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暁の炊飯業務

 結局、マサは三つ目のヨーグルトを平らげ、満足したらしくようやく眠りについた。

 椎名さんは目の脇にできた傷を洗って、居間に戻った。

 すでに、明け方の4時半を過ぎていた。

 6時半には起きて、まどかのお弁当を作らなければならない。ご飯を炊いて、冷蔵庫の魚の切り身を焼いて、肉を焼いて、玉子を焼いて、リンゴがあったのでむいてやって、うまく弁当箱に詰めてやれば、かなりたんぱく質に偏った愛情弁当の出来上がりだ。

 あと二時間、眠ろう。そう思って横になったが、何かが気になった。世の中そんなに上手くいかないぞ、と日常の神様が警告を送っている。

 そうだメシ。学生時代は寮だったので気にしたことがなかったし、MIROCに入ってから教えてもらった炊飯は非常時対応なので、日常時の炊飯器の使い方がわからない。

 がばっと起き上がって、炊飯器をみる。

 内がまはきれいに洗ってあって、中に謎の目盛りがいくつもついている。123の数字が色んな幅でいくつも並んでいる。どれが真実のご飯につながるのだ?しかも水も入れるんだろう?

 飯盒の炊き方を思い出す。とにかく米といで、水は手首の節のところまで。基本は一緒だろう、とりあえずやってみよう。

 米びつを探すところから。食器棚の下の段に発見。カップも入っていたので適当に二杯ほど掬って内がまにそのまま入れる。水を流しながら、といでみる。

 二回程水を替えて、ざるに上げるんだっけ?しかしざるはどこだ? キョロキョロしてから見つけられずにそのまま、また水を入れて炊飯器にセット。

 メニューが色々あるが、あえて無視して『炊飯』ボタンを押す。

 ゴォォと恐ろしげな音が響き、何かが始まった。もう後戻りはできない。寝ることにしよう。


 長いながい一日目がようやく終了。もうすぐ、二日目の始まりだ。

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