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この世界に希望と絶望を。
西暦2055年ー
この世界はもう終わっていた
希望はなくなり、あるのは絶望だけ。
そんな世界に生きている私は一体何なんだろうか。
私に愛を教えてくれたかつての母と父もこの世界の贄になり消えてしまった。唯一血が繋がっていた兄も昨日居なくなった。
私に残る物は全てなくなってしまった。数少ない私の希望ももう無い。
…あぁ、私は馬鹿だ。
最初から希望なんてモノを持っていたから失った時の絶望感が凄い。
この世界に…この現代に…希望何てモノを、幸せ何てモノを持つ者は馬鹿なやつだ。
『フッ…本当馬鹿みたいだ…』
自嘲気味に笑うと私はフードを深く被り、眩しい位の太陽の光を浴びながら足を動かした。