ナイスサポート、たてるくん!
「ドアの前まで来たけど、」正面玄関の方を指さした。
「中に入んなくて、あっちへ走ってった人はいたよ」
男は子どもの言葉を少しだけ反すうするように、正面の方を見やったが、そのまま黙って入ってきたドアから出て、言われた方に走っていった。
椎名さんは、いつの間にか止めていた息を大きく吐きだした。
『シェイク』をかけなくてよかった。
あの頭痛が今起こったら、子どもらは誰が守ってくれるんだ?
オレは自分の本分を忘れるところだった。
「いなくなったぞ」扉が少しだけ開いて、ケインの目がのぞいた。
「ホント……やばかった。ありがとうございます」
「気をつけてな」まどかに、行こう、とうながし、外に出た。
明るい日差しの中では、先ほどのことはつかの間の悪夢のようだった。彼はまどかの頭をそっと撫でた。
「さっきはありがとう、まどか」
「だって『たてるくん』目がキライだもん」まどかは鼻にしわを寄せていた。
「ぜんぜん可愛くない。キャラももっと考えてほしいよ」
今度ほんものの建設業組合の人に会えたら、一応話してみよう。あのキャラが不細工なせいで、人が一人救われました、と。




