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長い一日終わる、と思いきや

 お粗末ながら夕飯が済んだ。カップに入れてあったミルクを温め直し、ココアを入れて食後に出す。 自分はようやく、コーヒーを入れた。ドリップオンだがこの際なんでもいい。

 まどかがうれしそうに言う。

「いつもだとさ、ママがいろんなもの作って、これ食べなさい、これ残さないで、ってうるさく言うのにさ、パパだとおべんとうとかラーメンとか、できたものばっかりだし、うるさく言わないし……まどか、ずっとパパのごはんの方がいい」

 ……なんだか複雑な心境です。

 トシもマサも、ラーメンは初体験だったらしいが喜んで食べていた。

 片付けが済んで、お風呂に入り、ようやく子どもたちを寝かしつける。

 流しに積んである弁当の殻やラーメンのカップをよく洗い、ごみ袋に押し込んで出した食器を洗う。 洗濯機のところに置いた山のような汚れものも一つずつあらため、染みが酷いものは流し台に出して、ひとつずつ手でこすり洗い。

 テレビ前に散らかったおもちゃを拾い集め、時計をみる。


 すでに夜の11時となっていた。


 はぁっとテレビの前に寝転んだ。長い、ながい一日だった。


 子ども三人を風呂に入れるのに精いっぱいで、自分が入っていなかった。どうしよう、今から入るべきか。

 それよか、明日の弁当をどうしてくれよう。メシもないのに。米をもたせるか。

 いや、それじゃあMIROCの特務サバイバル訓練じゃん。米と草とパチンコ一つで捕った鳥。味付けは塩のみ。まどかが迷彩服に身をつつみ、園庭の植え込みに隠れながらスズメを狙い撃ちしている姿が目に浮かんできた。


 気づいたら、すっかり眠っていた。


 はっと目が覚めた。奥の部屋から泣き声が聞こえる。

 すぐ脇にまどかが座りこんで、彼を揺すっていた。

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