キャラ弁なぞ知るか
かっきり六時半に目が覚めた。
まず炊飯器の確認。蓋を開けると、見た目はちゃんと、ご飯になっていた。
一安心して、魚焼きグリルを温め、魚の切り身を入れる。味がついているのかどうか、分からないが切り身になっているということは、多分食べられるということなのだろう。
焼いてから味をみればいい。次。
玉子を割って、どんぶりに入れて混ぜる。朝ごはんの分も、と思い全部で四つ、玉子を割り入れ、塩を少し足してがしゃがしゃと箸で混ぜる。ボビーが、バターを入れるとどうとか言ってたな、小さく切ったバターも一つ、入れてみた。
フライパンに油をしいて、よく熱してから玉子を流し入れる。お、焼けてるぞ。
ようやく、何か軌道に乗ってきた感触。少し火が強くて下が黒くなったが、箸で軽くまぜながらどうにか形にまとめ、皿に移す。
そして肉。細切れのようだが塩コショウを振り、とにかくフライパンで焼く。
これもいい感じ。まるで焼いた肉のように見える。
それにしても焦げ臭い、そこではっと気づいてグリルを開ける。
真っ黒な固まりがプスプスと白い煙を出している。焦って裏返す。裏にはどうにか魚の面影が残っていた。
裏は慎重に焼いて、これも皿に出した。
弁当箱はどこだ? 自分が弁当なぞ持って行ったことがないので、こういうモノの置き場には、とんと疎い。
「おはよ」ちょうどまどかが起きてきたので、聞いてみる。
「まどか、お弁当箱どこか知らない?」
あきれたオッサンだなあ、という視線を一瞬流し、まどかは食器棚の一番上を指さす。
黄色い可愛らしいランチボックスがあったので、軽く拭いてから、中身を詰める。メシ、おかず、もう適当。
はっと気づいて魚を試食。びっくりするほど、味がなかった。
まどかがじっと見つめているのに気づき、「何味がいい?」と聞いてみた。
「こげてない味がいい」
はいはい、できるだけ被害の少なそうなところをうまく分けて、塩コショウをふって弁当に詰める。
玉子も少し味見。塩けが少ない。もしかして砂糖も必要だったのか?これにはケチャップをかけてみる。
肉はまあまあ。冷蔵庫にミニトマトがあったのを思い出し、一つ出してきれいに洗ってから真ん中に入れる。
少し離れて出来ばえを確認。うん、『らしく』見えるぞ。




