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秘密の共有

7話は11/27の0時に投稿します

箱を開けたら日本人形が入ってて思わず素を出しちゃったよ。

何時かはばれるとは思ってたけど、まさかこんな手でばれるとは・・・。


「会った時からそうかなと思ってたんだけどようやく尻尾つかめたわ。

 ちなみにそれ本物じゃないんだな。

 それっぽく見せただけなんだけど引っかかってくれてよかったよ。

 苦労して作ったかいがあった」


言いながらエーリクは人形の服を掴むとその下は何もなかった・・・。

綺麗に丸くした布に顔を描いて糸で髪を作り、着物をつけて人形ぽっく見せた偽物。

近くで見れば杜撰な人形だが、パッと見は立派に見える。

まさかこんなものに騙されてしまうなんて・・・。

つまりわたしが単純すぎるって事!?

でも、誰でもいきなりありえないと思ったものを見せられたら驚くよ。

あの方法なら私じゃなくたってきっと同じ反応するはず!!


「エーリク様酷いです」


「いやぁ、だってな?

 どう考えても俺、お嬢ちゃん関係じゃないと物語に関係しないのにさ。

 お嬢ちゃんから情報を得ようにもいつも失敗するからさ。

 どうしてここまで隠すのか余計気になるっしょ。

 だからこれならいけるかなって試したんだけど成功するとは思わなかったな」


なんか悔しい・・・。

でも、前からってそんな事あったかしら?

私は記憶を遡って溜息をつく。

言われてみれば今までエーリク様に見せられたものって和風の小物だったり、和菓子だったりしたわ。

生前の記憶のなかった私には珍しいもので片付いてたよ。


「私が記憶戻ったの先月ですよ?

 それ以前にみせられても何も反応しないはずです」


「えっ!?マジで?

 だって最初会った時、我儘だったのに次に会った時はお淑やかになってるしさ。

 絶対に子供の頃から記憶持ちだって思ってたんだけどなぁ」


エーリクは驚いている。

言われてみればエーリクと最初に会った6歳の頃は私は物語の通りに我儘だった。

次にあったのは10歳位だったかな。

その時は既に王子の婚約者として我儘は控えるようになっていた記憶。

確か兄に色々注意され、家庭教師の元スパルタな教育の時期があったのよね。

でも、マスターすると兄からご褒美もらえるのが嬉しくて必死に頑張ってたわ。

あれ?これって飴と鞭ってやつ?

兄はこの頃から記憶が戻っていたって事かしら。

殿下に初めて会ったのは7歳で、確かこの時はお互いゲーム通りだった。

王子が変わったのは何時頃だろ?

10歳の頃に”隣国の言葉も覚えるべきだ”と言い出したからその頃なのかなぁ。

確実に2人とも記憶持ちだと思うけど、私の推測の域なのよね。

エーリクには黙っておこう。


「気が付いたら私もこうなっててびっくりでした。

 でも、原因が分からないのでしばらく様子見ようと思ってましたのに。

 こうも早くばれるなんて悔しいですわ」


「そうなんか。あ、今は言葉使いきにしなくてもいいぞ?

 俺もできれば堅苦しい言葉避けたいしな」


「エーリク様は最初から堅苦しい言葉じゃなかったと思いますよ」


「一応気を付けてるんだけどな。

 お嬢ちゃんには色々聞きたいことあるんだけど、今日はタイムオーバーだな。

 しばらくこっちにある店舗にいることになったからさ。

 学校帰りにでも寄ってくれない?」


「わかりましたわ。都合のいい日がありましたら連絡入れますわね。

 あ、できれば私が記憶持ちだという事黙っててもらえます?」


「別にいいけど。お嬢ちゃんを見たら大半は記憶持ちだって思うぞ?」


「でしょうね。それはそれでいいんですが、私を変えた人にはばれたくありませんの」


「あーなるほど。了解了解。

 じゃあ、ついでに俺の事も黙ってて?

 そのほうがこっそり動けそうだしな」


私の提案に、エーリクも納得する。

これで秘密を共同する仲間が出来たということになる。


5人目の記憶持ち発見。

それにしても順調に記憶持ちがみつかるけど、完璧にゲーム内容から離れてる展開になってるよね。

本当にどうなることやら・・・。


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