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プロローグ

今回もよろしくお願いします。

2話目は11/23 0:00に投稿します。


11/23:誤字と死亡年齢と理由を変更しました。

「あなたのこれまでの生き様を見させてもらった結果、

 あなたの死後は”時の街”の世界になります」

「・・・はい?」


目の前のフード付の黒いローブを着た死神の男の言葉に私の頭は疑問だらけになる。

ここは死者の審判所で、死神達が記憶を見て死後の行先を決める場所。

私は今は10代の姿だけど、風邪を拗らせ気が付いたらここにいたというアラフォー。

独り暮らしで孤独死だったけどその人生は平々凡々だったといえる。

友達がいないとかじゃなくて大型連休でみんな旅行に行ったり、家族サービス中でSOSを求められなかっただけで、連休が終わったら私の存在に気付いてくれるはず・・・。

タブん。そうであると信じたい。

家族は遠方にいるし連絡取っても、”結婚はまだか”としか言われないので最近は連絡すら取っていなかった。

完全な親不孝者でこれじゃ地獄行きかしらとどきどきしてたのに・・・。

天国か地獄の2択になると思ってた私の死後は”時の街”。

”時の街”って何ぞ!?一体全体どういうこっちゃ!?

訴えるように死神を見るときょとんとした感じで死神はこちらを見てくる。


「”時の街”覚えてないですか?」


混乱している私に死神が聞いてくるが、”時の街”ってそんな地名聞いた事ないと記憶を探る。

その中で1つヒットする物があったけど、これって・・・。


「まさか・・・。ゲームの?」


記憶を探ってヒットしたのは数年前にやっていたゲームである。

時の街~あなたに愛を~と言う乙女ゲームだ。

そう考えてると死神がうんうんと頷いている。


「正解です。そのゲームが舞台となった世界があなたの死後の世界になります」


「な、なんで!?天国と地獄の2択じゃないの?」


「最近、天国か地獄行きかはっきりしない人生を送る人が多いんですよねぇ。

 そういう人にはゲームとか物語の世界を元にした世界にいってもらうんです。

 ある意味テストですね」


いやいやいや。

だからってゲームの世界が死後の世界ってどうなのよ。

しかもテストってどういう事なのさ!!


「物語の世界でどう生きたかで次の人生が決まります。

 普通は場所も告げずに適当な世界に送り込むんですけど、

 あなたの場合は記憶持ちの資格があるので簡単に説明をします。

 あなたが”時の街”経験で良かったですよ」


「記憶持ち?」


「ええ。生前の記憶を持ったまま死後の世界に行けるんです。

 ただ、記憶と言っても覚えているのは知識だけです。

 個人の事はほとんど覚えてない状態で死後の世界に行ってもらいます」


「それってゲームの情報や生活習慣は覚えているけども、

 私がどこの学校行ってどう生きたかは覚えてないってことです?」


「そんな感じですね。

 記憶持ちの条件は教える事が出来ないので、この件の質問は受け付けません。

 ”時の街”の記憶持ちはあなた含めて10人決まってますが、その理由は様々ですよ」


「10人も!?」


「ええ。でも気を付けてくださいね?

 ゲームの世界と言ってもそこは現実ですからゲーム通りとは限らないですし、

 強制的にイベントが発生する事は全くありません。

 どのタイミングで記憶を思い出すかはあなたの日頃の行いが反映されますが、

 5歳から物語が始まる直前迄には思い出します」


死神の説明に頭が痛くなってきた。

それにしても死んでからなお人生を送るってそれって死後の世界っていえるのかしら。

悶々と考えている私を余所に死神は書類を作成しながら言葉を続ける。


「死後の世界ですから排泄機能はなし。

 お風呂に入らなくても毎日清潔。

 あーでも、食べ物だけはきちんと食べてくださいね。

 それと死神にとって唯一の娯楽ですから、様子を眺めさせてもらいますよ」


「なっ!!全て見られるってことですか?!」


いくら死者とはいえ監視されながら生活は嫌だ!!


「あー。私達が見ることできるのはゲーム期間だけなんです。

 主に学校と街が中心ですので個人の部屋を覗いたりはしませんよ。

 それに常に見てるってわけではないですから。

 プライバシーは尊重されますよ?・・・タブン。

 それにテストって言ったでしょ?

 見ないわけにはいかないじゃないですか。仕事なんです。」


仕事で仕方なく見るんですよと死神は言うが、その顔はとても楽しそうだ。

しかもプライバシーは尊重されると言いながらタブン付きだよ。

死後の世界ってこんなにとんでもないのか・・・。

それにしても10人も記憶持ってる人がいて記憶を思い出す時期はばらばら。

あれ、それって・・・。


「ゲーム始まる前にゲーム内容を覆すような事態になったらどうするんです?」


10人もいて早いと5歳から記憶持つ人がいれば未来を変えようとする人がいてもおかしくはない。


「確かに記憶持ちの方はゲームに関係する登場人物になってもらうので、

 そういう事態も起こりうるかもしれませんね。

 まーその時はその時です!!」


随分アバウトだな。

それでいいのか死後の世界。

説明聞いてるだけで色々突っ込みたいことはあるんだけど、何から突っ込むべきかと考えていると書類を作成し終わった死神が書類をまとめながら告げた。


「”時の街”は最近知ってる人がいなくてようやくの10人目なんです。

 我々も楽しみにしてたんですよ。

 それでは、死後の世界をお楽しみ下さい♪」


「え?ちょ、きゃーーーーーー」


まだ聞きたいことあるのにーと私が言う前に足元がパカッと割れ、私は落ちた。


だから死神が私を見送りながら呟いた言葉は私には届かなかった。


「記憶持ちの条件は本当に様々なんですが、

 あなたの場合はこの結果次第では次に生まれ変わることができるかのテストです。

 何があなたにとって幸せかはわかりませんが、頑張ってくださいね」



誤字脱字などありましたら連絡ください。

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