アイアムナンバーワン!フッフー!」と絶叫した。どこかのカイゼル髭のキノコ大好き配管工を彷彿とさせるハスキーな声であった。いや、愉快なり愉快なり。至極欣快襟懐欣快なり!われ跳躍して血の湧く覚ゆ!われ跳躍せずして某がわが快楽を示すべけんや?キャッホー!ぼくは、こうして、どんどん、イカレていった......というわけなのでアルファルファとアロンアルファってなんか似てない?(唐突)似てるよね!ね!(圧)
某金融会社が送った名うての刺客をなんとか避け、ビュルビュル民主共和国屈指の剣聖を何やかんや(説明が七面倒だから省きます、ラノベとかバトル漫画じゃないんだから、読者諸君が勝手に想像しやがれ!嵐にしやがれ(?)!)で薙ぎ倒し、そのへんの五歳児が舐めていたチュッパチャップスキャンディを脅して奪い取ったぼくは、五歳児の耳障りな泣き声をよそに目的地にたどり着いた。そこは、天下一武道会を開催していることでもお馴染みの会場。今日は、護庭鬼殺隊中忍ヒーロー認定試験が催されている。歓声が飢えが腹に響くが、とにもかくにも賑わっているのは確かだ。畜生。何か食べてから来ればよかったとぼくは二秒後悔した。胃液が逆流しそうだ。いやでも、今うちの冷蔵庫の中には賞味期限三年すぎた低温殺菌牛乳と、昭和五十四年の五円玉と黒豆四粒しかないから、どちらにしても腹いっぱいにはなるまい。まあ、その話は一旦置いておこう。とりあえず、この試験に合格さえすれば、ぼく、武闘王葉月の名前が......グランドラインにど派手に響き渡るのだ!そう思うと、心臓が急にコサックダンスをし始めた。おかしいな、ぼくの心臓はたしかコサックダンスよりもワルツを好んでいたはずだが......緊張しすぎて趣味嗜好が変わってしまったのだろうか?チキンめ!めっ!心臓に毛だけではなく、鳥肌も立ってしまったというのか!嗚呼情けない情けない!しっかりしろ!葉月......なんだっけ?あ!葉月詩埜47歳!(作者は18歳です)男一匹情けないぞ!(一応男です)祖国であるセネガル共和国に申し訳が無いとは思わないのか!(作者は日本と中国のハーフです)ぼくはこうして自分を勇気づけた。(ちなみに作者はコサックダンスもワルツも好きではありません。タンゴが一番好きです)
何やかんやで決勝戦(だから、重複となるがラノベとかバトル漫画じゃないんだから、経過なんかどうでもいいの!省いちゃうの!)に突き進んだぼくは、ロシア連邦代表、日本刀を自在に操る天才・ピョートル・コルサコフとの対戦に、今臨もうとしている!
「お主が、葉月か!よろしくってばよ!」
彼は陽気な挨拶をした。
「ああ、よろしく、いかにも、ぼくが、山田カトリーヌ花子である!」
「そうか......なら山田エリザベス花子!ゆくぞぉぉぉぉぉぉ!!」
「かかってこい!!」
葉月の勝利を信じて......!!
ご愛読ありがとうございました✧