閑話・王子の観察① アルフレッド視点
俺が記憶を思い出したのは5歳の時だ。
死神から早ければ5歳の時に思い出すと聞いていたから早い方なのだろう。
そして自分がアルフレット・カルスで第2王子と分かった時は頭痛がした。
めんどくさい。
正直な気持ちだった。
よりによって王子とかないだろう。
確か兄のクリスティアーンとどちらが王位を継ぐか争いが起きて、表は品行方正な王子様で裏ではかなり悪事を働いている悪役王子だ。
そしてアメリア・エヴェルスを手に入れるためならどんなことでもする男。
アメリアルート以外では王族追放だけで済むが、アメリアルートの場合は処刑される。
王族を追放されるのは構わないが、処刑だけは勘弁してほしい。
ゲーム補正はないと死神は言っていたから強制的になる事はないだろう。
だが、一番問題なのは王位争い。
記憶を思い出した俺ははっきりいって王位はつぎたくない。
死後の世界位まったりしたいのに何故国王とか重責な役をしなければならないのだ。
ここは早々に王位を継ぐ意思がないことをアピールしなければ。
そうだ!!
生前は海外旅行に行きたいと思いつつ結局行けずに人生終わってしまった。
せっかく王子と言う立場なんだ。
王族と言う立場を利用して外交関係の仕事に興味あるとアピールしておこう!!
いくら記憶を思い出したと言っても王族と言う仕組みを全く分かってなかった俺が外交の仕事に就きたいとアピールしても難しかった。
だが、ゲームでは仲の悪かった兄をなんとか懐柔して10歳になる事までにはなんとか将来は外交関係の仕事をつけるようになった。
ただ、俺を持ち上げて甘い汁を吸う予定の者達は諦めていないことも気付いている。
俺や兄上の元には暗殺者がたまにくるのがいい証拠だ。
王族とは本当にめんどうだと日々を過ごしていると父からお前達の婚約者を決めるから令嬢に会えと言われた。
王位を継ぐ気はなくても婚約者は重要だと言われてしまえば頷くしかない。
まだ候補と言う段階で決定ではないからと渋々お茶会の席に顔を出した。
その席には当然アメリア・エヴェルス嬢もいた。
ゲーム通り幼い頃も可愛いな。
けど、外見に似合わす高飛車な性格でちょっと残念だった記憶がある。
何故にゲームのお嬢様は高飛車が多いのだろうか
まぁ、将来を考えると近づかない方が安全。
そう思って俺はアメリア嬢には特に近づかないことにしていたのだが、アメリア嬢は何故か俺の側によってくる。
しかも全く高飛車でなく、親鳥の後をついてくる雛鳥のようだ。
何故に!!
さり気無く移動してもアメリア嬢は俺の後をついてくる。
しかも兄を避けるようにしてる気がする。
アメリア嬢を観察していると兄と目をあうと面白い位に固まっていた。
兄は人見知りと言うか人間不信と言うかまず壁を作ってから接する人だ。
確かに兄の表情は笑顔だがちっとも笑ってないんだよな。
よく子供であんな顔ができるよ。
と思っていると隣から”こわい”とポツリ呟くアメリア嬢の呟きが聞こえた。
どうやら本能で兄を怖いと認識してしまったようで、その後も会う度にアメリア嬢は俺の側ばかりに来る。
他の令嬢は争うように兄の側にいっているのに。
これはアメリア嬢が敏感すぎるのかそれとも単に令嬢達が鈍感すぎるのかどちらなんだろうかと俺は思うようになっていた。
本能で怖いと思ってる者の側に行けと言うのも可愛そうだし、アメリア嬢は隣国の言葉や歴史も勉強しているようで、お互いどんなことを学んでいるのか話すのも楽しくてついついかまってしまっていた、
そんな日が1年近くになった頃、俺とアメリア嬢の婚約が正式に決まったと父上に言われてしまった。
その言葉に俺は焦った。
ゲームでは俺も兄にも婚約者候補しかいなかったのに!!
エヴェルス公爵は国にとっても重要な貴族の1つだ。
この令嬢と婚約なんてしてしまったら絶対にまた俺を次期王にって言うやつが出てくるはずだ。
というか俺が公爵令嬢だと兄の婚約者は誰になるんだ!?
「兄上の婚約者は誰に決まったのですか?」
「隣国のエリアーヌ姫よ」
はて?
婚約者候補には居なかった名前だ。
母が言うには初めて会った時からずっと文通をしていた仲で実は婚約者候補が出る前からエリアーヌ王女との話はでていたらしい。
実を言うとこれは俺の婚約者を決めるのが目的だったらしい。
兄は既に隣国の王女と内定状態だったので、令嬢達がどう動くかを試すために兄と俺の婚約者選びと言う形になってたらしい。
結果、アメリア嬢以外は俺に来ることはなかったのでこれ以上は無駄だと判断して決まったそうだ。
全く知らなかった話に驚く。
確かにゲーム補正はないと言っていたがこれはどういう状況でこうなったんだと悩むが原因はわからなかった。
正式に決まってエヴェルス公爵にも足を何度か運んだが、アメリア嬢と仲が良くないと言う設定だった2人は仲のいい兄妹になってるし、俺の知るゲームとは違っていて驚く日々だった。
それでもアメリア嬢と話すのは楽しく、俺はこの頃からミリーと呼ぶようになった。
ミリーが12歳になったある日、”明日は街に行くのよ”と話してたのを王宮に戻ってから思い出して気づいてしまった。
確か幼き頃に実はあっていたというイベントがミリーが12歳の街に買い物に行った時に起こるはずだ。
今迄もゲームのようなことはあまりおこらなかったと思う反面、もし起こったら?と俺は悩み、ミリーが買い物に行く日にこっそり城を抜け出してミリーが行くと言ってたお店の側まで行くと何故かミリーが1人で歩いててその後ろにいかにもな男が歩いてるのがわかる。
まずいと思って俺は1人飛び出していくが、かけつけてきたミリーの兄のディックに結局俺まで助けられる事態になってしまった。
ディックにも怒られ、お忍びで街に出たことで両親や兄にまで怒られ散々な1日になってしまった。
でも、この事件がきっかけでディックとは記憶持ち同士という事で親友となった。
1話でまとめきらなかったので次も王子視点のお話です




