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ヒロインの兄 セシル

ブックマーク60超えました!!

ありがとうございます。


12/29:誤字修正

何故ここにセシルがいるのでしょうか。


「セシル何でここにいるの!?」


「それは僕のセリフだよ?

 カローラが公爵令嬢と共にどこかへ行ったとクルトが教えてくれた。

 とりあえず戻るよ」


「嫌よ。話終わってないもの」


カローラは連れて行こうとするセシルの手を叩き拒否の姿勢をとり、睨んでいる。


「約束を忘れたの?」


「うぅ。忘れてはいないわ。でも今は関係ないもの」


ちょっと視線を彷徨わせながらもカローラは答える。

そんなカローラにセシルは溜息をつくと私に視線を向ける。


「エヴェルス公爵令嬢。無礼を承知で言わせていただきます。

 我々には今後、必要以上には近づかないでもらえないでしょうか」


「ちょっとセシル!?何を言うのよ」


「理由をお聞きしてもよろしいかしら」


真剣な顔で言うセシルに私は理由を尋ねる。

理由がわからないのにはいそうですかと言う訳にはいかない。

でも、なんとなく予想はできる。

この世界はゲームとは違うけど、ゲームと同じようなことが起きてるのも事実。

昨日何故私と王子が襲われたのかはわからないけど、この様子ならイベントであるマーケットへの妨害が起きている可能性がある。

更にゲームの共通イベントでもあるマーケットでももしかたしたら私の名前で何かが起きてる可能性だってある。


「僕達は今、マーケットでお店を出しております。

 そのマーケットに今、貴族が嫌悪を示しているのはご存知ですよね。

 最近は嫌がらせを受けるお店見出ております。

 その時の破落戸達がある公爵令嬢の指示だといっているとの噂を聞きました。

 根拠のない噂ですが、僕達はなるべき無用な問題は避けたいのです。

 ですからカローラには近づかないで頂きたいのです」


「お断りします」


あれ?

答えたのは私ではないですよ。

隣にいるカローラです。


「子供じゃないもの。何が危険かは判断できるわ。

 アメリア様は選民思想の高い方じゃないもの。

 あの噂は出鱈目よ」」


カローラはセシルに視線を向けたままきっぱりと告げます。

カローラの気持ちは嬉しいけど、今回はセシルの言う事のが正しいです。

口では言ってないけど”僕達を巻き込むな”セシルはそう言いたいのだと思います。

それにしても予想通り、ゲームのイベント通りにマーケットでの嫌がらせは起きて私の名が出ていましたか。

マーケットに行かなければ問題はないと思ってたのが甘かったのでしょうか。

昨日の件とマーケットの件は同じなのか、それとも別なのかも判断はつきません。

でもドーラが絡んでるとしたらどういう事なのでしょうか。

これだけの破落戸を動かす力がドーラにはあるとは思えません。

でも、今私がするべきことはカローラと別れる事だ。

このまま共に行動すれば何れは巻き込んでしまう。


「カローラさん。貴女のお兄様のいう事が正しいわ。

 マーケットの事をよく思ってない貴族がいると言うのは事実ですもの。

 今日は私の話し相手になってくれてありがとう。

 それでは私は教室に戻りますわ」


そう告げて私は教室へと足を向ける。

カローラが何か言ってるのが聞こえるが、私は聞こえないふりをして教室へと急ぎます。

カローラとは少なくともこの件が片付くまでは離れるべきです。

この件が片付いたならまた友達になればいい。と自分に言い聞かせながら急いで歩いてた私は建物の角を曲がった所で驚きで足を止めました。


私達がいたのは裏庭の一角で校舎に戻るには道は1つしかありません。

そしてあの場所は死角な上に人も滅多に来ない知る人ぞ知る穴場で、内緒話するならここがお勧めと教えてくれたのは兄です。

ただし、防音はされてない場所だから周囲には気を付けてと言われてました。

周囲には気を付けていたのにまさかセシル以外にも人がいたとは・・・。

と言うよりこの場所をセシルが知っている事のが不思議なので、兄達が連れてきたという事でしょうか。

そう。今私の目の前には王子と兄が立っている。

今日はここにいない筈の王子と兄がいて、セシルがあのタイミングで来たという事は話は聞かれていたと思って間違いないでしょう。


「ミリー。昨日の件で確認したいことがあるから王城にきてもらってもいいかな。

 学校側には午後の授業は休むことは伝えてあるよ」


「わかりました」


何事もなかったように言う王子に私もいつも通りに答えたつもりですが、どこか強張ってたのかもしれません。

兄が何とも言えない顔をしてこちらを見ています。


これはついに来るべき時が来たと言うべきでしょうか。

私は覚悟を決めて王子達の後について馬車へ向かいます。


今後の事を考えると話すべきことはわかっています。

でもそれを話したら私と王子の関係はどうなってしまうのでしょう。

もう一緒に街へ行くこともないのでしょうか。


王城への道のりがこのまま永遠に続けばいいのにと思いながら私は場所にのりこみました。


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