図書室にて
12/9:エーリクの名前が間違ってましたので修正しました。
今日は図書室にてまったり読書中です。
と言うのは表向きで考え事をしています。
本はさっきから全然進んでいません。
私が記憶を思い出してそろそろ3ヶ月になるので今後の自分について考えようと図書室に来たんですよね。
家で考え事してると何かあったのかと周りが心配するんですよ。
何でもないと告げてもメイドも執事もオロオロするのでこちらがびっくりでした。
なので学園の図書室でなら本を読んでるだろうと思われると思って来たわけです。
ゲームの世界とは全く違う世界。
学園始まってから乙女ゲームのイベントは発動していないように見えるんです。
何しろヒロインは商売に夢中のようでセシルと共にマーケットの経営について熱く語っているのを食堂で見たことがある。
あそこまで商売について熱くなるのもすごいなとみていると幼馴染のクルトが2人の仲裁に入って今度は3人で色々と話しているようでした。
クルトが第3者としての意見を2人に話してそれを2人がまとめているように見えましたね。
人伝に聞いた話だと、あの兄妹がマーケットで出しているお店はかなり人気らしい。
セシルの方はパスカルの研究室であの後、再度遭遇して初めて言葉を交わしましたよ。
その時のパスカルが不思議そうな顔をしてたは何故だったのでしょう。
それは今はおいておいて、私はヒロイン達3人とはほとんど接触のない日々を過ごしている。
王子と兄は相変わらず忙しそうにしいている。
どうも学園内以外の事でも動いているようなのだけど、詳しくは教えてくれないのよね。
ただ、学園内で王子と一緒にいる機会が少ないせいか私達の不仲説が噂になっているととある令嬢に言われたことには驚いた。
その令嬢は婚約者候補の1人だったのでどうも諦めきれてないみたい。
運よく王子が通りがかりなんとかなったけども、その翌日から私達は共にお昼を共にすることにしている。
この噂を私が知ったのは令嬢に言われてからなんだけど、入学してしばらくしてからそんな噂があったらしくいつの間にか大事になって陛下達の耳にも入っていると聞いた時には驚いたよ。
陛下達は私達が日の曜日には仲良く過ごしているのを知っているので、噂は気にしてないけど何とかしろって事で緊急対策にお昼を共にすることになったのはいいねだけどね。
ただ一緒にとるだけじゃ誤解は解けにくいだろうと王子のとった行動はカップルの定番?”あーん”でした。
突然の事に何が起こったのかと思いましたよ。
思わず固まる私とにこにこ顔の王子と周りからの視線。
顔が赤くなるのを感じながらも頑張りました。
その後も王子からの甘々展開に私はなんとか乗り切りましたよ!!
いやぁ、見られてる中でやるのって恥ずかしいじゃないですか。
なので仕返しとばかりに王子に”あーん”攻撃をすれば笑顔でどうどうとしています。
負けました・・・。
そんな私達のお昼光景に噂は消えていったけど、例の令嬢からの視線が強くなった気がしてなりません。
以前は兄について聞かれながらのお昼でしたが、今は王子とのイチャイチャ?お昼。
どちらが私にとって平穏だったのだろう・・・。
ちなみに兄と王子はいつも生徒会で過ごしていたようだ。
その理由は昼休みにあれこれかこまれるのが面倒だという理由らしい・・・。
今は兄は1人で生徒会室でお昼を取っている。
一緒にっていったらそれじゃ意味がないでしょと言われてしまった。
確かにそうだと思ったのだけども後で小耳にはさんで知った事は私をさらに驚かせましたよ。
兄と王子ができていて私は隠れ蓑って噂もあったらしいのです・・・。
うん。びっくりでした。
死後の世界でも腐女子は健在のようです。
ティナとフランクのカップルはドーラがいなくなってからほのぼのと2人の世界。
目の保養だとこっそり観察している私です。
他人の甘々光景を見るのは大好きです。
ティナとはドーラの件以降、仲良くしています。
ゲーム内ではアメリアとティナに接点はなかっただけにこれは嬉しい展開。
この点だけはドーラに感謝してもいいかもしれない。
ユリウスとユリアナは相変わらずの日々みたいです。
こちらとは全く接触していないので詳しくはわからないんですけどね。
エーリクとパスカルとは定期的にあってるけどこちらは変わらずって感じかな。
ただ、パスカルには学園での事をよく聞かれるようになりました。
特にセシルについて聞かれるのですが、何でだろう?
謎です。
エーリクとは茶飲み友達と言った感じです。
彼は私が記憶持ちだと知っているので、本音が言える相手となっています。
記憶持ちだと憶測も含めてわかっているのが私いれて5人。
あと5人は不明だけどもこのままでも問題ないかなと思う日々になっている。
そして今、私が一番悩んでいるのは自分の事。
記憶を思い出した時点で既に王子とは婚約者になっていた。
王子が嫌いと言うわけではない。
記憶を思い出す前のアメリアの記憶を見ても王子の事は好きだった。
実際に記憶を取り戻してから話をしても話しやすいし、一緒にいて楽しい。
ゲーム内での俺様王子はあまり好きでなかったけど、今の王子にはとっても好感ももてるのよね。
あの甘々展開だけは勘弁してほしいのだけども・・・。
その点を抜かしても、今まで以上に他国の言葉や歴史を学んで役に立っていきたいと言うのは私の本音で間違いない。
ただ、恐れていることがある。
王子が記憶持ちなのは間違いないと思う。
その王子が好きなのは記憶を思い出す前の私なのだろう。
そうなると記憶を思い出したとしってしまった王子は私の事をどう思うのか。
ばれてしまえば今の関係ではいられなくなるのではないか・・・。
今はまだ以前と同じように振舞っているから嫌われてないけど、何かの拍子にばれたらどうなってしまうんだろう。
早くに思い出したことを告げて嫌われるべきなのか。
それとも言わずに黙っていくべきなのか。
どちらがいいのだろうかと悩んでいるとふと人の気配を感じて視線を上げて思わず固まってしまった。
「はじめまして、アメリア様。
突然声をかけてしまって申し訳ありません。
私、ザーラット商会の娘でカローラと言います。
もしよければ少しお話をよろしいでしょうか」
そう笑顔で私の前に立ったのはヒロインであるカローラだった。




