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嬉しいお誘い

後日、カローラにエリークを紹介しました。

2人とも初めから猫かぶりをやめて本気の商売モードで話し合ってましたわ。

わたしはただただ傍観するばかり。

さすがに勝負?はエーリクが圧倒的強さで勝ってました。


「必ずYESと言ってもらいますわ」


「おう。如何に俺にメリットがあるのか納得する話をしてくれ」


終始こんな感じで話し合う2人でした。

次回は私参加しなくていいですよね?

って感じです。


カローラはエリークを納得させるために色々調べたりして日々楽しそうです。

口では大変と言ってるけどその顔は笑顔です。

理由を聞いてみると


「商人って憧れてたのよ?しかもゲームの世界でできるなんて最高じゃない!!

 ゲームと違って失敗したらやり直しができないけどね。

 だからこそ慎重に行かないとって今回改めて思ったわ。

 ふふふ。絶対に有名な商店を築いてみせるから見ていなさい」


そう高らかに宣言するカローラの日々は充実そのものです。

はっきり言って羨ましい。

私は未だに自分の将来を決めかねているわ。

記憶のない私が築いたレールをそのまま歩くのも悪くないとは思っているのです。

カローラと違って私は特にやりたいことも目標もありません。


でもそれは本来のわたしを隠して過ごしていくという事。

しかもそれは時間が経てば経つ程、悪化するのは目に見えてます。


生前では英語すらまともにしゃべれなかったのに今では複数国は喋れます。

記憶を思い出す前の私は王子の為にとひたすら語学を学びました。

王子の側で語学を生かして手伝っていきたいと思うのは今の私も同じです。


でも、私は王子をどう思っているのだろう。

王子も私の事をどう思っているのだろう。

王子は私が記憶を思い出したことを知ったら、離れて行ってしまうのではないかしら。


そんなことをもんもんと考えていた私は側に人が来たことに全く気付きませんでした。


「アメリア様?」


「え?」


考え事の海に沈んでいた私は名前を呼ばれて思わず反射的に顔を上げてしまいました。

まずい、絶対に間抜け面だ。

慌てて何時もの表情を作り相手を見るとティナが立っていました。


「ごきげんよう、アメリア様。

 申し訳ありません、深刻そうな顔をしてらしたのでつい声をかけてしまったのです」


「ごきげんよう、ティナ様。

 まあ、私そんなに深刻そうな顔してました?

 少し考え事をしてただけですのよ。

 ティナ様こそどうなされたのですか?」


笑顔で何もない事を告げ、隣にフランクがいないことに気付きさり気無く話題を変える作戦にでました。


今は放課後。

私は入学式の時に見つけた東屋にいます。

ここ何気に人気のない穴場と気付いてから考え事スポット第2の場所にして時たまここで本を読むふりをしながらいます。

あ、たまには真面目に本も読んでますからね。


「フランク様は今日は王城へ騎士の訓練にいかれました。

 私はちょっと考えたいことがありまして・・・。

 あの、アメリア様。もしよければ私のおしゃべりにつきあってもらえませんか?」


「もちろんですわ。よければティールームでお茶をしながらにしません?」


私の提案にティナは頷き、2人でサロンに向かいます。

食堂の奥に共有のティールームがあるのですが、私達が向かっているのは食堂の2階にあるティールームです。

2階のティールームは個室で本来ならば事前に予約の必要がいるんだけどね。

空いてれば利用可能なのです。

案内された部屋は可愛らしく眺めのいい部屋でした。

初めて利用しましたが学園にこんな場所があったなんて知りませんでした。

隣でティナも驚いているのが分かります。


「ティナ様もはじめてですか?」


「ええ。噂には聞いていましたけどもここまでとは驚きですわ」


同感です。

私の部屋よりファンシーな部屋じゃないでしょうか。

以前兄に聞いた話によるとサロンの個室はそれぞれ部屋の飾りが違っていて人によって案内される部屋が違うんですって。

他にどういう部屋があるのか気になるところですが、兄もそこまでは詳しくありませんでした。

目的通りの部屋に通すからこその予約制なので、品行が悪い生徒はたとえ貴族であっても使う事は出来ません。

でもこれだけ可愛い部屋なら令嬢達から毎日予約があってもよさそうなのにと思うのですが、誰が何時利用したか記録が残って、頻繁に使う生徒はチェックされ、使用内容に問題ないか調査されるそうです。

過去実際にここで悪事の計画を頻繁にしていた生徒がいて、未然に捕まったという話もあるそうです。


そんなに使う事もないですし、私には問題ないです。


そ・れ・よ・り・も!!


ティナと可愛い部屋でのティータイム。

くぅ。ゲーム内でNo1と言ってもいい可愛い娘とお茶です。

同性だってうれしいものですよ!!


さぁ、楽しいティータイムの始まりでっす!!


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