優等生、飽和状態でした
幼稚園では、相変わらずママたちがそこかしこに固まっていた。忙しそうな親はさりげなく子どもをせかして帰るのだが、いつまでも遊んでいたい子どもやら、何か込み入った話があるらしく三三五五固まっておしゃべりに花を咲かせている親やらがまだ園内にひしめいていた。
まどかは、彼の顔をみるとぱっと駆け寄ってきて、ぴょんと抱きついた。
「あのね、おべんとうおいしかったよ」
「そうか」よかった、実はかなり心配だったのだが。
「ご苦労さまです」クメタがわざわざ出てきてくれた。
「まどかちゃん、今日卒園式の練習でお礼の言葉、すごく上手でしたよ」
代表で前に出て発表する中の一人らしい。こんな緊張しいの子どもにできるのか、由利香がそう言えばすごく心配していたよな。
「そうですか……」しかし、オレ、卒園式に出られるのかなあ? あと、入学式とか。
「お父様が作られたとか、おべんとう…」内容を思い出してか、目元にやや同情が見える。
のは気のせいか?
「明日もおべんとうなんですが……」
「はい、」冷凍の品々を頭に思い浮かべた。
「だいじょうぶです」もう少しマシにはなるだろう。クメタがほっとしたように
「明日も2時半ですので」丁寧に頭をさげ、クメタはまどかに手をふってずっと、門のところから見守ってくれた。
「パパ、せなかに草ついてるよ」まどかが払ってくれた。
「どこ行ってきたの?」
「上の公園だよ」とたんにまどかが
「えええ? いいなあ」と、泣きそうな顔になる。
「まどかはさ、ずっとずっとガマンしてそつえんしきのれんしゅうしてたのに、あとアルバム作りとかさ、キネンの作品つくりとかさ、ダンスのれんしゅうとかさ……」
お手手つないでチーパッパの世界にも、何かと厳しい面があるのだろう。まどかはかなり張り詰めていたらしい。突然立ち止まって泣き出した。




