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デートイベント?

今日の日の曜日はなんと王子と街デートです。

と言っても見えない位置に護衛さんがついてますけどね。


しかも貴族街じゃなくて平民街でのデートなのです。

馬車でもなく歩きなので色々な意味で楽しみです。


やはり記憶を思い出したからにはこちらの街並みのが馴染み深いですね。

おいしそうな匂いもしますが、立場的にまずいですよね。

くぅ。気にせず食べ歩きが出来るカローラが羨ましい。

と思ってた私はある店に目が留まりました。

アイスの上にソースやジャムで手際よくあっという間に絵が描かれていく。


「最近、流行ってるお店みたいだよ。ミリーも食べたいかい?」


「いえ、今回はいいです。でもすごいですね。

 あっという間にアイスの上に絵が出来上がるなんて・・・」


「ミリーは絵心ないからね」


「アル、ひどいです!!」


軽くすねる私に王子は笑うだけです。

ちなみにミリーは王子だけが使う私の愛称です。

親しい者達からはリアと呼ばれますが、王子は同じは嫌だとミリーと呼ぶんですよ。

ちなみに私はアルと呼ぶことと言われています。

最初は様付しないなんてと拒否してたんですが、その度に起こる王子とのやり取りに疲れ果てた私は降参して2人きりの時だけアルと呼ぶという事で決着がついたのです。


それにしても何だろう。

私があのアイスに目を止めたのは綺麗だからと言う理由だけではないのよね。

何かが引っかかったと言うかどこかで見た光景な気がするんだけど、でもどこで見たんだろう。

と考えてた私の目に入ったのはカップルが1つのアイスを食べあう姿でした。

それを見た瞬間私は電撃が落ちたかのように思い出した。


『見てください、アルフレッド様。

 あちらが今はやりのアイスアートですよ。

 ああと言う間にアイスに絵が描かれてしまうのです。

 すごいですよね。しかもおいしいんですよ。

 楽しめて美味しくてお買い得だと思いません?』


そう王子の腕を掴みながら笑顔で告げるヒロイン・・・。


そっか!!

デートイベントであのアイスクリームを食べるスチルがあったんだ!!

確か仲良く1つのアイスを2人で食べてるスチルだったよね。

デートイベントではアイスクリームの他にも色々なお店を見て回って、お揃いのペンを買うのよね。

そしてデートの最後には王子とはぐれてしまったヒロインがごろつき達に襲われそうになったところを王子が助ける定番イベント。


「・・リー、ミリー?」


「え?」


「突然ぼんやりしてどうしたんだい?やっぱりあのアイス食べたかった?」


「いえ。いろいろお店があってすごいなっておもってただけですわ」


慌てて笑顔で答えてなんとかごまかす。

王子は怪訝な顔をしながらも”欲しいものは遠慮なく言ってね”とデートを再開。


危ない危ない。

イベントを思い出してトリップしかけたよ。


ゲームを元にした世界なのだからゲームで出たお店があってあたりまえだよね。

私はヒロインじゃないからスチル絵のようなことは起きないだろうし、ごろつき達も悪役令嬢が指示したものだから今回は関係ない。


せっかくだもの楽しまなくちゃ。





そう思ったのがいけなかったのでしょうか・・・。

私は今、ごろつき達にかこまれているのです。


アイスクリーム屋を見た後も色々なお店を見て回り、楽しんだんですよ。

かわいい小物やぬいぐるみなど生前に負けないくらい可愛いものがありすぎて幸せなひと時でしたとも。


この状況を招いた理由はキョロキョロしすぎて王子を見失ったとかじゃ決してないのですよ。

強いて言うなら私も王子もこの平民街についてうとかったということでしょうか・・・。

特定の時間になると一部の区間で荷物を運ぶ荷車が勢いよく通るのが平民街での通常なんだそうです。

荷車がすごいという事は聞いた事あるのですが、聞くと見るのは大違いでした。

あまりの勢いに私達は離れ離れになってしまったんですよね・・・。

迷子になったら動き回るなって言うのがお約束です。

なので、すぐそばの目立つお店の前に立つことにしました。

ここなら目立つし人目もあるし問題ないと判断したんですよ。

そしたら突然、腕を掴まれて抵抗も声を出す間もなく路地裏に引っ張られ今に至ります。

あっれ?

デートイベントでごろつき達は悪役令嬢に依頼されて襲ったんです。

悪役令嬢は私のはず?

おっかしいな。

当たり前だけど、私はそんなことするわけがない。

ってことは誰かが私の代わりをしてるって事?

でも、私を襲って得する人なんているのかな・・・。

それか単純に身代金目的?


相手は今すぐ刃物を抜く気配はないけど油断は禁物だよね。

ごろつきは5人。

うち1人はひょろりとした狐顔。

如何にも悪人って感じの人です・・・。

ここで私ができる事は時間稼ぎでしょうか。


「この私に5人掛かりで一体何の用ですの?」


高飛車に傲慢に如何にも悪役令嬢って感じで私はならず者達に言い切りました。

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