表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/42

泣けてきた

「サンちゃん?」聞きなれた声がのんびりと響く。

「ハルさん?」泣けてきた。オレまで泣いたら親子四人泣きだ。

「何してんだよ、休みなのに」少し言葉を切って

「ずいぶんとにぎやかだねえ」呑気なことを言ってる。

「今度は、何やらかしちゃったワケ?」

「弁当買ってたらさ……またゆっくり話す」

「オクサンは? いないの?」イヤな所を直球で聞いてくる。

「ちょっとね……まあそれも休み明けにゆっくり」

「ははぁん?」こういう所は妙に察しのいいオッサン、怪しげな相槌をうった。

 警官が差し出す手に電話を返す。シノザキ巡査はハルさんと何ごとか話をしていたが、ようやく「はい、はい了解しました」と電話を切って、改めてこちらに向き直った。

「すみません……アオキさん、ということで」もう一人の方をみて

「身元は保証されたから、帰っていただいて大丈夫」そう言ってくれた。

「路上駐車は、やめてくださいね」もう一人は、警察らしくそう彼に告げる。

「それと、お子さんだけ車に残して離れないように」

「はあ、すみません」一応謝った。しかし、コイツら三人、どうやって一緒に外に出せばいいのだ?

 ようやく家に帰ることができた。

 カーポートに車を収め、後ろを振り返ると、二人とも泣き疲れて眠っていた。

 まどかは指をしゃぶったまま、じっと前を見つめている。

「着いたよ」声をかけたが、何の返事もない。

「まどか」何度か呼んだら、ようやく涙目のままこちらを見た。

「ママに、あいたくなっちゃった」

「オレもだよ」大きくため息をついて、車から降りた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ