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案外、僕の存在は知られていない!

作者: 七瀬



僕は14歳の時に重い病気で亡くなってしまった...。

元々、身体が弱く病気がちで寝込むことも多かった僕。


だから僕のお母さんは、僕に付きっ切りでお父さんも僕の心配ばかり

していた。




...でも、僕には5歳下の弟がいたんだ!

弟は僕をいつも羨ましそうに見ていた。


それでも、僕と弟は仲が良かった!

弟は毎日、僕の部屋に遊びに来てはたくさん僕とおしゃべりしたんだよ!

そのまま一緒に弟が僕のベットで寝る事もあったんだけどね、、、?

お母さんが夜、僕の部屋に入って来て弟を抱っこして弟の部屋に連れて行く。

こんな事が、毎日のようにあったんだ!




でも僕が亡くなってからは、お父さんもお母さんも亡くなった僕の事ばかり

で弟の事を見ようとしなかった...。



だから弟は15歳の時に家出をしてから、今も家には1度も帰っていない、、、!

弟は、寂しかったんだろうな~

僕が亡くなって、やっとお父さんお母さんが自分に少しでも向いてくれる

と思ったと思う...。


【それなのに、、、。】



結局、ボクじゃなく亡くなったお兄ちゃんの事ばかりだ! って思ったと思う。



だからね、、、?


『この時、僕は決めたんだ! 僕が弟の傍にいようと!!!』



ある時、弟が慕っていた兄貴的な人が弟にこんな事を言ったんだ、、、!


『修也! 実はお前に任せたい仕事があるんだが引き受けてくれないか?』

『...えぇ!? 仕事ですか兄貴、、、?』

『これは! お前にしか出来ない仕事なんだよ! 引き受けてくれるよな!』

『...兄貴、少し考えさせてください!』

『分かった! 明日までに答えを出しておいてくれ!』

『ははい、』




見るからにヤバそうな仕事だけど、、、?

修也は引き受けるのかな、、、?


それに、修也が兄貴と呼んでいるこの男もヤバいぞ!

僕が修也を助けてやらないで、修也を誰が助けるんだ!!!



次の日、、、。

修也はこのヤバそうな仕事を引き受ける事になった、、、!


【まあ、断れないんだろうな、、、。】



頑丈にロックされたカバンを渡される!


『修也! これを持って、あそこの喫茶にいる怪しげなグラサンをかけたおっさん

 にこのカバンを渡すだけだ! ほら? 簡単だろう、、、!?』

『......』

『じゃ~修也行ってこい~!』

『はい!』


兄貴は車の中から、修也があの男にカバンを渡すのを見ているだけ、、、!

この兄貴、なんて! ずる賢いやつなんだ!!!




いよいよ、修也がカバンを持って喫茶店の中に入った、、、。

そこには、あの男がいる!


ゆっくりと近づいて、あの男にカバンを渡すところで、、、!?


『警察だ! みんな手を挙げろ!!!』

『兄貴もこの男も修也も連れて行かれた、、、!』



取り調べが始まった頃、、、。


僕の出番だ!

修也は今まで罪を犯した事は1度もない、、、!

すべては、あの兄貴のせいでこんな事になっている!


僕は、警察官の思考の中に入り修也はなんも悪くないと植え付けた、、、!

案の定、、、修也は直ぐに出てこれた。




...修也は、警察署を出てこう思う、、、。


『もう、足を洗おう! それと実家に帰ろうと、、、。』



ここでも、僕の出番だ!!!


弟が3年ぶりに、やっと家に帰って来た!

この時も家では、お父さんもお母さんも僕の事を考えている、、、!


だから、修也の事を思い出させるように二人の記憶を呼び起こした!!!


【ピーポーン】


『はーい! どなたですか、、、?』

『......』

『修ちゃん! お帰り。』

『...あぁ、うん、ただいま...。』

『さあさあ~中に入って~!』

『...ううん。』



『修也! ずっと探していたんだぞ! ...でもお前が無事で良かった!』

『...お父さん!』

『本当にずっとずっと探して、、、。』

『...ありがとう。お兄ちゃんの部屋を見てもいいかな、、、?』

『もちろんよ~』




久々の家になんだか、ぎこちなさもあったけどホッともしている、、、!

本当のボクはずっと家に帰りたかったのかもしれない、、、!


そして、亡くなったお兄ちゃんの部屋。


ドアを開けると、、、?


『遅かったな~! 修也!』

『......お.お兄ちゃん、、、?』

『もう、僕の役目は終わりだ! 今度こそ! 修也、ちゃんとやり直せよ!』

『お兄ちゃん、ありがとう。』

『じゃ、ばいばい!』

『あぁ、』




今思うと、、、?

ずっとずっとお兄ちゃんは、ボクを見守ってくれていたんだろう、、、!

おかしな事がたくさんあったのに、すんなりと行っていたから...。


お兄ちゃんは、何時もボクの心配をしてくれていた!

ボクにとっては、優しいお兄ちゃんだったから、、、!


『ありがとう! お兄ちゃん。』





最後までお読みいただきありがとうございます。

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