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前編

 神様のミスで間違って交通事故に会い、死んでしまった俺は異世界に転生する権利をもらった。向うで生きていけるように便利なスキルも授けてくれるらしいので俺は迷わず異世界行きを決意した。

 その世界には魔法が存在し、冒険者ギルドや奴隷制度があったりモンスターが出る世界らしい。奴隷制度があると聞き俺は歓喜した。俺は30年間生きていて彼女ができたことは一度も無く、ブサイクでかつ親しみも持てない顔で話もまったく面白くない。そんな俺はわずかでもモテたことすら無かった。そんな俺でも奴隷を買うことで女の子とイチャイチャできる。この世界では犯罪な年齢でも異世界なら問題ない、ロリコンの俺の欲望がかなってしまう。我ながらゲスである。


 交通事故により俺の身体はいろんなところが潰れているため、転生するにあたり身体は神様が新しく作ってくれることになった。


 で、異世界についてみると俺の身体はどう見ても女の身体だった。


 水面に映った自分を見てみると16歳ぐらいの少女が映っていた。茶色がかった髪が肩まで伸び、顔立ちは絶世の美女と言えるほどではないが十分可愛らしいと言えるものだった。胸の二つの丘はしっかり自己主張しており、股間には今まであったはずのものがなくなっていた。


 転生してすぐは神様と交信できるので、どうなっているんだと聞いてみると、

「身体の創生はそっちの神様にお願いしたんだけど、性別がちゃんと伝わってなかったみたいだ。悪いけど一度作ってしまったものは変更はできない。諦めてその体で二度目の人生を過ごしてくれ。違う性を経験するのもまあ悪くないと思うぞ」

 とのこと、そんな簡単にあきらめられるか! 俺はもう二度と童貞を卒業できなくなってしまったんだぞ。


 それから1年いろんな苦労があったが俺はがんばった。前世でもこんなに頑張ったことは無いんじゃないかと思えるぐらいがんばって俺は上位の冒険者になり大金を稼げるようになった。なぜそんなにも頑張ったのかというと、まだ俺は女の子の奴隷を買うことをあっきらめていないからだ。女の身体に変わってしまっても自分だけのかわいい少女が欲しいという欲望がなくなることはなかった。

 しかし、最初は本当に苦労した。下着のつけ方や排泄方法など新しい身体に慣れるのに随分時間がかかった。それに初めて月のものが来た時の混乱と恥ずかしさは一生忘れることはできないだろう。

 それに、冒険者稼業のほうも最初はなかなか稼ぐことができずその日暮らしが精いっぱいだった。奴隷の値段はピンからキリまであるが、性奴隷用の若い女性の値段はとてつもなく高く絶望的な気分にさせた。

 しかし、俺はあきらめない、急がば回れと戦闘用の男の奴隷(安めの)を買いパーティーを組み、収入アップを目指した。スキルを使いこなし経験を積み収入を上げ、手に入れたお金で強力な装備を買いさらに高い収入を目指す。途中失敗することや命の危険にさらされることもあったが、1年かけてようやく大金持ちになることができた。

 まあ大部分はスキルのおかげだろう。ちなみに俺が神様からもらったスキルはこの3つだ。


 剣術

 探索

 罠解除


 剣術は剣さえ持てば素人の俺でもモンスターと戦うことができたし、鍛えれば剣を持っているだけで身体能力が大きく上昇した。

 探索は迷宮で道に迷わないだけでなく罠や隠し部屋を見つけることができる。他にもモンスターを見つけることができるので、モンスターを避けることも先に発見して不意をついて奇襲をかけることもできる。

 罠解除は罠を解除することができるだけのスキル。実はこのスキルが一番金を生み出すことになった。この世界には迷宮があり、そこからは希少な鉱石やアーティファクトを採取することができる。アーティファクトは古代の魔道具でものによっては高額で取引される。罠の多い迷宮は人が入ることが少なくそれだけ多くのアーティファクトを見つけることができる。探索と合わせて使うことでものすごく有用なスキルになっている。


 男の戦闘奴隷は二人。

 一人はピート、ヒョロッとした16才の少年で身体能力は低く値段も安かった。割と器用だったので罠解除の助手や雑用、家事に使っている。戦闘時は槍を持たせて、モンスターから離れて攻撃させている。

 もう一人はゲルト、こちらは18才。ずんぐりむっくりした体型で背は低め、足は遅く戦闘の経験もまったくないが力は強い。値段は普通だった。盾と斧を装備させて基本ガード役にしている。大弓を練習させると時間はかかったが習得することができ、俺の探索と組み合わせることでモンスターを先に発見したとき一撃目で仕留めることができるようになった。


 ____


 とある王都の娼婦街、俺はそのうちの一軒に入っていった。俺が今一番夢中になっている女の子マリリンちゃんが俺を出迎えてくれた。

「ひさしぶり、イズミ様。会いたかったわ」

 ちなみにイズミとは俺の名前だ。

 え、奴隷を買うのが目標なんじゃないのかって? いや1年間ずっと頑張るわけではない。たまには自分へのご褒美が必要なんだ。何軒もの娼館が立ち並ぶそこには幅広いニーズに応える娼館もあり、女性客もOKだという店もあるのだ。週に一度の楽しみであり原動力なのだ。貯金もしなくてはならないし装備も整えなければならないので毎日は来れない。


 マリリンちゃんの豊かな胸に顔をうずめて疲れを癒す。冒険者稼業はときに嫌な気分を味わうこともある。マリリンちゃんは俺の一週間分のストレスを吹き飛ばしてくれる。

「はあ~幸せ~。マリリンちゃんの胸は相変わらず柔らかいな~」

「うふふ、イズミ様はそれ好きですね~」

 この娼館は割と高級志向の店で部屋にお風呂もついている。マリリンちゃんのお胸を堪能した後は一緒にお風呂に入り、その後ベッドインし朝までがいつものコースだ。ちなみに終始マリリンちゃんペースである。

 今日もじっくりたっぷり全身を攻められて俺はベッドにぐったりと横になっている。

「はぁ~~~ふぅ~~~あいかわらずマリリンちゃんすごすぎ…」

「イズミ様もかわいかったですよ。特に声が可愛らしくてついついやりすぎてしまうんですよね」

 最初のころはアンアン言わせてやるぜ!グヘヘヘと思っていた。自分自身でいろいろ練習したので自信があったのだ。しかし、実際に始めてみると力量に雲泥の差があり、最初は俺が攻めるのだが攻めつかれると倍返しをくらいたちまち天国に昇らされて、気づけば攻められるのにはまっていた。マリリンちゃん恐るべし。別にいいんだ、マリリンちゃんとの時間は幸せだし、時々攻め方を教えてもらっていて奴隷を買ったときに試すつもりだ。


 ___


 異世界に転生してから1年たったある日、いつものように罠が多く人の少ない迷宮に潜っていると隠し部屋を発見した。複雑な罠を解除し、部屋に入ると部屋一面にアーティファクトや金などの鉱物が大量に散らばっていた。慎重に売っていくととんでもない金額になった。

 こうして俺は大商人並の資産を手にすることになった。

 ここは日本と比べると弱肉強食の世界、俺の資産を狙って悪い奴らが近づいてくるが問題は無い。俺たちは今までに多くのアーティファクトを発掘しており、その中の戦闘用摩道具の一部を装備した俺たちは上級冒険者相手でも負けないぐらい強くなっていた。特にピートは身体能力は低いものの罠解除の助手で鍛えられた器用さで扱いの難しい摩道具を複数使いこなし、俺よりも強くなっていた。


 豪邸を買い、召使を雇って準備完了。俺は奴隷を買いに商館を訪れた。

 目の前には煉瓦造りの大きな建物があり、看板にはカルガン奴隷商会と書かれている。以前二人の戦闘用奴隷を買った商会とは別の高級志向の店である。中に入ると小太りの男が近づいてきた。


「いらっしゃいませ!本日はどういったご用件でしょうか?」

 俺みたいな小娘相手にも愛想よく接客してくる。なかなか期待できそうだ。


「今日は奴隷を買いに来たの。これはミスギリ商会の紹介状よ」

 ミスギリ商会とは以前戦闘用奴隷を買った商会で戦闘用か労働用の奴隷しかおいていなかったので紹介状を書いてもらったのだ。


「確かにミスギリ商会の紹介状で間違いないようですね。それではご案内致しますのでこちらへどうぞ!」

 小太りの男に案内されるがまま俺は一階の広間に通された。


「本日はどのような奴隷をお求めでしょうか?」

 さて、どうする? 正直に言わなければ目的を達成することはできない。しかし、いざ来てみると自分の性癖を話すことに躊躇してしまう。


「女の奴隷が欲しいのだけど…」


「女の奴隷ですか? どういった用途でお求めですか? 当店には護衛用や戦闘用、召使用など様々なタイプの奴隷がございます」

 そうだよなぁ。やっぱりはっきり言わなくちゃ求めるものは手に入らない。恥ずかしがってないではっきり言おう。


「女の性奴隷が欲しい。年は15才ぐらいで処女がいい」

 ぶっちゃけてしまった。しかも15才って日本だったら犯罪じゃねーか。でも子供と大人の中間ぐらいの絶妙な年齢が俺の好みなんだ。ここまで来たんだ、開き直ってやるぜ!


「解りました。ではこちらでお待ちください」

 小太りの男は一瞬驚いたもののすぐに営業スマイルにもどり対応してくれた。

 しばらくすると小太りの男が3人の少女を連れて帰って来た。うお~! めっちゃかわいい! 3人ともアイドルにいてもおかしくないような美少女だ。容姿は3人とも違いはあるもののそれぞれかわいい。これからこの内の1人を自分のものにできると考えると体がゾクゾクと震えた。

 そして、小太りの男は俺の反応に満足そうにニコニコしている。


「彼女たちは全員同じ価格で金貨50枚になっております。それと、彼女たちは全員処女でございます。お買い上げの際は別室で確認に立ち会ってもらいますので」

 処女の確認ってやっぱりそこを見るってことだよね。やばい今からドキドキしてきた。

 だけど3人とも美少女すぎて誰にするか選べない。

「誰にするか暫く考えたいのでちょっとまってもらってもいいですか?」


「解りました。時間がかかっても構いませんのでそちらのソファに座ってください。あと、他の奴隷を見たくなったら声をおかけください」

 そういって小太りの男は店の奥へ入っていき、入れ違いに召使の女性がお茶を入れてきてくれた。


 誰にしよう!一番左のふわふわの髪のおっとりした感じの美少女もいいが、右の勝ち気な目をした美少女も捨てがたい。真ん中の清楚な雰囲気の美少女もすごくタイプだ。

 俺がひたすら悩んでいると小太りの男が戻って来た。


「失礼ですがお客様。お客様はアーティファクトハンターとして有名な上級冒険者様ではございませんか?」

「そうですが、どうして知っているのですか?」

「私たち奴隷商には独自の情報網があるのです。どうしてこんなことを聞くかというと、実はお客様を上級冒険者と見込んで紹介したい奴隷がいるのです」


 そうして俺は店の奥へ案内され、そこで一人の少女を紹介された。

 その少女を見て俺は思わず息を飲んだ。ものすごい美少女がそこにはいた。

 さらさらとした金髪は腰まで伸び、やや幼さののこる顔立ちは老若男女どんな人間の心でもわしづかみにしてしまうだろう。すらりとした手足やきめ細やかな肌は華奢な印象を与え簡単には触れてはいけないような気分にさせる。

 ただ、神々しいまでの見た目に反して表情は随分と暗い。何かいろんなことをあきらめたような顔をしている。

 そりゃそうか、奴隷なんて望んでなるようなものではない。優しい主人に身請けされるものなど一握りだけで、ほとんど将来なんて無いようなものだ。希望なんて持てないだろう。先ほどの3人は暗い表情を見せなかったが、少しでもいい待遇の人に買ってもらおうと明るい表情をしていただけである。

 だが、俺は奴隷を買うのをためらったりはしない。俺が買わなかったからといって奴隷制度が無くなるわけじゃないし、奴隷を買うことは俺がこの世界で生きていく上での目標でもあったのだ。


 さて、目の前の少女について、なんとなくだが高貴な雰囲気を感じる。どこかのお嬢様として育てられたかのような感じだ。しかし、表情はあいかわらす死んでおり、部屋に入って来た俺を一度も見ようとしない。ていうか今ため息つかれた。


「お客様、彼女は15才でかつ処女でございます。そして、ある条件をのんでいただけるなら私どもは彼女を金貨50枚で提供したいと考えております」

 金貨50枚か…もっと高いのかと思った。

「条件?」

「はい、条件の内容は彼女の本名を他人に漏らさない事とよそで売ったり手放さないことです。もし、どうしても手放したいときは当店へお売りください」

「その条件なら問題は無いのですが、何か理由があるのですか?」

 何か訳ありのような気がする。


「はい、彼女の名前はエミリア・ドイリンドと申します。実は名門貴族の娘だったのでございますが、少し前に家が政争に負けて没落してしまったのでございます。彼女の家族は全員犯罪者にされてしまい、彼女は王国の所有奴隷となり、抽選で私どもの奴隷商に売り払われたのでございます。しかし、彼女の家の政敵の貴族が彼女を所有し屈辱を与えようとしていることが私どもの情報網から知ることができました。彼女の家には以前恩があるので何とかしたいのですが、犯罪奴隷を勝手に解放することはできないし、ずっと奴隷商にとどめていても国に咎められてしまいます。彼女の家の味方の貴族も力を失っている状況です。ですので、貴族からは離れた立場でかつ強力な力を持った方を探しておりました。どうでしょう、彼女をもらってはくれないでしょうか?」


 うわ~、思った以上にわけありだった。しかし、ここで俺が彼女を買わないと間違いなく不幸になってしまいそうだ。それに一目見たときから俺にはもう彼女しか考えられない。


「理由はどうあれかまいません! 彼女をください!」

「本当ですか! ありがとうございます。彼女をよろしくお願いします」

 そうして俺はエミリアのご主人様となった。


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