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ヒロイン カローラ

12/9:エーリクの名前が間違ってましたので修正しました。

「ごきげんよう、カローラさん」


笑顔で答えますが、内心はどきどきです。

何故ヒロインがここに!?


「あの、知ってたら教えて欲しいことがあるのです」


「何かしら?」


「”時の街”について」


カローラの言葉は予想外でした。

単刀直入にも程がありませんか!!

ヒロインは今の所攻略してる気配なし。

今後の事を考えるにも情報が欲しいところ・・・。

虎穴に入らずんば虎子を得ずと言いますものね。

ここは大勝負に出てみましょうか。


「ここで話す内容ではないわ。自習室へ行きましょうか」


私の言葉にカローラも頷き共に自習室に向かう。

自習室は図書室の奥にあり、誰もが使える個室になっている。

誰が使っているかは見えるが、防音効果はされている部屋なので、聞かれたくない話をするにはもってこいの部屋です。


「それで何がききたいのかしら?」


空いている自習室に入り、椅子に座ると同時に視線をカローラに向けると満面の笑みでこちらをみています。

何故満面の笑みなんでしょうか・・・。


「よかった!!やはりアメリア様は記憶持ちなのね。

 アメリア様達の性格が何方も違ってるから賭けに出てんだけど正解だった。

 あー。弟以外でようやく見つけることが出来て嬉しいよぉ」


テンション高めに一気にそう言う様子に私はびっくりです。

今の話からするとセシルも記憶持ちって事なのかしら?

とりあえず落ち着いてもらって話を聞いてみる事にしました。


話をまとめるとヒロイン兄妹は生前も双子であること。

本来ならば生前の自分の事は覚えてないのだけでも特例で自分達が双子だったことだけは覚えているんだって。

それでこの双子は乙女ゲームだけども商売のシステムにはまってしまったらしく恋愛の方は商品追加の為に必要でクリアしたから内容はほとんど覚えてないらしい。

2人とも10歳の誕生日に同時に思い出してそこから今回に向けて準備を始めて今に至るみたい。

だから現在は2人してリアル商売で”目指せ大商人”を目標に頑張り中だとか。

ゲームとは違って大変だけど日々充実してます。

とカローラはきらきらのエフェクトが入りそうな笑顔で言い切りました。


ゲームではクリアすると商品アイテムは引き継いで次の週をスタートできるけど、現実はそういう訳にはいかないから色々駆け回って品物集めや販売を楽しんでるようだ。


「はっきりいます。恋愛関係は、誰と誰がくっつこうが興味ありません。

 だけどエーリク様を紹介してください!!

 あの方の協力があると今後の商売が大きく変わるんです。

 でも、エーリク様の出現ポイントって私がいけるところないんですよぉ。

 なので、初対面でこんなこと頼むのは失礼なのはわかるけど、協力してくれませんか」

身を乗り出すように熱くカローラは語る様子に私はタジタジです。

まぁ、ゲームでもエーリクには私の紹介がないと会えませんしね。


「1つ確認してもいいかしら?

 それは恋愛と言う意味での紹介?

 それとも商売としての紹介ってことかしら?」


「もちろん商売です!!」


本当に商売しか頭にないようなカローラの発言にびっくりです。

ヒロインだけあって容姿は綺麗なのに残念な気がします。


「私が勝手に決めるわけにはいかないわ。

 明日エーリクに会う予定だからその際に聞いてからでいいかしら。

 でも、1つだけ条件があるの」


私の言葉にカローラが初めて真面目な顔で私に視線をよこします。


「これからも話し相手になってほしいの。

 可能ならば友達になってほしいわ」


そう告げる私の言葉に再びカローラは満面の笑みを浮かべます。


「もちろんです。大歓迎です!!

 エーリク様の件もお友達の件もよろしくお願いします!!

 アメリア様もよければマーケットに来て下さいね。

 それでは今日はお時間ありがとうございました」


そう告げるとカローラは慌ただしく部屋を出ていきました。

もっと攻略対象や今の情報の交換をしたかったのに、聞く間もなかった・・・。

まぁ。今後も話す約束はできたし、その際に聞けばいっかな。

そう考え、私も今日は考え事は中止し帰る事にしました。

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