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偶然の接触……

「おはようございます」クメタ主任がわざわざ玄関まで迎えに出てくれた。

 今日の姿を見て、とりあえず合格点をくれたらしい。笑い方が優しくなっている。

「お疲れ様です、あの、今日お弁当でしたけど」

「はい、用意してきました」少しジマンげな口調になったかも。

「今日のお迎えは2時半ですので」わざわざ教えてくれた。ありがたいことだ。

 バイバイ、と軽く手を振ってからふり向きもせずに中に入ってしまったまどかをいつまでも見送っていたが、ふと、周りの視線がまだこちらに集中しているのに気づき、知らん顔しながら園を後にした。


 家まで帰る途中、小さな公園の前を通りかかった。隅に灰皿を見つけ、ベンチに座る。


 双子はお互いをかまい合っているせいか、しごくゴキゲン。その隙に一服。

 煙が子どもらに流れないように気にしながら煙草をふかす。

 それでもなんだか久しぶりに、のびのびした気分だった。

 と、すぐ脇の自販機から去ろうとするペンキ屋の若い二人と目があった。現場に向かう途中か、自販機でコーヒーを買い終わったところだったらしい。

 煙草を持つ手が完全に止まる。あちらも、完全に固まっている。

「あ」一人がつい声をあげ、もう一人に肘鉄をくらった。知らん顔をしてその場から去ろうとしているが、あれは明らかに、MIROCのエージェント、しかも、去年の夏とんだ場所で出会ったケインとラスコーだった。

 あの姿は、きっと何かの任務中だ。二人は真面目な顔をしてすぐ脇を通り過ぎていくが、そこに

 ぷうう

 トシが、可愛いオナラをひとつ。

 ついに、ケインがぷっと吹き出した。

 去って行く彼らの後ろ姿は、完全に肩が震えていた。

 はああ、大きくため息。吸殻をもみ消して立ち上がる。

 どこにもオレの安息の場所はないのか。あきらめて、バギーを押して家に帰った。

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